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『モンハンワイルズ』辻本/藤岡/徳田インタビュー。謎の大型モンスターはその地域の“ヌシ”? オトモはネコ語にも設定可能。実機映像鑑賞後にいろいろ聞いてみた【Summer Game Fest 2024】

byぽんきち

byででお

『モンハンワイルズ』辻本/藤岡/徳田インタビュー。謎の大型モンスターはその地域の“ヌシ”? オトモはネコ語にも設定可能。実機映像鑑賞後にいろいろ聞いてみた【Summer Game Fest 2024】
 2024年6月8日午前6時から配信された、ゲームの最新情報などを発表するイベント“Summer Game Fest2024”(サマーゲームフェスト2024)にて、カプコンのハンティングアクション『モンスターハンターワイルズ』のクローズドプレゼンを受けることができた。プレゼンで鑑賞できた映像からは、プロモーション映像2にも映っていないさまざまな情報が得られた。

 本稿では、プレゼンで得た情報をもとに、本作の開発陣3人にお話をうかがった。プレゼンの内容がもっと知りたい方は、こちらの記事も併せてチェックしてほしい。
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辻本良三氏(つじもとりょうぞう)

『モンスターハンターワイルズ』プロデューサー。 (文中は辻本) “※“辻”の字は1点しんにょうです。

藤岡 要氏(ふじおか かなめ)

『モンスターハンターワイルズ』アートディレクター兼エグゼクティブ・ディレクター。 (文中は藤岡)

徳田優也氏(とくだゆうや)

『モンスターハンターワイルズ』ディレクター。 (文中は徳田)

生態系の頂点となるモンスターの正体とは? システム的にも大きく進化したシリーズ最新作

――まずはプロモーション映像2で姿を見せた、謎の大型モンスターについてお聞きしたいです。飛竜種のように見えたのですが、古龍種のような強大さも感じました。あのモンスターはいったい……?
藤岡 
隔ての砂原にいるモンスターの生態系の頂点……いわゆるヌシ的な存在のモンスターになっています。名称やどういった行動をするかなど、詳細に関しては今後情報をお出ししていくので、楽しみにお待ちください。

――ヌシというと、『モンスターハンターライズ』の……?

藤岡 
ヌシとはいっても、そういったシステム的な意味での呼称ではありません。あくまで生態系の頂点に立つモノ、としてとらえていただければ。

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――動画では雷を使った攻撃も見られました。
藤岡 
隔ての砂原は、気象の変化によって落雷がひどくなったりといったことがあります。そういった属性に則した能力を持っているモンスターだと思っていただいて大丈夫です。

――本作では環境を利用した狩りが特徴のひとつだと思うのですが、数あるギミックをユーザーに気付いてもらうための誘導はどのように行っているのでしょうか?

徳田 
本作では、まずマップにさまざまな情報が記載されています。現状だけでなく、マップの確認によって先のほうまで見ながら遊べるというのがまずひとつ。

 さらに、今回は編纂者やオトモがよくしゃべるようになっているのですが、あれは単純にゲームを彩るというところ以外にも、オトモが「あれがいま使えそうだよ」みたいにボイスでサポートしてくれるので、そういった部分で“気付き”の機会を増やす仕掛けを入れております。

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――わかりやすくハイライトを入れたりとかでしょうか?
徳田 
そうですね。たとえば利用できるものに対し、導蟲(しるべむし)が飛んでハイライトされたり、名称が分かったりするなど、『モンスターハンター:ワールド』のときのような感覚で気付けるようになっています。

――ハイライトと言えば、モンスターに傷をつけた部位が赤くハイライトされますよね。そこへ“集中モード”によって傷ついた部位に攻撃ができるとのことですが、具体的にはどのように集中モードになるのでしょうか。

徳田 
まず、傷自体は集中モードとは関係なく、攻撃していれば傷をつけられる部位に対してどんどん付けられるようになっています。できた傷に対しては、集中モードからの弱点攻撃……集中弱点攻撃でなくても大きなダメージを与えられますし、モンスターが特別なリアクションを取ってくれることもあります。

 そして集中モードというのは、ボタンを押すことでカーソルが出て、そのカーソルの方向へガードや攻撃が簡単にくり出せるようになるというシステムです。アクションゲームが苦手で、モンスターとの位置関係や角度を合わせるのが難しいと感じる人に、ロックオンカメラなどと併用して使っていただくと、攻撃を当てやすく、スムーズにプレイできるかなと。

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 また、集中時には傷が赤くハイライトされますので、より弱点を判別しやすくなり、そこへ先ほどの集中弱点攻撃を当てると、特殊な派生技に移行しつつ大ダメージを与えられるといった仕組みになっています。

辻本 
ターゲットカメラやロックオンカメラと似てはいますが、同じシステムではないんですよ。徳田が話したように、仕組みがぜんぜん違うものになっています。

――なるほど。傷自体はどんな攻撃でもつけられるんですか?

徳田 
武器の攻撃でもできますし、モンスターの縄張り争いや落石などの環境攻撃でも傷がつきます。特定の状況に限定されたり、何か特別なアイテムを使わないと傷がつかない、といったことは本作ではありません。

――今回武器鞄が追加されました。近接武器ふたつ、もしくは遠距離武器ふたつを装備した際にどのようなシナジーを想定していますか?

徳田 
近接どうし、遠距離どうしはもちろん、同じ武器種のものをメインとサブのふたつ装備することも可能です。たとえばハンマーを2種装備し、メインは火力系に、サブは麻痺属性の武器にして、モンスターを麻痺させつつ火力も出していく、といった使いかたができます。

 そのほかにも、切断系統の武器と打撃系統の武器を装備し、切断武器でモンスターの尻尾を切断し、さらに打撃武器で気絶も狙うといったプレイングも可能ですね。

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――従来作のようにひとつの武器を使い続けるよりも、武器鞄で武器を使い分けるほうが有利なのでしょうか?
徳田 
メインの武器だけを使い、あえてスイッチしないという遊びかたもプレイヤーの選択肢として当然あります。

藤岡 
とはいえ、ふたつの武器を使わないとクリアーできない、という難度には設定していませんので、そこはご安心ください。

――キャンプについてお聞かせください。本作ではフィールド上に簡易キャンプを設営できるようですが、具体的にはどのような仕様になっているのでしょうか?

徳田 
フィールドにいくつかの設営候補地がありまして、その候補地に対して決められた数だけキャンプを設営できます。

 従来作のように、絶対に安全な場所は用意しているのですが、利便性が高い代わりにモンスターに襲われて壊される可能性がある場所も候補地として設定しています。ハイリスクハイリターンで危険性の高い場所に設営する選択肢もありますし、安全な場所にのみ設営して安定を取るということもできます。

 決められた数の中であれば、キャンプを自由に設営したり、または壊して別の場所に……といったことが可能です。プレイヤーの遊びかたに応じて選んでいける仕様になっています。

――本作はクエストクリアー後、シームレスにフィールド探索へ移行しますが、その場合でもキャンプは再利用できるんですか?

徳田 
できます。自分で壊す、あるいはモンスターに壊されない限り、継続してキャンプを利用可能です。

より深く描かれる自然の荒々しさと、没入感の高いストーリー

――本作では主人公(プレイヤー)もカットシーンなどでしゃべるようになっています。その場合、主人公がより強く自我を持つということであり、そのときのプレイヤーの感情やロールプレイなどとの乖離も起きやすいと思うのですが、その辺はどのように意識して制作されているのでしょうか。

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藤岡 
主人公により個性を持たせる、という方向性ではないんですよ。これは『モンスターハンター:ワールド』のときから考えていたことなのですが、ストーリーが続いていく中で、自分だけがしゃべらないというのはやはり不自然じゃないかと思いまして。何か質問されたら返事くらいはするでしょうと。

 主人公が行動を取る際に、何かしらの言葉を発するというのは、ストーリーを語るうえでは最低限必要なことだろうと考えました。

 ただ、主人公が軸になってどんどんしゃべってストーリーが進んでいくというわけではありません。ストーリーはいろいろな登場人物たちと関わりを持って進んでいくので、その中のひとりとして参加しているという没入感のほうに寄せた形ですね。

辻本 
ちなみに今回はオトモアイルーもしゃべるのですが、これはネコ語にも設定できたりします。

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徳田 
いつものニャーニャー言う感じですね(笑)。オプションから簡単に変更できるようになっていますので、ぜひ聴いてみてください。

 開発としては、ボイス周りを作り込んでいるうちにどんどんオトモに愛着が湧いてきてしまって。クエスト中はいろいろなことを教えてくれて便利ですし、いざというときには助けてくれる相棒感も凄いので、ボイス関連もいろいろと試していただけると嬉しいですね。

――どのボイスにするか悩みそうです。話は変わりますが本作のタイトルに関してお聞きします。『モンスターハンターワイルズ』というタイトルにはどんな意味が込められているのでしょうか? また、タイトルロゴのフォントなどが『モンスターハンター:ワールド』に寄せた感じに見えるので、何らかの関連性があるのかなとも思ったのですが。

辻本 
タイトルに関してですが、『モンスターハンター:ワールド』以降は、その作品のテーマやイメージするものをタイトル名に付けましょう、という方向性で制作してきています。

 今回は、世界そのものや生態系を深く描いていきたいという考えがまずあったのですが、そこを深掘りするほど、本来の自然が持つ荒々しさに気付かされ、そんな自然に飛び込んでいくワクワク感や勇気を持つという部分も描いていきたいなと考えるようになりまして。

 そこで“荒々しさ”をイメージできる“ワイルズ”をタイトル名に付けさせていただきました。

 
『モンスターハンター:ワールド』とのつながりは、直接的には存在しません。『モンスターハンターワイルズ』で独立した世界観とストーリーになっていますし、シリーズの完全新作という位置付けです。『モンスターハンター:ワールド』を知らないと楽しめない、ということは一切ないのでご安心ください。

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藤岡 
タイトルロゴに関しては、ストーリーを進めていくといろいろと秘密が分かってくるデザインになっています。そこもぜひ楽しみにしていてください。

――『モンスターハンター:ワールド』では、REエンジン(※)を使用していませんでしたが、本作ではどうなのでしょうか?
※カプコン独自開発のオリジナルゲームエンジン。
辻本 
『モンスターハンターワイルズ』はREエンジンを使用して制作しております。ぜひ期待していていただければと。

――最後のおまけでお聞きしたいのですが、料理で肉にチーズを乗せて焼いているシーンがありました。とてもおいしそうだったのですが、あれは実写ですか、CGですか?

藤岡 
えーと、あれはCGです(笑)。

プレゼン内容についてはリポート記事をチェック!

 聞きたいことはまだまだあったが、インタビューはここで時間切れ。筆者がどんなプレゼンを受けたのか知りたければ、以下の記事に目を通してほしい。
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