本稿では、プレゼンで得た情報をもとに、本作の開発陣3人にお話をうかがった。プレゼンの内容がもっと知りたい方は、こちらの記事も併せてチェックしてほしい。
辻本良三氏(つじもとりょうぞう)
『モンスターハンターワイルズ』プロデューサー。 (文中は辻本) “※“辻”の字は1点しんにょうです。
藤岡 要氏(ふじおか かなめ)
『モンスターハンターワイルズ』アートディレクター兼エグゼクティブ・ディレクター。 (文中は藤岡)
徳田優也氏(とくだゆうや)
『モンスターハンターワイルズ』ディレクター。 (文中は徳田)
生態系の頂点となるモンスターの正体とは? システム的にも大きく進化したシリーズ最新作
――ヌシというと、『モンスターハンターライズ』の……?
――本作では環境を利用した狩りが特徴のひとつだと思うのですが、数あるギミックをユーザーに気付いてもらうための誘導はどのように行っているのでしょうか?
さらに、今回は編纂者やオトモがよくしゃべるようになっているのですが、あれは単純にゲームを彩るというところ以外にも、オトモが「あれがいま使えそうだよ」みたいにボイスでサポートしてくれるので、そういった部分で“気付き”の機会を増やす仕掛けを入れております。
――ハイライトと言えば、モンスターに傷をつけた部位が赤くハイライトされますよね。そこへ“集中モード”によって傷ついた部位に攻撃ができるとのことですが、具体的にはどのように集中モードになるのでしょうか。
そして集中モードというのは、ボタンを押すことでカーソルが出て、そのカーソルの方向へガードや攻撃が簡単にくり出せるようになるというシステムです。アクションゲームが苦手で、モンスターとの位置関係や角度を合わせるのが難しいと感じる人に、ロックオンカメラなどと併用して使っていただくと、攻撃を当てやすく、スムーズにプレイできるかなと。
また、集中時には傷が赤くハイライトされますので、より弱点を判別しやすくなり、そこへ先ほどの集中弱点攻撃を当てると、特殊な派生技に移行しつつ大ダメージを与えられるといった仕組みになっています。
――なるほど。傷自体はどんな攻撃でもつけられるんですか?
――今回武器鞄が追加されました。近接武器ふたつ、もしくは遠距離武器ふたつを装備した際にどのようなシナジーを想定していますか?
そのほかにも、切断系統の武器と打撃系統の武器を装備し、切断武器でモンスターの尻尾を切断し、さらに打撃武器で気絶も狙うといったプレイングも可能ですね。
――キャンプについてお聞かせください。本作ではフィールド上に簡易キャンプを設営できるようですが、具体的にはどのような仕様になっているのでしょうか?
従来作のように、絶対に安全な場所は用意しているのですが、利便性が高い代わりにモンスターに襲われて壊される可能性がある場所も候補地として設定しています。ハイリスクハイリターンで危険性の高い場所に設営する選択肢もありますし、安全な場所にのみ設営して安定を取るということもできます。
決められた数の中であれば、キャンプを自由に設営したり、または壊して別の場所に……といったことが可能です。プレイヤーの遊びかたに応じて選んでいける仕様になっています。
――本作はクエストクリアー後、シームレスにフィールド探索へ移行しますが、その場合でもキャンプは再利用できるんですか?
より深く描かれる自然の荒々しさと、没入感の高いストーリー
主人公が行動を取る際に、何かしらの言葉を発するというのは、ストーリーを語るうえでは最低限必要なことだろうと考えました。
ただ、主人公が軸になってどんどんしゃべってストーリーが進んでいくというわけではありません。ストーリーはいろいろな登場人物たちと関わりを持って進んでいくので、その中のひとりとして参加しているという没入感のほうに寄せた形ですね。
開発としては、ボイス周りを作り込んでいるうちにどんどんオトモに愛着が湧いてきてしまって。クエスト中はいろいろなことを教えてくれて便利ですし、いざというときには助けてくれる相棒感も凄いので、ボイス関連もいろいろと試していただけると嬉しいですね。
――どのボイスにするか悩みそうです。話は変わりますが本作のタイトルに関してお聞きします。『モンスターハンターワイルズ』というタイトルにはどんな意味が込められているのでしょうか? また、タイトルロゴのフォントなどが『モンスターハンター:ワールド』に寄せた感じに見えるので、何らかの関連性があるのかなとも思ったのですが。
今回は、世界そのものや生態系を深く描いていきたいという考えがまずあったのですが、そこを深掘りするほど、本来の自然が持つ荒々しさに気付かされ、そんな自然に飛び込んでいくワクワク感や勇気を持つという部分も描いていきたいなと考えるようになりまして。
そこで“荒々しさ”をイメージできる“ワイルズ”をタイトル名に付けさせていただきました。
『モンスターハンター:ワールド』とのつながりは、直接的には存在しません。『モンスターハンターワイルズ』で独立した世界観とストーリーになっていますし、シリーズの完全新作という位置付けです。『モンスターハンター:ワールド』を知らないと楽しめない、ということは一切ないのでご安心ください。
――『モンスターハンター:ワールド』では、REエンジン(※)を使用していませんでしたが、本作ではどうなのでしょうか?
――最後のおまけでお聞きしたいのですが、料理で肉にチーズを乗せて焼いているシーンがありました。とてもおいしそうだったのですが、あれは実写ですか、CGですか?