東京新聞(中日新聞東京本社)は、本社編集部門のフロアで使用する電力(年間約百万キロワット時)を、再生可能エネルギーに切り替えたとみなす認証を取得しました。再エネを調達したと認める「グリーン電力証書」を購入して、火力や原発などではない再エネ由来の電力により、環境にやさしい新聞編集を目指します。
グリーン電力証書は「日本自然エネルギー社」(東京)が発行しています。同社は国内で太陽光やバイオマスなどの再生エネ事業を手掛ける四十九発電所(計約三億キロワット)に発電委託。その発電量に見合った二酸化炭素(CO2)を削減したとみなして、環境を守ることに貢献したとする「証書」を売り出しています。第三者機関の日本品質保証機構が証書の価値を認証しています。
東京新聞は十一月から、編集部門が使用する照明や空調、記者やデスク端末などに使う電力量に見合った証書(バイオマス発電)購入を開始しました。これにより編集作業の電力はバイオマスを使ったとみなされます。きょう八日朝刊の紙面から証書のロゴマークを掲載します。
◆環境保護重視、広がる購入 139社・団体がグリーン証書
「グリーン電力証書」は、国内の企業で購入の動きが広がっている。再生可能エネルギーを利用したとみなされる仕組みを使い、環境保護の取り組みに積極的だと打ち出すのが狙いだ。背景には、企業の再エネ利用や二酸化炭素(CO2)削減の姿勢に対し、市民や機関投資家らの目が厳しくなっていることがある。 (石川智規)
証書発行を手掛ける日本自然エネルギー社によると、国内でグリーン電力証書を年間契約しているのは、トヨタ自動車や順天堂大医学部附属練馬病院など百三十九社・団体。年間契約電力量は計約二億五千万キロワット時に上る。
味の素AGF(東京)はグリーン電力証書を購入することによって、一八年三月末から本社と営業拠点で使用する電力のすべて(約八十万キロワット時)を再エネでまかなっている形。アサヒビールは証書を通じ、主力商品スーパードライ(三五〇ミリリットル缶)の製造に風力発電とバイオマス発電を活用している。
国内外の機関投資家は近年、「ESG(環境・社会・企業統治)投資」と呼ばれる考え方を重視し、環境保護や地球温暖化防止に積極的に取り組む企業に投資する姿勢を強めている。だが、多くの企業にとって自前の再エネ発電設備を持つのは難しい。そのため、グリーン電力証書などを活用して間接的に再エネ普及の促進に努めている。
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東京新聞(中日新聞東京本社)が購入するグリーン電力証書は年間百万キロワットで、本社編集局、技術局、東京中日スポーツ総局、電子メディア局のフロアで一年間に使用する電力の総量分に相当します。
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