jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「ブラックフライデー」ですか--“ブラックマンデー”にぶつかった身としてはあまり心地よくは思えない言葉

アメリカでは,感謝祭が11月の第4木曜日に行われ,その翌日はみんなが休みを取ることが多いため,この日に在庫一掃セールを行うため,ブラックフライデーと呼ばれている。ブラックという言葉の響きが気になるが,アメリカでも「黒字になる」という前向きな言葉として解釈するようになっているそうである。

 一方筆者は,1987年10月19日(月曜日)に起こったニューヨーク株式市場の大暴落である“ブラックマンデー”をたまたま現地で体験した。金融の中心であるニューヨークで,金融関係者が失職する事態だったが,留学中の学生の身にはそれほど大ごとには見えなかった。同じマンハッタンだが中央より北のエリアにいたからかもしれない。

 たまたま経済学の講義を取っており,教授と学生が今後の社会について討論をしていた。残念ながら筆者の英語力ではほとんど理解できなかった。まあ,現地にいても,その後も普通に帰国できたことを考えると,意外にも堅実な生活をしていたのかもしれない。ただこの「ブラック」という響きが,マイナスのイメージを持たせているのは確かである。

 ブラックフライデーという言葉は,1950~60年ごろに使われ,最初はあまりいい印象がなく,大々的なセールということで「ビッグフライデー」にしようという呼びかけもあったそうだが,上記のような前向きな理由づけでブラックフライデーという言い方が定着したようである。

 コストコを代表として,アメリカの小売り店の規模の大きさは半端ではない。そこに大量の在庫が置かれていることも確かで,通常の販売価格の数分の1といった極端な値付けも多い。

 日本でブラックフライデーが使われ始めたのは2000年以降のことのようである。ここはAmazonブラックフライデーセールの影響が大きいと思われる。ただ,日本では感謝祭がない代わりに「勤労感謝の日」が11/23にあるため,この日の後の最初の金曜日をブラックフライデーとすることもあり,アメリカより1週間ほど早いこともあるという。

 今や,年中さまざまなタイミングでセールが行われており,あまり新鮮味を感じなくなった。アメリカのブラックフライデーでは,本当に在庫のたたき売りが行われることが多いのに対し,日本では通常価格より安い,ぐらいの感覚しかない。しかもAmazonのサイトでの商品数は桁違いで,おそらくすべてを見つくすことはないだろうと思われるほど,出展点数が多い。

 今年は,結構苦しいのだが,すでに普通の日に衝動買いを2回もしてしまっている。ブラックフライデーでなければ買わないような商品もあるのだと思われるが,そろそろ自制しなければ「広告に踊らされる男」というレッテルが張られてしまいそうである。