信号待ちで「ヘッドライト消灯」OK? バッテリーやまぶしさ配慮より懸念すべき危険性とは (msn.com) 信号待ち時にパーキングブレーキを使ってブレーキペダルから足を離してもいいのか? | 自動車情報・ニュース WEB CARTOP など,信号待ち時のクルマの装備の扱いについて,自動車関連のジャーナリストがよくアップしている。
どうも,筆者の認識とはいずれも逆なのである。ヘッドライトは付けたままにする,パーキングブレーキは使わずにフットブレーキを踏み続ける,というのがジャーナリストの言い分である。法律的にも合っているし,安全面優先という意味でも適切な指摘なのだが,その「安全」の指摘が,「発進時にヘッドライトを点け忘れる」「停車時に知らないうちに動いて前のクルマにぶつかる」という点に問題があるとしているのが,筆者には気に入らないのである。
そもそも,クルマを運転する際には,そんなウッカリがあってはならないはずである。信号停車中は,歩行者,周囲のクルマ,そして双方の信号を常に気をつけ続ける必要があると思う。さらに発進の際にも,信号,前後のクルマの動き,二輪車や歩行者の動きなどを確認したうえで,ブレーキペダルからアクセルペダルに右足を踏み換え,さらに前後のクルマの動きに合わせてアクセルの踏み込み量も加減する必要がある。
そのような,停車・発進の際に,ヘッドライトを点け忘れるとか,パーキングブレーキの効きが悪くて前車にぶつかるとかは,基本的に起こるはずはない。
ところが,最近のクルマのように,何でも自動化されてしまうと,ドライバーが注意しなくても問題なく動いてしまう。したがって,逆に余計なことをすると,ウッカリミスを起こしてしまうのである。
筆者からすると,オートライトもアイドリングストップもオートロックも不要である。余計な自動化により,人はかえってダメになっていく。そのために,周囲に注意を払うこともなく,アクセルを普通に踏み込んで,飛び出してしまったりするのではないだろうか。
ヘッドライトについては,ずいぶん前に指摘している。夜の信号待ちでヘッドライトを点けたままにすることに対する意見 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2019/8/14。スモールライトが点いているので,クルマの存在は他車にもアピールしている。車線が違うからヘッドライトを点けて対向車に存在をアピールする必要もない。最も困るのは,ヘッドライトが点いているとその前を渡る歩行者がライトの光の中で消えてしまうことである。こちらの方がよほど危険だと筆者は言っているのである。
パーキングブレーキについても,信号待ち時,ブレーキ踏み続けをやめよう--これが「踏み間違い」の原因だ - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/11/12 と書いている。ブレーキを踏み続けていることで右脚が疲れ,逆にブレーキが緩んで前に進んでしまうし,ブレーキから脚を外した途端にアクセルを踏み込んでしまうので,急加速につながってしまうから危険だ,と指摘しているのである。
まあ,クルマのジャーナリストは,クルマメーカー寄りでないと仕事にならない。「アクセルとブレーキの踏み間違い」についても,クルマ側の不具合の可能性には一切触れない。そんなことを書いたら,メーカーの発表会に二度と呼んでもらえないからである。悪いのは,ドライバーにある,という視点で書くから,クルマにとって安全側を支持するという理屈になる。
筆者は,信号待ちではヘッドライトを消し,パーキングブレーキを引く。信号が青になる前に,フットブレーキを踏み直してパーキングブレーキを解除し,青になればヘッドライトを点けて発進する。信号の状態を常に見ているから,慌てることもない。
そのように指導すべきだが,そもそも免許取得のための練習中には,クルマを動かすテクニックしか教えないから,マナーなどは後回しになってしまうのではないか。
最新型のクルマでは,もはやマニュアルではヘッドライトを消せないモデルも出ている。こういうクルマは,暗くなると自動的にヘッドライトモードになる。しかし,アンダーパスのような少し暗くなるような場面でも,ヘッドライトやスモールランプが自動的に点く。数秒で通り過ぎる場合でも点灯するため,びっくりさせられる。対向車はかえって危険である。
何でも自動化は,人をダメにする。何でも自動化すれば済むという問題ではない。自動運転など,もってのほかで,アメリカや中国など,広大でまっすぐな道しかない国で勝手に進めればいい。もちろん,空飛ぶクルマも日本には不要である。それより,クルマ,自転車,歩行者が安心して移動できるような道路の根本的な整備が先である。自転車の新ルールに疑問(個人的な意見です)--この際,街路樹を取り除いて自転車レーンを高速/低速の2レーン分確保する案を提言 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/2/15。
最終的にクルマメーカーに寄り添う自動車ジャーナリストは,専門家でも何でもないただの物知りである。言うことを鵜呑みにするのは,いかがなものだろうか。