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戦前の日本では、私娼すなわち無届で営業活動をするセクシャルワーカーの女性が非常に多かった。とくに大正時代になるとその数が急増。もちろん違法行為であるため、警察もその取り締まりを盛んに行った。
吉田秀弘氏の『日本売春史・考』によれば、大正時代、10年間に警察が検挙した私娼の人数は1万7000人。このうち、初めて検挙された女性は67パーセントに及んだという。これはつまり、新しく私娼になる女性が後を絶たなかったということである。
その私娼だが、新聞記事などの資料を調べてみると、意外にも10代少女が検挙されるケースが珍しくない。
当時、公娼つまり届出による娼妓は18歳以上と定められているので、未成年者が私娼に走るケースが多かったのではないだろうか。15歳から17歳の少女たちが、街娼として、または何らかのセクシャルワーカーとして、活動したり、検挙されたり、あるいはセックス関連の事件の当事者となったようなケースは探せば次々に出てくるのである。
15歳の少女が街娼ということでも驚いてしまうが、実はさらに驚くケースはあるものだ。
昭和6年(1931)11月のこと、大阪で私娼の検挙が行われた。
その検挙された女性の中のひとりが、12歳の少女だったと判明。これには警官たちも驚いたのではなかろうか。
資料には詳細が記されていないのでよくわからないが、おそらくは成人女性または同等の外見を持つ少女ではなかったかと思われる。