アマゾンのジェフ・ベゾスCEOには会議に関する独自ルールがあるという。
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ベゾスの成功の鍵のひとつは、会議の数を最小限に抑えることだ。昨今の状況下、この点から得られる教訓もあるだろう。
ハーバード大学の調査によれば、コロナ禍に会議の数は平均13%上昇したという(ただし、それぞれの会議時間は20%短縮され、従業員が会議に費やす時間は12%減少している)。
科学的調査と専門家の見解を踏まえると、ベゾスが会議を避けようとするのは理に適っている。30人もの多人数の会議は、予定を入れる前に再考したほうがいいだろう。
会議参加者全員に対しピザ2枚で十分
ベゾスによれば、彼自身が投資家との会議に費やす時間は年間わずか6時間。早朝の会議は、断固として避ける。
だがそれよりもクリエイティブなのが「ピザ2枚ルール」だ。不要な会議に時間を費やして1日を無駄にしないために、ベゾスが実践している戦略のひとつである。
ルールは簡単。会議に参加する人数が多いほど、会議の生産性は低下する。したがって解決策は、ピザ2枚が全員に行き渡らないような規模の会議は開催しないことだ。
アマゾンであれ他の企業であれ、大人数の会議はクリエイティビティを減退させかねない。レイチェル・ジレット(Rachel Gillett)は『ファースト・カンパニー』誌に寄せた記事の中で、アイデアを批判的に評価することなく全員が賛成してしまう「集団思考」や、大勢の人がいるために誰も結果責任を負わなくなる「社会的手抜き」といった現象は、関わる人数を減らすことで防げる、と述べている。
同様に、ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ共同創設者のベン・ホロウィッツや、イェルプのジェレミー・ストッペルマンCEOも、大人数の会議より1 on 1ミーティングを好んでいる。
会議はデフォルトではない
会議を効果的なものにするためには、強力なモデレーターを指名する、会議の運営ルールを決める、すべての参加者にとって適切な議題かを事前に確認する、といった点も重要だ。
コネクテッドな議事録作成ソフトウェアのスタートアップであるヒューゴ(Hygo)は、1週間に4時間しか会議をしない。報告事項は事前に共有し、全員がその内容を把握したうえで、さらに議論すべき内容が残る場合だけ会議を行うようにしているからだ。
ベゾスのルールは要するに、会議は少なければ少ないほどよい、ということだ。もっとも、ベゾスの助言を文字通り受け入れて、時折、会議にピザ2枚を提供するのもいいだろう。ピザがあれば、万事うまく進む。
※この記事は2020年8月25日初出です。