第2回忠誠求めるトランプ氏に日本は 影響力陰る米国の「穴」埋められるか

有料記事トランプ再来 解説と展望

編集委員・佐藤武嗣
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 「米国が歴史的に抱いてきた価値観は、もはや当てにできない。日本はそうした環境に備えなければならない」。著名な米国際政治学者、イアン・ブレマー氏は先月、東京で講演し、地域で「日本がより大きなリーダーシップを発揮しなければならない」と訴えた。

 自由貿易や民主主義、法の支配――。米国が牽引(けんいん)してきた価値観外交が瓦解(がかい)し、国際秩序を主導するリーダー不在の時代にある。ただでさえ、日本を取り巻く環境は厳しい。安全保障で連携を強める米国と、日本の最大の貿易相手国である中国が対立を深め、中国や北朝鮮といった権威主義国家に囲まれ、安保環境は悪化している。

 そこに同盟軽視で米国第一、保護主義を振りかざすトランプ前大統領が再登板し、日本は同盟の維持・強化にも苦心するだろう。政府内からは「4年間耐え忍ぶしかない」(外務省幹部)との声も漏れる。

【連載】トランプ再来 解説と展望

米大統領選で共和党のドナルド・トランプ前大統領が返り咲きました。米国に、日本に、世界に、どんな影響をもたらすのか。海外特派員や編集委員が展望します。

 国際情勢を俯瞰(ふかん)することなく、対米輸出品への関税を引き上げたり、対米投資拡大や防衛費増、米国製装備購入などを求めるだろう。日本経済界からも過度な保護主義に陥らず、自由貿易体制を尊重するよう警戒の声が上がる。

 奔放で忠誠心を求めるトラン…

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この記事を書いた人
佐藤武嗣
編集委員|外交・安全保障担当
専門・関心分野
外交、安全保障、国際情勢、民主主義、ジャーナリズム