Shortcut: WD:S
Help:情報源
ウィキデータ上のたいていの文は検証可能であるべきであり、書籍や科学文献や新聞記事といった情報源によって支持���れるべきです。ウィキデータにおいては、出典は文で提供されているデータの後ろ盾となる特定の情報源を指すために使われます。
文と同じように、出典も少なくともひとつのプロパティ-値ペアからなっています(出典に対して、値となるのが情報源です)。典型的には、情報源に対して使用されるプロパティは2つの選択肢のうちのひとつです:stated in (P248)(出版物とメディアに言及)とreference URL (P854)(ウェブサイトとオンライン・データベースに使用される)。
このガイドラインではウィキデータにおいてどのようなときに文に情報源を追加する必要があるのかを説明します。情報源を追加するために従うべき手順についても説明します。
言語によらない一般的な原則
文に情報源をつけるべきとき
ウィキデータは、情報源が明記されたデータを集めたものです。このためほとんどの文(ステートメント)についてデータの出自が示されるべきです。
ウィキデータには主に3種類の文が含まれます。項目の主題についての事実、外部識別子の割り当て、そしてウィキメディアコモンズへのメディアリンクです。以下は主に最初の種類の文に対して適用されます。
情報源が不要な場合もあります:
- その値が常識であり、論争がない場合。例えば、Earth (Q2)に対してinstance of (P31)→terrestrial planet (Q128207)であることは常識です。
- 項目に外部の情報源(データベースや典拠管理ファイルなど)に言及している文があると、文を簡単に検証することができます。例えば、 Harry Potter and the Philosopher's Stone (Q43361)のGND ID (P227)(ドイツ国立図書館が運営している典拠管理ファイル)についての文には、情報源は不要です(「4615979-4」という値はGerman National Library's website上の適切なページへの直接リンクです)。
- 項目それ自体が文にとって情報源である場合があります。例えば、The Hunger Games (Q11679)の書籍シリーズにとって、おそらくauthor (P50)がSuzanne Collins (Q228624) であることはこの文への出典としてThe Hunger Games (Q11679)を含めなくても言うことができます。
更なる情報は情報源の必要ない項目 をご覧ください。
文に情報源をつける
追加される情報源の種別に関わらず、情報源を追加するときには4つの基本手順があります。
- その情報源のための項目がウィキデータに既に存在しているかどうかItem by title searchを使ってチェック
- もし: i) 既にウィキデータには存在せず、かつ ii) ウェブページではない場合、情報源を項目として追加
- 文に出典を追加して、情報源の項目をポイントする。ウィキデータ内の情報源の項目にはstated in (P248)プロパティを使用。ウィキデータの外にオンラインで存在している情報源にはreference URL (P854)を使用
- 情報源と必要な修飾子を全て追加
検索の仕方と項目の作成についての詳細情報はHelp:Items にあります。
情報源の種類
出典は、大学レベルの教科書や参考文献、学術雑誌、新聞といった信頼できる情報源を指すべきです。信頼できる情報源についての詳細はWikidata:Verifiabilityを参照してください。
オンラインの出典とオフラインの出典は区別することができます。両方ともウィキデータに追加することができます。インターネットでアクセス可能なデータベースはオンラインの出典となりえます。オフラインの出典は図書館や記録保管所で見つけられる書籍やその他の著作物です。
出典は1次出典、2次出典、そして3次出典に分類することができます。これらはすべてウィキデータに追加することができます。2次出典は1次出典を分析したもので、2次出典を編集したものが3次出典です。百科事典や図書目録は一般的に3次出典です。ウィキデータは3次(あるいは4次)出典と見なすことができますが、ウィキデータ自身に追加することはできません。
出典には現代のものと歴史的なものがありえます。ウィキデータにはどちらも含まれます。もはや現在のものではない情報に対しては、適切なランク付けを考慮してください。
ウィキペディア上(及び他のウィキメディア・サイト)のページはサイトリンクに追加することができ、追加されるべきですが、その一方でウィキデータの文の情報源としてこれらは適切ではない、ということに注意してください。信頼性に関するウィキペディアのポリシーにあるように、ウィキペディア内の記事は検証可能でなければなりません。ウィキペディアのページもまた情報源によって(引用の形式で)支持されるべきであるということです。しかし、何かがウィキペディアのページに書かれているからといって、それがウィキペディアのページそれ自体を情報源と考えることが受け入れられる、ということを意味する訳ではありません。(ウィキペディアの)実際の引用の場所を突き止めてそれを代わりに使うほうがはるかに良いです。
ウィキメディアプロジェクトからデータをインポートするツールは一般的にimported from Wikimedia project (P143)を(そしてときどきWikimedia import URL (P4656)も)文の出典部分に追加します。「imported from Wikimedia project (P143)」だけで支持されている文は情報源つきの文とはみなされません。こうした文を見かけたら、「移入元のウィキメディア・プロジェクト」を実際の出典で置き換えてください。
このリストは完全ではなく、このページにあるものに加えて様々な情報源が信頼できるかもしれません。もしよければそのような情報源の追加方法についての説明の新しいセクションを追加してください。
書籍
ウィキペディアにおいて、書籍は、図書館科学で広く使われている概念フレームワークであるFunctional Requirements for Bibliographic Records (Q16388) (FRBR) モデルに従って取り扱われます。
詳細には触れませんが、FRBRモデルでは、創作物とその様々な版や翻訳を区別することができます。ウィキデータにおいては、これらは個々に作品項目(work item) 及び版項目(edition item)として知られています。例えば、Hamlet (Q41567)とBible (Q1845)は作品項目といえますが、一方Hamlet, Prince of Denmark (Q14422206)とKing James Version (Q623398)は版項目だといえます。
文に情報源をつける際には、書籍の版項目を使用するべきです。版項目を作成するために、最初にウィキデータに作品項目を追加する必要がある場合があります。下記の手順でこれを行うことができます:
- その作品項目が既にウィキデータに存在しているかどうかチェック。項目が見つかったら手順4に進む。項目が見つからない場合は新しい項目を作成して手順2へ。
- 作品項目に、少なくとも次の文を追加:
- 必要と思える作品項目に任意の付加的なプロパティを追加。例:
- その作品項目の版項目がウィキデータ内に存在するかチェック。項目があれば手順8へ。項目が無い場合は、版用に新しい項目を作成して手順5へ。作品項目と区別できるようなやり方で版項目のラベルを付けるよう注意。
- タイトルとともに版番号を追加して作品項目と区別できるようなやり方で新しい版項目にラベルを付ける
- 版項目には少なくとも次の文を追加:
- 必要と思われる任意の付加的なプロパティを版項目に追加。例:
- 作品項目に戻り、もしDeltaBotがまだ追加していなかったなら、has edition or translation (P747)を追加。
- その文にstated in (P248)で情報源を付けるために出典を追加している項目のページに戻って、版項目にリンク
- 文の値を検証する際に手助けとなる出典セクションに任意の付加的なプロパティを追加:
例:
科学記事、ニュース記事、雑誌記事
出版物の記事については、出版物と記事の両方を項目としてウィキデータに追加することが必要です(未登録の場合)。 SourceMDが使えます。
- 出版物の項目が既にウィキデータに存在するかどうかチェック。項目があれば手順3へ。項目が無ければ新しい項目を作成して手順2へ。
- 出版物の項目に少なくとも以下の文が追加されているかどうか確認:
- 学術誌に対して、instance of (P31) → academic journal (Q737498)
- あるいは新聞に対して、instance of (P31) → newspaper (Q11032)
- あるいは雑誌に対して、instance of (P31) → magazine (Q41298)
- title (P1476) (あるならばsubtitle (P1680)も)
- language of work or name (P407)
- その記事の項目がウィキデータに存在するかどうかチェック。項目があれば手順5に進む。項目が無ければその記事の新しい項目を作成して手順4へ。
- その記事の項目に少なくとも以下の文が追加されているかどうか確認:
- instance of (P31) → article (Q191067)(より具体的にはscholarly article (Q13442814)、news article (Q5707594)、magazine article (Q30070590)など)
- published in (P1433) → (出版物の項目が何であれ)
- title (P1476)(あるならばsubtitle (P1680)も)
- language of work or name (P407)
- author (P50)(著者について名前以外わからない場合はauthor name string (P2093))
- 記事のDOIを知っている場合は、Source MetaData tool で作成を支援することができます。
- その文にstated in (P248)で情報源を付けるために出典を追加している項目のページに戻って、項目にリンク。
- 必要であれば、出版物の項目に戻って付加的なプロパティを追加:
- 必要であれば、記事の項目に戻って付加的なプロパティを追加:
例
- 雑誌の項目:Geological Society, London, Special Publications (Q15817216)、記事の項目:The age of the Earth in the twentieth century: a problem (mostly) solved (Q15545344)
- 文に情報源を付けるのに使用:Earth (Q2)のstart time (P580)
- 出典:stated in (P248) — The age of the Earth in the twentieth century: a problem (mostly) solved (Q15545344)
報告書、政策文書、法律、技術的な説明文書
- その文書の項目がウィキデータに存在するかどうかチェック。項目があれば手順3に進む。項目が無ければその版の新しい項目を作成して手順2へ。
- その文書の項目に少なくとも次の文が追加されているかどうか確認:
- レポートに対して、instance of (P31) → report (Q10870555)
- あるいは技術文書に対して、instance of (P31) → technical documentation (Q1413406)
- あるいは政策に対して、instance of (P31) → policy (Q1156854)
- あるいは法律に対して、instance of (P31) → legislation (Q49371)
- title (P1476)(あるならばsubtitle (P1680)も)
- language of work or name (P407)
- author (P50)(著者について名前以外わからない場合はauthor name string (P2093))
- その文にstated in (P248)で情報源を付けるために出典を追加している項目のページに戻って、文書の項目にリンク。
- 必要であれば、文書の項目に戻って付加的なプロパティを追加:
例
ウェブページ
ウェブサイトに対するウィキデータプロパティが存在する場合には、後述の#データベースに従ってください。
- そのウェブページを含むウェブサイトの項目がウィキデータに存在するかどうかチェック。項目があれば文にstated in (P248)で情報源を付けてウェブサイトの項目にリンク。項目が見つからないが、ウェブサイトに情報価値があるならば項目を作成する。ウェブサイトに情報価値がないならば、代わりにtitle of broader work (P6333)を使う。
- reference URL (P854)で文に情報源を付けて、ウェブページのURLにリンクする
- URLが変わっても情報源が追跡できるように、出典に次の修飾子を追加:
- publication date (P577) → ウェブページの掲載日。掲載日が提供されていない場合はそのウェブページから転載した日付であるretrieved (P813)を使用。
- title (P1476) → ウェブページのタイトル
- archive URL (P1065) → アーカイブされたウェブページ
- archive date (P2960) → アーカイブされたウェブページの日付
- language of work or name (P407) → ウェブページの言語
- online access status (P6954) → 代用するならopen access (Q232932)、registration required (Q107459441)、paywall (Q910845)その他を使用
- 必要な場合、付加的な修飾子を追加:
- author (P50)とpublisher (P123)。そのウェブページが既にウィキデータ内に項目を持つ主要なウェブサイトに属する場合は、発行者を使うべきであるということに注意してください。
- quotation (P1683) → ウェブページからのテキストの正確な引用
例
- ウェブページではない項目
- 文に情報源を付けるのに使用:Giambattista Bodoni (Q220768)のdate of birth (P569)
- 出典:reference URL (P854) — http://www.treccani.it/enciclopedia/giambattista-bodoni_%28Dizionario-Biografico%29/
データベース
ご注意: このアプローチは既にウィキデータで定義されている対応するプロパティを持っているデータベースにのみ適用されるものです。プロパティは、PubMed用のPubMed publication ID (P698)やInternet Movie Database用のIMDb ID (P345)などのように、しばしばそのデータベースに固有の識別子です。そのデータベースのプロパティがウィキデータに追加されているかどうか判断するには典拠管理ID向けのプロパティのリストに相談してください。 プロパティ名前空間内のデータベースやその識別子を探すためにSpecial:Search の高度なオプションを使うこともできます。そのデータベース用のそのようなプロパティが存在しない場合は、データベースをウェブページとして扱ってください(上記参照)。
- ウィキデータ内でそのデータベースの項目を検索。項目が見つかったら次の手順へ。項目が見つからない場合は新しい項目を作成。
- データベースの項目に、少なくとも次の文が追加されているかどうか確認:
- 出典を追加していた項目のページに戻って、情報源を付けるためにstated in (P248)による文でデータベースの項目にリンクしてください。利用可能な値はapplicable 'stated in' value (P9073)で確認することができます。
- データベースの特定の登録項目を指し示すために次の修飾子を出典に追加してください。
- データベースのプロパティ → データベースのプロパティのID(データベースに関するデータ用のユニークな識別子)
- title (P1476) → データベース内のデータセットのタイトル。データベースのプロパティがその文が使われる項目の外部リンクセクションにある場合、これは必ずしも必要ではありません。
- publication date (P577) → データの公開日。公開日が提供されていない場合はデータベースからデータを取得した日付であるretrieved (P813)を使用してください。日付が既に文の他の場所に含まれている場合、これは必ずしも必要ではありません。
例
- データベースの項目:PubChem (Q278487)、データベースのプロパティ:PubChem CID (P662)
- 文に情報を付けるのに使用:ethanol (Q153)のInChI (P234)
- 出典:stated in (P248) — PubChem (Q278487)
メディア及びエンターテイメント (テレビ/ラジオ/音楽/映像)
- そのメディアの項目がウィキデータに存在するかどうかチェック。項目が見つかったら次の手順へ。項目が見つからない場合は新しい項目を作成。
- stated in (P248)で文にソースを付けてそれをメディアの項目Lにリンク
- 必要であれば、メディアの項目に戻って付加的なプロパティを追加:
例
- ドキュメンタリーの項目:Man on Wire (Q1417721)
- 文に情報源を付けるのに使用:Philippe Petit (Q705289)のoccupation (P106)
- 出典:stated in (P248) — Man on Wire (Q1417721)
コモンズの墓石画像
以下を追加:
例
ウィキソースの資料
次の2つを追加:
- 書籍として、ウィキソースへのサイトリンクがあ��版項目をstated in (P248)に追加。また、page(s) (P304)に書籍のページを指定(書誌テンプレート用)
- ウェブサイトとして、文の情報源としてサブページのURLをreference URL (P854)として追加
アーカイブ版、特に貴重な記録の場合
- 必ず記入するよう努力する項目:
- type of reference (P3865) - 例えば birth certificate (Q83900), marriage certificate (Q1299632), death certificate (Q708653), birth registry (Q11971341), baptism registry (Q28369847), marriage registry (Q14324227), death registry (Q12029619), home certificate (Q1595673), conscription sheet (Q105921971), chronicle (Q185363) など。
- 状況によっては、さらに追加する識別子がある。(記録集の提供元もしくは管理者が採用した構造に起因)
- registration district (P5564) - 記録集に地域別の下位分類があり、ウィキデータ上に記載がある。
- volume (P478) - ウィキデータの項目は未登録だが、書籍や文書のボックスのように情報が短縮形で記してある。半角アルファベットと数字以外で記載するとエラーを返すかもしれない。
- inventory number (P217) - 定型の代用にする自由記述式の識別子
- page(s) (P304) - 書籍内の掲載ページ。状況により通常の folio(s) (P7416) よりも適合する。
- line(s) (P7421) - ページ内もしくは書類内の段の指定。段に付番がある場合。
- section, verse, paragraph, or clause (P958) - 文書内にあり、識別対象となるその他の要素。
- Archival Resource Key (P8091) - 特に割り当てる場合
- サンプル:
- Josef J. Zapf (Q96901921) - 生年と没年、オーストリアの教会の信徒台帳に基づく。
- Hermann Mattkey (Q96694727) - 生年と没年、チェコの教会の信徒台帳に基づく。 (原文はドイツ語記述でメタデータはチェコ語で記載)
関連項目
関連するヘルプページは以下を参照:
- Help:Sources/Items not needing sources - 情報源が不要な項目についての詳細情報
- Help:Statements - 文の解説と従うべき規則について
- Help:Qualifiers - 修飾子の解説と従うべき規則について
- 書籍情報源 - ISBNでの書籍の検索
- 典拠管理識別子 - データベース・プロパティの一覧
- Wikidata:Zotero - QuickStatementsを使って、記事、ウェブページなどの項目を簡単に作成できるツールの使い方の説明
- ウィキデータSPARQLクエリ
追加情報と手引きは以下を参照:
- 井戸端 - ウィキデータに関する、あらゆる事項についての議論
- Wikidata:Glossary - ここや他のヘルプページで使用されている用語の用語集
- Help:FAQ - よくある質問と、ウィキデータ・コミュニティによる回答
- Help:Contents - ウィキデータに関する解説を集めたヘルプ・ポータル