図書館学本のなかでは,やっぱり,森耕一の『分類作業』がイチバン,意外な面白さがある。じつは,わたしはこんな本かきたかったんです。すでに書かれていたのね(もちろん改良の余地は多いにあり)。
この人が最近(といっても10年前くらい)の本で,「初心者に補助表を教えるな」と書いてたのを知ってたけど,至言なり。この至言を知っていたのに,彼の最初の著書にあたらぬとは,自分のバカさ加減にあきれる次第。
さらに森耕一が,思想信条がことなる相手ともマトモに論争できた人物であるということも聞いていたのにねぇ。
とくにこの本に関して言えば,ご母堂への献辞つきのところが気に入った。図書館学の教科書で,親族への献辞がまるまる1頁ついてる本なんて,ほかにあるか?
最近,私ごとで母の愛を身にしみて感じるとことろがあり,なんか,ホロリとさせられました。図書館学本でホロリとしたのは,あとにもさきにもこれっきりでせう。
中身もわたくし的にはドンピシャ。よみ進むにつれていろいろ楽しい随想(といっても図書の整理技術に関しての)がわいてくる本だす〜。すばらしい。
むぅ,しかし,こんな重要な本が埋もれているなんて,そのこと自体が研究対象になってしまいますです。