松本人志君、退きなさい 「ミスター吉本」が引導を渡したいわけ

取材に応じた吉本興業の元常務、木村政雄さん=東京都港区で2024年11月13日午後2時5分、奥村隆撮影
取材に応じた吉本興業の元常務、木村政雄さん=東京都港区で2024年11月13日午後2時5分、奥村隆撮影

 「もうええでしょう、松本君」。お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志氏(61)にテレビ番組からの撤退を勧める人がいる。かつて「ミスター吉本」とも呼ばれた吉本興業の元常務、木村政雄さん(78)だ。松本氏は、女性への性的行為強要を報じた週刊文春の記事を「名誉毀損(きそん)」と主張して起こした訴訟を11月になって取り下げたばかり。吉本の芸人を育てる立場だった木村さんが、あえて引導を渡す気持ちになったのはなぜなのか。

取り下げという終わり方

 「もちろん闘うと思ってましたよ。取り下げたと聞いて、なんじゃそりゃと」

 判決でも和解でもなく、振り上げたこぶしを自ら下げただけの結論に、木村さんは「まあ、ほとぼりが冷めるまで、みたいなところだったんじゃないですかね」と一歩ひいた見方をする。「でも、ああいう終わり方だと『やっとったんちゃうか』と思われても仕方ないですよね」

 週刊文春は2023年12月、松本氏がホテルでの飲み会や食事会に参加した女性2人に同意のない性的行為を強要したと報じた。吉本興業は「当該事実は一切ない」と発表し、松本氏は今年1月、発行元の文芸春秋と編集長に5億5000万円の損害賠償と謝罪広告掲載を求める裁判を起こした。

 <事実無根なので闘いまーす>。X(ツイッター)にそう投稿した松本氏は裁判に注力するために芸能活動を休止するとしてテレビ番組から姿を消した。

 文春側も全面的に争う姿勢を示し、さらに続報を掲載した。しかし、松本氏側から「心を痛められた方々に対するおわびを公表したい」と連絡があったことから、女性らと協議し、訴訟の取り下げに同意したという。

コメントをどう読むか

 今月8日に出された、訴訟取り下げの際の松本氏のコメントはこう始まる。

 <強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました>

 そして、かつて女性らが参加する会合に出席していたことを認めたうえで、こう記す。

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