高い城の男 (テレビドラマ)
高い城の男 The Man in the High Castle | |
---|---|
ジャンル | 歴史改変SF |
原作 | フィリップ・K・ディック |
原案 | フランク・スポトニッツ |
脚本 | フランク・スポトニッツ |
監督 | デヴィッド・セメル |
出演者 |
アレクサ・ダヴァロス ルパート・エヴァンス ルーク・クラインタンク DJクオールズ ジョエル・デ・ラ・フエンテ ケイリー=ヒロユキ・タガワ ルーファス・シーウェル ブレナン・ブラウン カラム・キース・レニー ベラ・ヒースコート |
作曲 |
ヘンリー・ジャックマン ドミニク・ルイス |
オープニング | ジャネット・オルソン「エーデルワイス」 |
国・地域 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
シーズン数 | 4 |
話数 | 40 |
各話の長さ | 45-70分 |
製作 | |
製作総指揮 |
リドリー・スコット フランク・スポトニッツ クリスティアン・バウタ イサ・ディック・ハケット スチュワート・マッキノン クリストファー・トリカリコ |
プロデューサー |
マイケル・シダー ジャン・ヒギンズ ヨルダン・シーハン デヴィッド・ザッカー |
撮影地 |
シアトル モンロー バンクーバー |
撮影監督 | ジェームズ・ホーキンソン |
製作 |
アマゾン・スタジオ スコット・フリー・プロダクションズ エレクトリック・シェパード・プロダクション ヘッドライン・ピクチャーズ ピクロー |
配給 | Amazon.com |
放送 | |
放送チャンネル | Amazonビデオ |
放送期間 | 2015年11月20日 - 2019年11月15日 |
公式ウェブサイト |
『高い城の男』(たかいしろのおとこ、The Man in the High Castle)は、フィリップ・K・ディックの同名の小説『高い城の男』に基づくAmazon.comのテレビドラマである。
概要
[編集]第二次世界大戦で敗れた1960年代のアメリカの大部分はナチス・ドイツに併合され、世界的な大ナチス帝国の一部となり、西海岸は日本の傀儡国家として統治され、両国の中間には中立地帯がおかれている。世界の大半は日本とナチス・ドイツに支配され、両国は表向きの友好関係の陰で冷戦状態にある。アメリカでは両国に抗するレジスタンス運動がひそかに広がる。サンフランシスコとニューヨーク、そして中立地帯を主な舞台とし、体制を転覆させようとする、あるいは守ろうとするアメリカ人、日本人、ドイツ人たちによる群像劇である。「高い城の男」と呼ばれる謎の人物が収集する、自分たちの歴史とは全く異なる現実を撮影した謎のフィルム「イナゴ身重く横たわる」が出回り、フィルムを巡る争いが人々を巻き込む。設定や人物名など多くが原作とは異なり、原作にない内容が大幅に追加されている。
シーズン1の10話が Amazonビデオ で2015年11月20日から配信され[1][2][3]、シーズン2の10話が2016年12月15日に配信された。2017年1月3日には、シーズン3の制作が発表され[4] て、2018年10月5日に公開された。最終となるシーズン4は2019年11月15日に配信された[5][6]。
日本では、2016年12月13日にシーズン1が、2017年1月27日にはシーズン2がどちらも遅れて公開され、2018年10月5日にはシーズン3が、2019年11月15日には最終シーズン4が全世界と同時に配信された。
キャスト
[編集]メイン
[編集]- ジュリアナ・クレイン
- 演 - アレクサ・ダヴァロス (Alexa Davalos) / 日本語吹替 - 山賀晴代
- 合気道を学ぶ日本太平洋合衆国サンフランシスコの住民。憲兵隊に射殺された異父妹・トゥルーディが所持していたフィルム「イナゴ身重く横たわる」の謎を追って中立地帯のキャノンシティを訪れ、ジョー・ブレイクと出会う。後に日本太平洋合衆国政府に採用され田上大臣のスタッフとして勤務する。実の父は大戦中に南太平洋で戦死している。数々の並行世界のフィルムの中で、常に鍵となる存在。
- 演 - アレクサ・ダヴァロス (Alexa Davalos) / 日本語吹替 - 山賀晴代
- フランク・フリンク
- 演 - ルパート・エヴァンス (Rupert Evans) / 日本語吹替 - 佐藤美一
- ジュリアナと同棲するボーイフレンドでユダヤ人の血を引く白人男性。宝飾品加工の確かな腕を持つが模造銃工場で働いている。ジュリアナとの平穏な生活を望んでいたがフィルムを巡る争いに否応なく巻き込まれてゆく。姉家族を憲兵隊に殺されてレジスタンスに入り、テロ事件を起こす。自らも火傷を負って中立地帯のユダヤ人共同体に身を隠す。(シーズン1-3)
- 演 - ルパート・エヴァンス (Rupert Evans) / 日本語吹替 - 佐藤美一
- エド・マッカーシー
- 木戸武
- 演 - ジョエル・デ・ラ・フエンテ (Joel de la Fuente) / 日本語吹替 - 矢崎文也
- 日本太平洋合衆国の憲兵隊幹部。"Chief Inspector"(吹替え版では警部)および大尉と呼ばれる。私服でレジスタンスの摘発にあたっており、皇太子狙撃事件の捜査を担当する。フランクの姉と子供たちをガス室で殺害するなど冷酷な性格の一方で、戦争回避のためには自決も厭わないなど自己犠牲の精神もあわせ持つ人物。出身は郡山で、かつてはスミスと同じソロモン諸島の戦闘に従軍していた。
- 演 - ジョエル・デ・ラ・フエンテ (Joel de la Fuente) / 日本語吹替 - 矢崎文也
- 田上信輔(英語版ではNobusuke Tagomi)
- 演 - ケイリー=ヒロユキ・タガワ (Cary-Hiroyuki Tagawa) / 日本語吹替 - 松永英晃
- 日本太平洋合衆国の貿易担当大臣。白人であるジュリアナにも敬意を持って接する。易占いを好む平和主義者で皇太子妃からの信頼も厚い。核抑止力によって戦争を避け���ため、ナチスの原爆技術を日本にもたらそうとウェゲナーと共に秘密裏に活動する。妻子とは死別している。並行世界の一つではジュリアナと縁があり、彼女には特別な庇護を与える。(シーズン1-3)
- 演 - ケイリー=ヒロユキ・タガワ (Cary-Hiroyuki Tagawa) / 日本語吹替 - 松永英晃
- ロバート・チルダン
- 演 - ブレナン・ブラウン (Brennan Brown) / 日本語吹替 -
- サンフランシスコのアメリカン芸術工芸品商会店主。日本人を主な顧客に骨董品を取り扱う。フランクに実弾を販売したことをきっかけに贋作骨董品の製造販売で手を組む。
- 演 - ブレナン・ブラウン (Brennan Brown) / 日本語吹替 -
- ジョン・スミス
- 演 - ルーファス・シーウェル (Rufus Sewell) / 日本語吹替 - 木下浩之
- ニューヨークの親衛隊本部に勤務する大ナチス帝国の親衛隊大将。旧アメリカ合衆国出身(合衆国陸軍では大尉)ながら大将まで上り詰めた人物で、ジョーを使いフィルムの調査と回収にあたる。郊外の邸宅に妻と子供たちと暮らし、家族思いの一面も見せる。レジスタンスに襲撃された際には拳銃のみでマシンガン装備の集団を制圧するなど高い戦闘能力をもつ。かつてはアメリカ陸軍に所属しており、南太平洋ソロモン諸島で激戦を経験している。1945年のワシントンへの原爆投下の際には近郊の自宅から閃光とキノコ雲を目撃している。第3シーズンでは上級大将、さらには北アメリカ国家元帥に昇進する。第4シーズンではベルリンでウィルヘルム・ゴーツマンと共にクーデターを起こし、北アメリカを大ナチス帝国から独立させた。その後北米帝国総統、北米帝国全国指導者。
- 演 - ルーファス・シーウェル (Rufus Sewell) / 日本語吹替 - 木下浩之
- ジョー・ブレイク (ヨーゼフ・ホイスマン)
- 演 - ルーク・クラインタンク (Luke Kleintank) / 日本語吹替 - 川島得愛
- 大ナチス帝国のスパイでジョン・スミス大将の指揮下で動く。任務でレジスタンスに潜入し、キャノンシティにフィルムを輸送したことからジュリアナと行動を共にし好意を抱く。任務の範疇を超え「イナゴ身重く横たわる」の内容に興味を抱く。実はナチス政権の有力者の息子でレーベンスボルン。父の失脚後はナチスの暗殺者となる。(シーズン1-3)
- 演 - ルーク・クラインタンク (Luke Kleintank) / 日本語吹替 - 川島得愛
- ゲイリー・コーネル
- 演 - カラム・キース・レニー (Callum Keith Rennie) / 日本語吹替 -
- 西海岸のレジスタンスのリーダー (シーズン2)
- 演 - カラム・キース・レニー (Callum Keith Rennie) / 日本語吹替 -
- ニコール・ドーマー
- 演 - ベラ・ヒースコート (Bella Heathcote) / 日本語吹替 -
- ベルリンの映画製作者。父親は政権の実力者。 (シーズン2-3)
- 演 - ベラ・ヒースコート (Bella Heathcote) / 日本語吹替 -
- ワイアット・プライス
- 演 - ジェイソン・オマラ (Jason O'Mara) / 日本語吹替 - 高木章裕
- 麻薬を含む密輸業者 (シーズン3-4)
- 演 - ジェイソン・オマラ (Jason O'Mara) / 日本語吹替 - 高木章裕
- ヘレン・スミス
- 演 - チェラー・ホースダル (Chelah Horsdal)
- ジョン・スミス大将の妻 (シーズン3-4メイン)
- 演 - チェラー・ホースダル (Chelah Horsdal)
- マーク・サンプソン
- 演 - マイケル・ガストン (Michael Gaston)
- フランクの友人でユダヤ人(シーズン3でメイン)
- 演 - マイケル・ガストン (Michael Gaston)
その他
[編集]サンフランシスコ
[編集]日本人
[編集]- ポール・梶浦 (英語版ではKasoura) - ルイ・オザワ -裕福なサンフランシスコ在住日本人。チルダンの顧客。ヤクザともつながる弁護士。(シーズン1)
- ベティ・梶浦 (英語版ではKasoura) - TAO/日本語吹替 - 松浦裕美子 - ポールの妻 (シーズン1)
- 小野田秀久 - ツィ・マー - 日本陸軍の将軍。階級は大将。サンフランシスコに乗り込み原爆製造を推進する。 (シーズン2)
- 猪口提督(英語表記はInokuchi) - 尾崎英二郎 - 大日本海軍提督。平和的姿勢を持ち皇太子妃の指示の下で和平交渉を行う。 (シーズン3-4)
- 琴道 - アーノルド・クーン - 田上の側近。スーツの下に熱傷のケロイドを隠している。長崎出身の"旅人"。
- 吉田 - Lee Shorten - 憲兵隊の私服捜査員で木戸の右腕。階級は巡査部長。(英語版では"sergeant")(シーズン1-2)
- 中村 - アキー・コタベ - 木戸の部下。ハワイ出身で日本人と白人の混血(ハパ) (シーズン3)
- 木戸徹 - セン・ミツジ - 木戸の息子 (シーズン4)
- 矢守将軍 - Bruce Locke - 木戸の上司 (シーズン4)
- 皇太子 - 辻大介 - 大日本帝国の皇太子。サンフランシスコでの演説中、何者かによる狙撃を受け重傷を負う。(シーズン1)
- 皇太子妃 - 吉田真由美 - シーズン4では単独で日本太平洋合衆国に来て密かに平和交渉を主導する。 (シーズン1,4)
- ミチコ - 小松ゆかり- 田上の妻 (シーズン2)
- 紀明 - エディ・シン - 田上の息子 (シーズン2)
- タイシ・オカムラ - ヒロ・カナガワ - ヤクザの親分 (シーズン2)
- 大神 - Michael Hagiwara - オカムラに代わるヤクザの親分 (シーズン3,4)
- タミコ・ワタナベ - タムリン・トミタ - 沖縄出身でハワイから来た女性 (シーズン3-4)
- ユキコ - Chika Kanamoto - チルダンの助手 (シーズン4)
- 昭和天皇-太平洋合衆国撤退の際のテレビに出演する。(シーズン4)
アメリカ人
[編集]- ウインダム=マトスン - ジャック・ケーラー / 日本語吹替 - 宮崎敦吉 - フランクの働く工場の社長 (シーズン1)
- ローラ - クリスティン・シャトレイン/日本語吹替 - 松浦裕美子 - フランクの姉 (シーズン1)
- アーノルド・ウォーカー - ダニエル・ローバック - ジュリアナの母の再婚相手。家族には郵便局勤務と偽り、政府の盗聴部門で働く。(シーズン1-2)
- アン・クレイン・ウォーカー - Macall Gordon - ジュリアナの母 (シーズン1-2)
- トゥルーディ・クレイン - コナー・レスリー/日本語吹替 - 松浦裕美子 - ジュリアナの妹。レジスタンスの一員で憲兵隊に射殺される。死の直前にフィルムをジュリアナに託す。(シーズン1-3)
- ケイト・オーウェンズ - シャノン・デイ - レジスタンスの一員。夫は以前活動中に殺害されている。 (シーズン1-2)
- カレン - カミール・サリヴァン - レジスタンスの一員 (シーズン1-2)
- ランドール - ハンク・ハリス - レジスタンスの一員 (シーズン1-2)
- ヘーガン - Michael Hogan - レジスタンスの一員 (シーズン2-3)
- サラ - Cara Mitsuko - 日系人のレジスタンス 。戦時中は強制収容所に入れられていた。(シーズン2)
- ベル・マロリー - Frances Turner - BCR (黒人共産反乱軍)の一員 (シーズン4)
- イライジャ - Clé Bennett - BCRの一員 (シーズン4)
- エクイアーノ・ハンプトン - デヴィッド・ヘアウッド - BCRの指導者 (シーズン4)
- マイク・ボルデン-旧アメリカ合衆国陸軍大佐。第二次世界大戦でスミスやウィットクロフト等の上官だった。国防軍に務めるが、帝国に疑念を持つようになり、これの証拠音声がフーバーによってスミスとウィットクロフトに報告されたが黙認される。(シーズン4)
- ダニエル・レヴァイン-旧アメリカ合衆国陸軍人。ユダヤ人。スミス、ウィットクロフトの戦友。ナチスのアメリカ占領後、ユダヤ人のため逮捕される。アメリカが第二次世界大戦で勝った世界線ではスミスと家族ぐるみの付き合いをしている。(シーズン4)
ニューヨーク
[編集]- トーマス・スミス - クイン・ロード - ジョン・スミスの長男。法律で安楽死の対象となっている不治の難病に罹患していることが明らかになる。
- ジェニファー・スミス - Genea Charpentier - ジョン・スミスの長女
- エイミー・スミス - Gracyn Shinyei - ジョン・スミスの次女
- ジョー・ディクソン - テイト・ドノヴァン - クレイン家の知人でニューヨークを拠点に活動するレジスタンス。ジュリアナの父とアーノルドとは戦友。 (シーズン2)
- ジョージ・リンカーン・ロックウェル - David Furr - 大ナチス帝国北アメリカ国家元帥 。史実におけるアメリカのネオナチ活動家。(シーズン3)
- ジョン・エドガー・フーヴァー - ウィリアム・フォーサイス - 大ナチス帝国北アメリカ情報局長 (シーズン3-4)。史実におけるFBI初代長官。
- ヨーゼフ・メンゲレ - John Hans Tester - 大ナチス帝国の医師 (シーズン3-4)
- セルマ・ハリス - ローラ・メネル - ジャーナリスト (シーズン3)
- ダニエル・ライアン - ジェフリー・ノードリング - 精神分析医 (シーズン3)
- ビリー・ターナー - Giles Panton - 大ナチス帝国北アメリカ宣伝担当の幹部 (シーズン3)
- マーサ・ストラウド - レイチェル・ニコルズ - 秘密警察に派遣されたヘレン・スミスの付き添い。 (シーズン4)
- ビル・ウィットクロフト-国防軍の将官。国防軍についてはジョン・スミスに次ぐ指揮官を務めている。スミスとは旧アメリカ合衆国陸軍からの戦友で第二次世界大戦時はスミスと共に任務についていた。スミスを非常に信頼しており、スミスの北米独立計画を全面的に支持している。(シーズン4)
中立地帯
[編集]- ホーソーン・アベンゼン - スティーヴン・ルート (Stephen Root) / 日本語吹替 - 宮崎敦吉 (シーズン2-4)
- 別世界を見せるフィルムを集めている通称「高い城の男」。サンフランシスコなどを転々とする。
- キャロライン・アベンゼン - アン・マグナソン - ホーソーンの妻 (シーズン3-4)
- レミュエル・ワシントン - リック・ワージー - キャノン・シティとサンフランシスコで活動するレジスタンス。
- 折り紙の男 - アラン・ハーヴェイ - ナチのスパイ (シーズン1)
- 賞金稼ぎ "保安官" - バーン・ゴーマン (シーズン1)
- 白子の靴磨き - ショーン・ロス(シーズン1)
- ジャック - James Neate - エドと交際する男 (シーズン3)
- ハンク - Aaron Pearl - ヘレンの弟、姉とその二人の娘をモンタナで保護する (シーズン4)
ナチス・ドイツ
[編集]- ヴィクター・ベインズ / ルドルフ・ウェゲナー - カルステン・ノーガード -大ナチス帝国の親衛隊大佐。スミス大将の旧友。田上大臣と手を組み、ナチスの原爆情報を日本側に漏洩させる。 (シーズン1)
- ライス - ベルンハルト・フォルケル - 在日本太平洋合衆国駐在の大ナチス帝国大使 (シーズン1)
- アドルフ・ヒトラー - Wolf Muser - 大ナチス帝国の総統。1960年代に至っても健在であるが、老齢のため後継者争いが起こる。旧オーストリア領にある山中の大本営で、大量の「イナゴ身重く横たわる」とおぼしきフィルムを収集、観賞している。 (シーズン1-2)
- エヴァ・ブラウン - Lisa Paxton - ヒトラーの愛人 (シーズン2)
- ラインハルト・ハイドリヒ - レイ・プロスチア - 親衛隊上級大将。自ら総統の地位に成り上ろうと暗躍する野心家。 (シーズン1-2)
- マルティン・ホイスマン - セバスチャン・ロッシェ - ジョー・ブレイクの父親で大ナチス帝国首相。マルティン・ボルマンをモデルにしたと思われる。(シーズン2-3)
- ハインリヒ・ヒムラー - ケネス・タイガー - 親衛隊全国指導者 、のちに総統。(シーズン2-4)
- マルガレーテ・ヒムラー - グウィニス・ウォルシュ - ハインリヒ・ヒムラーの妻、大ナチス帝国赤十字社の指導者 (シーズン4)
- アドルフ・アイヒマン - Timothy V. Murphy - 親衛隊上級大将、ジョン・スミスとウィルヘルム・ゴーツマンのクーデターにより殺害される。 (シーズン4)
- ウィルヘルム・ゴーツマン - Mark Rissman - 親衛隊大将 。ジョン・スミスと共にクーデターを起こし、大ナチス帝国の総統となる。(シーズン4)
登場する国家
[編集]大ナチス帝国 (Greater Nazi Reich)
[編集]ヨーロッパの大半とアフリカを手中に収め、旧アメリカ合衆国のうちロッキー山脈より東側を統治する全体主義の超大国。首都はベルリンで、1962年には、総統であるアドルフ・ヒトラーは山中にある総統大本営で執務している。原作小説と異なり傀儡国家を置かずに帝国の一部としてアメリカ東部を支配しており、当該地域には星条旗の星がハーケンクロイツとなった独自の旗が制定されている。厳格な人種政策がとられ、ユダヤ人や黒人は絶滅させられ、難病患者や身体障碍者は安楽死させられる。核兵器のみならず超音速旅客機を運用するなど優れた科学技術を持ち、首都ベルリンではヒトラーたちの構想した世界首都ゲルマニア計画が実現している。旧アメリカ合衆国内ではレジスタンスの活動も活発である。
日本とは表面的に友好関係を結んでいるものの、首脳部の中では日本との全面戦争で領土を拡大しようとする勢力も多い。
日本太平洋合衆国 (Japanese Pacific States)
[編集]旧アメリカ合衆国のうち、ロッキー山脈の西側とアラスカ等を国土とする日本の傀儡国家。満州国と同様に、閣僚をはじめ要職は日本人が占める。サンフランシスコにある「日本政府総合本部ビル」に政府機能が置かれている。法的にはユダヤ人は粛清対象となっているが、人種政策は大ナチス帝国に比較すれば緩やかではあるため、逃亡してきたユダヤ人や黒人もいる。市街地には日本語の看板や表記があふれテレビでは大相撲が放送されており、日本人の居住者も多い。銃の所持は日本人にのみ許可されている。治安維持には憲兵隊が当たっており、レジスタンスと目された人物は裁判なしで処刑されるなど強権的な統治がおこなわれている。大ナチス帝国と比べ、科学技術や生活環境は劣る。なお、劇中に登場する日本側の地図では原作同様「アメリカ太平洋岸連邦」と表記されている。シーズン4ではBCRのテロ行為などによってアメリカから撤退する。
中立地帯 (Neutral Zone)
[編集]大ナチス帝国と日本太平洋合衆国の間にある緩衝地帯。旧カナダのノースウエスト準州からアルバータ州、旧アメリカのワシントン州、アイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州、ユタ州、コロラド州、ニューメキシコ州のそれぞれ一部から構成される南北に細長い領域である。原作では「ロッキー山脈連邦」であるが、ドラマでは単に中立地帯と呼ばれ、統治機構なども登場しない。国境の検問所は隣接する国の兵士によって警備されている。一般市民であっても車やバスで国境を越えることが可能である。中立地帯の中ではユダヤ人が商店を営むなど比較的自由がある半面、ナチスの息のかかった人物による私的な処刑が行われ、スパイが跋扈するなど安全とは言い難い場所である。「高い城の男」も中立地帯にいるとされている。ジュリアナとジョーが訪れたキャノンシティからはサンフランシスコとを結ぶ長距離バスが運行されている。
大日本帝国
[編集]大ナチス帝国と共に世界を支配する、アジア、オセアニアにまたがる広い範囲を国土とする大国。天皇を頂点とする全体主義国家として描かれている。連合国軍に勝利したものの核開発をはじめとする科学技術では大ナチス帝国に大きく遅れをとっており、軍事面のパワーバランスも劣勢である。皇太子など平和を求める人物がいる一方で、軍首脳の中には原爆を開発して大ナチス帝国に先制核攻撃を加え予防戦争をしようとする者もある。田上大臣の画策でナチスの原爆製造法を入手したのちは核兵器の戦���化を急ぐ。インド、オーストラリア、中国戦線では反乱に守勢となっている。
旧アメリカ合衆国
[編集]フランクリン・ルーズベルト大統領は暗殺されてジョン・N・ガーナーが後継となり、1945年12月には首都ワシントンがナチスによる原子爆弾投下で壊滅し、1947年には枢軸国側に降伏した。ニューヨークのウェストポイントの陸軍士官学校でジョージ・S・パットン将軍がヘルマン・ゲーリングに権力を譲り、東部を中心とした国土の大部分は大ナチス帝国に併合され、西海岸の数州は傀儡国家の日本太平洋合衆国となり、ロッキー山脈沿いは中立地帯となっている。
北米帝国
[編集]ジョン・スミスがウィルヘルム・ゴーツマンと共にベルリンで起こしたクーデターにより大ナチス帝国から独立したアメリカ東海岸の国。総統となったスミスのもとで中立地帯や太平洋合衆国崩壊後の西海岸の吸収、北米統一を目指す。
登場する組織
[編集]レジスタンス
[編集]大ナチス帝国と日本の統治に対抗する旧アメリカ合衆国市民の勢力。全米を統一する組織は存在せず、ジョーが潜入したニューヨークを拠点する組織、レミュエル・ワシントン率いるキャノンシティを拠点とする組織、ケイト・オーウェンズが所属するサンフランシスコの組織が登場する。別時間軸を描く複数のフィルムをアメリカ解放に向けた重要物として収集し、「高い城の男」に送り届ける。
BCR(黒人共産反乱軍)
[編集]黒人のみによる共産主義を信奉するレジスタンス組織。旧アメリカ合衆国東部の大ナチス帝国では黒人が絶滅させられているため、中立地帯及び日本太平洋合衆国において活動する。
大ナチス帝国を統治するナチス党の軍事組織。略称は現実同様”SS”(ドイツ語のSchutzstaffelの略)。ハインリヒ・ヒムラーが全国指導者。一般親衛隊と武装親衛隊がある。武装親衛隊は戦車も保有し、ティーガーIのような戦車が登場する。旧アメリカ合衆国ではニューヨークの超高層ビルに本部を置き、各地に部隊を駐留させている。隊員は旧ドイツおよび旧アメリカ出身のアーリア人種に限られる。主に黒い制帽や制服を着用する。レジスタンスを厳格に取り締まり、捜索時の射殺および拷問も厭わない。日本太平洋合衆国内の大使館にも兵士が駐在する。アメリカ出身者は腕章や帽章のデザインが異なっている。
大ナチス帝国の国軍。空軍はEWR VJ 101のような戦闘機やドルニエ Do 31のような輸送機を保有している。ジョン・スミスの夢の中で陸軍のものと思われるT-54もしくはT-55のような戦車が登場する。
憲兵隊
[編集]日本太平洋合衆国の治安維持を担当する軍事警察。隊員は全員が日本人である。私服捜査員の木戸が軍の階級である大尉と警察官の階級である警部を併用し、「厚生労働省」の身分証を提示するなど謎の多い組織である。私服捜査員と制服の隊員で構成され、十四年式拳銃や軍刀のほか、重機関銃を搭載した車両やUAZ-469、装甲兵員輸送車も装備し、レジスタンスの摘発にあたっている。本部施設内にガス室や銃殺用の処刑場を持ち、拘束した被疑者や市民を裁判なしで処刑することも少なくない。
日本本国の陸軍で、軍首脳の中では大ナチス帝国への先制攻撃を推進する勢力が強い。原爆の製造法を入手したのち、サンフランシスコに倉庫に偽装した秘密工場を建設、旧アメリカ領で採掘したウランを使い原爆製造に着手する。太平洋合衆国を訪れた小野田将軍が大臣である田上を恫喝するなど、シビリアンコントロールとは無縁のようである。合衆国の憲兵隊を直接指揮することもある。
日本本国の海軍で、サンフランシスコ湾を基地とする。艦艇は戦艦大和や最上型重巡洋艦がマストやレーダーを更新しつつ現役で運用されている他、アングルド・デッキを備えたCTOL空母などを擁している。航空機は艦上ジェット戦闘機やKa-27を保有している。艦隊総司令官の猪口提督は憲兵隊に対し、旧アメリカ人に対する穏健な対応を求める。
近衛兵(皇宮警察)
[編集]サンフランシスコでの皇太子の警備にあたっていた日本の部隊。吹替え版では「皇宮警察」であるが、英語版で”imperial guards”と呼ばれていることから、日本本国から皇太子に同行した近衛兵のようである。64式7.62mm小銃に酷似した銃を装備している。皇太子の演説会場では拳銃を持ったフランクが接近できるほど杜撰な警備を行い、実際に狙撃が起きたことから指揮官は現場の公園内で切腹する。
警察
[編集]戦前の警察機構を引き継いだ自治体単位で設置されている警察で、アメリカ人の警察官が所属している。シーズン1ではジョーのパンク修理を手伝った警官のほか、スミス大将襲撃の際に出動したニューヨーク市警とみられるパトカーが確認できる。サンフランシスコでは憲兵隊の指令を受けた私服警官がジュリアナの自宅の監視にあたる。
サンフランシスコを拠点とする日系の暴力団。飲食店や風俗店を経営し政府高官も顧客に持つ。違法薬物の密輸を行い、ジュリアナやジョーを監禁しレジスタンスに多額の身代金を要求するなど犯罪行為でも荒稼ぎしている。木戸率いる憲兵隊に情報を売り、ひそかにナチスとも取引する。情報収集能力はかなりのもので、首領オカムラの情報により皇太子狙撃事件の捜査は大きく進展することになる。中立地帯においては、公式には活動できない憲兵隊に代わって種々の活動を行う。
「イナゴ身重く横たわる」
[編集]フィルムの概要
[編集]レジスタンスと親衛隊、憲兵隊が争奪戦を繰り広げる、複数の別世界の映像を記録したおびただしい数の映写用ポジフィルム[7]。"旅人"と呼ばれる人物が別世界からこの世界に持ち込む。
リールに張られたテープに” The Grasshopper Lies Heavy”(イナゴ身重く横たわる)と手書きの文字で記されている。
収集したフィルムを、レジスタンスは「高い城の男」ことホーソーン・アベンゼンに、親衛隊はアドルフ・ヒトラー総統のもとにそれぞれ送り届けている。
タイトルの由来は作中では明らかにされていないが、旧約聖書に類似した一節として「蝗もその身に重く」がある[8]
映像と内容
[編集]冒頭にカウントダウンの数字があり、シーンが頻繁に切り替わることから、カメラで撮影されたままの生素材ではなく、何者かによって編集されている。
数多くの別世界の過去と未来の映像が存在し、アベンゼンの拠点では1940代から1950年代後半まで、年ごとに分類された状態で保管されていた。
過去を映したフィルムには、現実とは異なる経緯で連合軍が勝利した世界大戦の結末も存在する。また未来を映したフィルムには、核攻撃で焦土と化し遺体が散乱するサンフランシスコと、ナチス兵の制服を着たジョー・ブレイクに射殺されるフランクらレジスタンスの姿が映るものもある。
「高い城の男」アベンゼンはフィルムの映像を分析することで、これから起こりえる事象の把握を試みる。アベンゼンによれば一連のフィルム群には現在の時間軸の世界に実在する、鍵となる複数の人物が登場するという。それらの人物の行動によって未来が変化するとも語る。
あらすじ
[編集]シーズン1のあらすじ
[編集]1962年、アメリカ合衆国は日本の傀儡国家である西海岸の日本太平洋合衆国、ドイツに支配される世界的大国の大ナチス帝国の一部である東部、その間に挟まれた中立地帯であるロッキー山脈連邦に三分されている。世界はほぼ日本とナチスによって分割され、ヨーロッパのユダヤ人は絶滅させられ、アフリカ全土は奴隷化されている。アメリカでもユダヤ人は虐殺され、わずかな数が隠れ住む。
日本太平洋合衆国のアメリカ人の大半は支配階級である日本人におもねる。ジュリアナ・クレインはサンフランシスコに住み合気道を学ぶ。ジュリアナの妹はレジスタンスに加わり、憲兵隊に射殺され、死の直前に姉にあるフィルムを渡す。そこには、第二次大戦で連合国が勝利し、ドイツと日本が敗れた改変歴史のニュースが収められている。ジュリアナは妹の代わりにロッキー山脈連邦のキャノン・シティに行ってフィルムを接触相手に渡そうとし、ニューヨークから来たトラック運転手のジョー・ブレイクと知り合う。ジョー・ブレイクは実は大ナチス帝国の親衛隊のスパイであり、レジスタンスに潜入してやはりフィルムをキャノン・シティに運んでいる。「高い城の男」と言う謎の人物が、様々な未来を見せるフィルムを集め、その代わりにレジスタンスを助けていることがわかる。
大ナチス帝国ではヒトラーが病気で弱り、後継者たちは日本に戦争を仕掛けてアメリカ西海岸も手に入れようと画策する。戦争を避けようとするナチス国防軍大佐のルドルフ・ウェゲナーと、日本太平洋合衆国の田上貿易大臣は密かに協力し、劣勢の日本政府にナチスの核兵器の秘密をもたらして両国の戦力を互角にしようとする。木戸憲兵隊大尉はフィルムを追い、ジュリアナのボーイフレンドでユダヤ人のフランク・フリンクを尋問してその家族を殺し、フランクは日本への復讐を誓う。日本人相手に卑屈に骨董品を売るロバート・チルダンは、フランクと組んで模造品を日本人に売りつける。日本の皇太子がサンフランシスコ訪問中に狙撃され、木戸はフランクを容疑者として追う。皇太子を狙撃したのは、実は日本との開戦の口実が欲しいナチスの一勢力であるが、敗北が必至の戦争を避けたい木戸は隠蔽する。ジョーは新しいフィルムを追ってニューヨークからサンフランシスコに来るが、スパイとしての使命とジュリアナへの愛の板挟みとなる。
東部でも白人はナチスにおもねりユダヤ人と黒人を絶滅させ、ジョーの上司であるアメリカ人のナチス親衛隊大将ジョン・スミスは冷酷にレジスタンスを追い詰める。だが息子の不治の病を知って、義務である安楽死処理を躊躇する。ウェゲナーはラインハルト・ハイドリヒにヒトラー暗殺を強制されるが失敗して自殺し、ハイドリヒはスミスに逮捕される。ジュリアナはフィルムの秘密を知るため、レジスタンスに近づく。易に頼り平和を求める田上はジュリアナを雇い援助するが、不意に別世界のサンフランシスコに移動し、その光景を見て驚く。
シーズン2のあらすじ
[編集]シーズン2はシーズン1の直後から始まる。
それぞれ異なる時間線をもつ多数の別世界が存在し、一部の人間は世界間を移動する能力を持ち、「高い城の男」やヒトラーは様々な別世界の映像を収めたフィルムを収集し研究する。別世界の未来を参考にすることで、この世界の未来を改変できることが分かる。
日本太平洋合衆国では、フランクはヤクザの力を借りてエドを憲兵隊から取り戻すが、日本への憎しみからレジスタンスに参加して将軍を暗殺し、フランクの生死は不明となる。田上は日本が敗れた別世界で、死んだはずの妻と息子、その嫁となっているジュリアナに会い、ビキニ環礁水爆実験のフィルムを見て、核戦争を阻止するためにフィルムを元の世界に持ち帰る。
東部では、ジョーはニューヨークに戻るが、ジュリアナが死んだと聞かされ、ドイツに行き首相の父ホイスマンと再会する。ドイツ文化に親しみ、女性映画監督のニコールと知り合い、疎遠だった父との関係を修復する。ジュリアナはサンフランシスコへの原爆投下を避けるため、大ナチス帝国に亡命してスミスの保護を受け、「高い城の男」が示唆した謎の男ディクソンをニューヨークで探す。スミスは不治の病に冒された息子トーマスを安楽死から救うために診察した医師を殺し、トーマスをナチス社会から逃がす計画を立てる。
ヒトラーが死んで後継となったホイスマンは、圧倒的な軍事力で日本との核戦争を企てる。木戸は日本による水爆実験であると偽って田上の持ち帰ったフィルムをスミスに渡し、日本の報復による大惨事を避けるよう説く。ジュリアナはスミスの息子のスキャンダルの露見を防ぐ。スミスはベルリンに飛びジョーの助けでフィルムをナチス幹部に見せて戦争を阻止し、ホイスマンの陰謀を暴露して失脚させ、称賛を浴びる。だがナチスに心酔するトーマスは自ら安楽死を求める。「高い城の男」アベンゼンはジュリアナに会い、様々な別世界を映すフィルムにおいて、ジュリアナは常に鍵となる人物であると話し、死んだはずの妹トゥルーディに会わせる。レジスタンスの指導者は、収集したフィルムを田上に渡す。
シーズン3のあらすじ
[編集]シーズン3はシーズン2の直後に始まる。ヒムラーが総統となった大ナチス帝国は征服を止めず、劣勢の日本を挑発する。
ジュリアナは、しばしば別世界のフラッシュバックを見るようになり、トゥルーディを連れて中立地帯からサンフランシスコに行き田上に保護される。ジョーはヒムラーの命でサンフランシスコに行き、ナチスからの亡命者を暗殺し、次に田上を狙うがジュリアナに殺される。ジュリアナはナチスが並行世界を侵攻しようとする計画を阻止するため、ワイアットとともに東部に向かう。途中の中立地帯ではエドとフランクに再会する。
日本太平洋合衆国では、大ナチス帝国の石油禁輸により燃料が不足し、ナチスからの亡命者が暗殺され、田上の命が狙われる。田上はスミスと会談して戦争を再び回避しようとする。田上は木戸に、並行世界の存在を打ち明ける。
中立地帯では、火傷を負ったフランクがユダヤ人の共同体に隠れ住み、レジスタンスを鼓舞するポスターを広めるが、木戸に探し出されて殺される。高い城の男アベンゼンはナチスに捕えられる。
東部の大ナチス帝国では、アメリカの歴史を抹消してアメリカ人を忠実なる大ナチス帝国民に作り変える計画"イヤー・ゼロ"が立案され、自由の鐘と自由の女神が破壊され、安楽死を選んだトーマスが称賛されるが、スミスとヘレンは苦悩する。スミスは政敵との闘争を勝ち抜き、北アメリカ最高の元帥の地位に就く。スミスは家族、自国民の保護、そしてナチスへの忠誠の狭間で揺れ、娘たちの遺伝病診断を恐れるヘレンは娘たちを連れて失踪する。
ナチスは別世界から来た"旅人"の存在を知り、ペンシルバニア州の鉱山の秘密基地で、別世界への扉を開く装置の起動に成功する。ジュリアナは装置の破壊に失敗し捕えられる。ヒムラーは狙撃される。転移した世界で自分自身が生存していた場合、転移した人物は死ぬことがわかる。シーズンの最後に、ジュリアナは別世界に転移する。
シーズン4のあらすじ
[編集]シーズン4はシーズン3の1年後に始まる。日本とナチスによる北米支配は崩壊する。
日本太平洋合衆国では、BCR(黒人共産反乱軍)が攻勢を強める。日本政府内の強硬派が田上を暗殺するが木戸の協力を得た皇太子妃らの講和派が反撃して撤退を決める。BCRと白人たちが日本に代わって支配する。木戸は息子を救うためにヤクザの顧問となって残留し、チルダンは日本人妻とともに日本に行こうとする。
連合国の勝った並行世界にはジュリアナが移動している。トーマスが父の反対を押し切ってベトナム戦争に志願する。スミスに送られた工作員がジュリアナを殺そうとして、この世界のスミスを殺す。ジュリアナは易に導かれ元の世界に戻る。スミスが並行世界に来て、生きているトーマスに再会する。
東部の大ナチス帝国では、ニーベンベルト計画により工作員が"扉"を通って並行世界に送られ情報を持ち帰る。ヘレンと娘たちが中立地帯から戻るが、ジェニファーは反ナチス、エイミーがナチス支持者となって家庭は崩壊する。フーヴァーがスミス家を盗聴して陥れようとする。スミスは先手を取ってベルリンでゴーツマン親衛隊大将と共謀してクーデターを起こし、ゴーツマンと大ナチス帝国を分け合って北米帝国の総統となると、日本の撤退した西海岸に侵攻し、白人種以外を絶滅させる計画を立てる。これを知ったヘレンはレジスタンスと内通する。そしてスミスは自身の今までの人生を悔やみ自殺し、西海岸侵攻は中止される。並行世界から"扉"を通って多くの人々がやって来る。
エピソード
[編集]シーズン1のエピソード
[編集]通算 話数 | シーズン 話数 | タイトル | 監督 | 脚本 | 公開日 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | "新世界" "The New World" | David Semel | フランク・スポトニッツ | 2015年1月15日 | |
1962年、連合国が枢軸国に敗れた世界のアメリカで、ドイツの傀儡国家である大ナチス帝国の親衛隊大将ジョン・スミスのために働くスパイであるジョー・ブレイクは、禁制のニュースフィルムを調査するよう命じられる。日本の傀儡国家である日本太平洋合衆国のサンフランシスコに住み合気道を学ぶジュリアナ・クレインは、ユダヤ人の出自を隠す宝石デザイナーのフランク・フリンクと同棲する。貿易大臣の田上はベルリンからやってきたナチ将校のルドルフ・ウェゲナーに会う。ジュリアナの目の前で妹のトゥルーディが憲兵隊に殺されるが、連合国が勝った歴史を映すフィルムを受け取り、ジュリアナは妹がレジスタンスであったことを知る。ジュリアナは妹の遺志を継いでフィルムを中立地帯に運ぶが、途中で荷物が盗まれてしまう。ジュリアナとジョーは中立地帯で出会う。フランクはフィルムを追う木戸憲兵隊大尉に逮捕され、大ナチス帝国に送還されて処刑されそうになる。 | ||||||
2 | 2 | "サンライズ" "Sunrise" | Daniel Percival | フランク・スポトニッツ | 2015年10月23日 | |
中立地帯のキャノン・シティの食堂で働き始めたジュリアナは折り紙を折る男に会い、妹の接触相手だと考える。男は実はナチのスパイであり、ジュリアナを襲うものの合気道で逆襲されてダムから転落する。スミスは通勤途中に襲撃される。フランクの姉と子供たちも逮捕され、フランクが協力しないとユダヤ人として処刑されると脅される。フィルムを含むジュリアナの荷物を盗んだ女が逮捕され、フランクは釈放されるが、姉と子供たちはすでに処刑されている。 | ||||||
3 | 3 | "スケッチの女" "The Illustrated Woman" | ケン・オリン | Thomas Schnauz&Evan Wright | 2015年11月20日 | |
ジョーとジュリアナはキャノン・シティを出ようとするが、ナチの賞金稼ぎがやってくる。二人は食堂主のレミュエル・ワシントンがレジスタンスでありトゥルーディの連絡先であることを知る。賞金稼ぎはジュリアナがナチのスパイを殺したと疑って追い詰める。サンフランシスコでは、フランクが日本への復讐のために皇太子暗殺を計画する。田上とウェゲナーは極秘情報の入ったマイクロフィルムを日本政府に渡そうと画策する。 | ||||||
4 | 4 | "発覚" "Revelations" | Michael Rymer | Thomas Schnauz & Jace Richdale | 2015年11月20日 | |
ジョーはジュリアナを賞金稼ぎから救う。二人はレジスタンスに囲まれ、ジョーが運んできたフィルムを取り上げられる。賞金稼ぎが再び二人を襲い、ジョーは自分がナチのスパイであることを明かす。ジュリアナは交通事故死を装って逃れる。スミスはコンリー大尉が自分の通勤路をレジスタンスに明かしたと疑う。サンフランシスコでは、フランクが皇太子暗殺を躊躇する間に、皇太子が何者かに撃たれる。 | ||||||
5 | 5 | "新しい日常" "The New Normal" | ブライアン・スパイサー | Rob Williams | 2015年11月20日 | |
皇太子は病院に急送され、一命はとりとめるが警備隊の大尉は切腹する。ウェゲナーはマイクロフィルムを日本政府高官に渡すことに成功する。犯人を見つけられなければ自分も切腹すると木戸は言う。ジュリアナはサンフランシスコの家に戻り、フランクと再会する。ジョーは中立地帯で確保されてニューヨークに護送され、スミスに報告させられる。スミスは納得し、対米戦勝記念日にジョーを自宅に招く。 | ||||||
6 | 6 | "3匹の猿" "Three Monkeys" | Nelson McCormick | Rob Williams | 2015年11月20日 | |
ジュリアナは田上の下での仕事を見つける。ジョンは旧友のウェゲナーの秘密行動を知って空港で待ち伏せ、自宅に招いて秘密を探った後で逮捕する。スミスはジョーが自分の書類を探るのを見とがめる。フランクはユダヤ人のマーク・サンプソンの家に招き入れられる。 | ||||||
7 | 7 | "真実" "Truth" | ブラッド・アンダーソン | Emma Frost | 2015年11月20日 | |
田上はジュリアナの過去を知る。スミスはジョーを尋問する。フランクはサンプソンから助言を受ける。 | ||||||
8 | 8 | "世界の終わり" "End of the World" | カリン・クサマ | Walon Green | 2015年11月20日 | |
ジュリアナとフランクは日本太平洋合衆国から逃げ出そうとするが、憲兵隊に待ち伏せされる。新たなフィルムを入手するため、ジョーがサンフランシスコに来る。チルダンは偽物を梶浦夫妻に売りつけようとする。スミスは筋ジストロフィーに冒された息子の安楽死を迫られ、同病だった兄のことを回想する。 | ||||||
9 | 9 | "真心" "Kindness" | Michael Slovis | Jace Richdale | 2015年11月20日 | |
スミスは自分を襲撃したレジスタンスに情報を漏らした人物を見つける。フランクは命を懸けてジョーを救う。木戸の捜査は大きく転換する。フランクとジュリアナは新たに手に入れたフィルムを見て、サンフランシスコに原爆が落とされ、SSの制服を着たジョーがフランクら生存者を処刑するシーンを見る。 | ||||||
10 | 10 | "運命を握る者" "A Way Out" | Daniel Percival | Rob Williams | 2015年11月20日 | |
フランクとジュリアナはジョーがナチのスパイだと知り問い詰める。ジョーはサンフランシスコのドイツ大使館にフィルムを持って行き、ラインハルト・ハイドリヒが罠を仕掛けたことを知る。木戸は戦争を避けるためにナチの関与を隠蔽し、ヤクザの情報をもとに、皇太子狙撃犯のナチを殺す。フランクの銃を持ったエドが逮捕されて犯人に仕立て上げられ、木戸は切腹を逃れる。ウェゲナーはドイツに送還され、家族に別れを告げた後、別のフィルムを見ていたヒトラーを暗殺しようとして失敗し、自殺する。スミスはクーデターに加わるようハイドリヒに誘われるが断り、逮捕してヒトラーに報告する。ジョーはレミュエルの襲撃から逃れてメキシコに向かう漁船に乗る。フランクはエドの逮捕を知って憲兵隊に出頭する。田上がユニオンスクエアに行って瞑想し目を開けると、連合国が第二次世界大戦に勝った別の世界に移動している。 |
シーズン2のエピソード
[編集]通算 話数 | シーズン 話数 | タイトル | 監督 | 脚本 | 公開日 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 1 | "虎の穴" "The Tiger's Cave" | ダニエル・パーシヴァル | フランク・スポトニッツ | 2016年12月16日 | |
ジョーはニューヨークに戻り、フィルムをスミスに渡し、辞職を希望する。スミスは拒否し、ドイツに渡ってフィルムをヒトラーに手渡す。カレンとレムはジュリアナを責めたあとで昏睡させ、ジュリアナは「高い城の男」ホーソーン・アベンゼンの家で目覚める。小野田将軍は、科学技術大臣のポケットで見つかったマイクロフィルムに収められた技術情報を用いて、ナチに対抗する核兵器を製造すると宣言し、田上は悲嘆する。ジュリアナは、アベンゼンから核戦争を避けるためのヒントを聞き出す。ジュリアナはレジスタンスに捕えられて殺されそうになるが、憲兵隊の検問所で逃げ出し、カレンと憲兵が銃撃戦で死ぬ。 | ||||||
12 | 2 | "険しい道" "The Road Less Traveled" | コリン・バックシー | Rob Williams | 2016年12月16日 | |
木戸は検問所での銃撃戦を調査し、ジュリアナの関与を疑う。フランクは逮捕されたエドを救うため、チルダンとともに弁護士のポール梶浦を通じてヤクザのオカムラに会い、エドの手を借りて偽の骨董品を作って売り上納金を納めると約束する。オカムラは木戸に与えた恩義を利用してエドを釈放させ、代わりに死んだカレンが犯人に仕立て上げられる。スミスはジョーにジュリアナは死んだと言い、ベルリンに行って父親のホイスマン首相と会うよう命令する。レジスタンスから逃げるジュリアナは、原爆が落とされるはずのサンフランシスコから逃げるよう家族に願うが聞き入れられない。アベンゼンがヒントをくれた謎の男は、トゥルーディの父親のジョージ・ディクソンであることを知る。ディクソンがブルックリンにいることを知り、ジュリアナは大ナチス帝国大使館に駆け込む。 | ||||||
13 | 3 | "旅人たち" "Travelers" | ダニエル・サックハイム | エリック・オリーソン | 2016年12月16日 | |
かかりつけの医者で友人のアドラー医師は、不治の病に冒されたトーマスを安楽死させるようスミスを説く。スミスはジュリアナの亡命を知り、ひそかにニューヨークに招いて尋問し面倒を見るが、ジョーには隠す。フランクはジ��リアナの亡命を知るが、レジスタンスを裏切ったとは信じない。憲兵隊が検問所での銃撃戦の復讐に住民を殺したため、フランクはレジスタンスに協力し始める。ジュリアナはジョーがナチ側に戻ったと聞かされ、裏切られたと考える。ジョーはベルリンで父親と会うが、死んだ母親の扱いを巡って対立は解けない。スミスはトーマスを安楽死させようとして果たせず、アドラー医師を殺して口封じをする。 | ||||||
14 | 4 | "緊張の高まり" "Escalation" | デヴィッド・ペトラルカ | ウェズリー・ストリック | 2016年12月16日 | |
ジュリアナはスミスの妻ヘレンとトーマスの助けで新生活になじみ始める。憲兵隊による市民処刑に怒ったフランクは骨董品の偽造を怠り、レジスタンスと共に危険な任務に参加するようになる。フランクはレジスタンスの一員である日系人のサラと親しくなる。スミスはヘレンに、トーマスの病気を隠すためにアドラー医師を殺したことを打ち明ける。ジュリアナは探していたディクソンと会う。 | ||||||
15 | 5 | "壊滅の予兆" "Duck and Cover" | ジョン・フォーセット | エリック・オリーソン & リック・クリーブランド | 2016年12月16日 | |
ディクソンはレジスタンスの指導者であることが分かる。ジュリアナは、サンフランシスコ原爆投下のフィルムにディクソンが何度も出てきたと話す。ディクソンは、ジュリアナがジョーにフィルムを持たせて逃したことを裏切りと呼び、スミスをスパイするよう命じる。ジョーは父親から自分が人種の純化を目的にしたレーベンスボルンの子であると聞かされる。木戸はニューヨークに行き、ジュリアナを奪還しようともくろむが果たせず、スミスと内密の話し合いをする。エドは憲兵隊のためにスパイ活動をしていたことが分かる。アベンゼンは大量のフィルムと隠れ家に火を放ち、新たな隠れ家に移る。田上は再び別世界に移動し、死んだはずの妻ミチコと息子の紀明に会うが、この世界では家族と疎遠であることが分かる。第二次大戦で日本に原爆が落とされて敗北したことを知る。息子の嫁がジュリアナであることを知って田上は驚愕する。 | ||||||
16 | 6 | "金継ぎ" "Kintsugi" | ポール・ホラハン | Francesca Gardiner | 2016年12月16日 | |
ジュリアナはナチスの女性たちと交際し始め、ルーシーと親しくなる。トーマスが南アメリカに向かうヒトラーユーゲントに選ばれたことが分かる。ヘレンは拒否するが、トーマスを誘拐させて安楽死を避ける手はずであることを夫から聞かされて翻意する。ジョーは同じレーベンスボルンである映画製作者のニコールと親しくなる。田上は、息子が日本文化を軽んじることに失望する。木戸は、アベンゼンの隠れ家が焼けて見つかったと吉田に聞かされ、ヤクザもまたフィルムを探していたことを知る。 | ||||||
17 | 7 | "ほほ笑みの国" "Land O' Smiles" | カリン・クサマ | Rob Williams | 2016年12月16日 | |
エドとチルダンはフランクの骨董品を売った儲けを納めにオカムラの家に行くが、木戸と憲兵隊が来たために倉庫に隠される。ヤクザがナチのために働いたことを知った木戸はオカムラと子分らを殺す。吉田はエドとチルダンを見つけて逃がす。フランクは小野田将軍が視察に来る港に爆弾を仕掛けようとするが、ひそかに原爆が製造されていると知って中止する。アドラー医師の未亡人は夫の死に不審を抱き、解剖を求める。ジュリアナはトーマスが意識を失ったところに居合わせ、秘密を守るとヘレンに約束する。ヒトラーが倒れたことをハインリヒ・ヒムラーがスミスに伝える。 | ||||||
18 | 8 | "不用意な噂" "Loose Lips" | アレックス・ザクシェフスキ | リック・クリーブランド | 2016年12月16日 | |
スミスはジュリアナを尋問し、サンフランシスコに原爆投下が迫っていることを知る。ルーシーは、TV番組制作者の夫が過去のヒトラーの画像を流しているとジュリアナに教える。ジュリアナはヒトラーがおそらく死んでいるとディクソンに伝える。レジスタンスは蜂起を決め、ジュリアナは原爆投下を避けようとした自分が核戦争のきっかけになったのではないかと悩む。ホイスマンは総統代理となる。フランクは、ジュリアナが家族と自分にサンフランシスコから逃げるよう言ったことを知る。ジュリアナと木戸からの情報をもとに、スミスは囚われのハイドリヒを誘導してナチ指導者の中に日本との戦争を企む勢力があることを認めさせ、首謀者がホイスマン首相であることを聞き出した後で殺す。ヒトラーは亡くなり、ホイスマンが後継となる。 | ||||||
19 | 9 | "爆発" "Detonation" | クリス・ロング | ウェズリー・ストリック | 2016年12月16日 | |
田上は家族と共にビキニ環礁での水爆実験のフィルムを見る。田上は日本とナチとの戦争を阻止するため、フィルムをもって元の世界に戻る。琴道は長崎に原爆が落とされた別世界から来たことが分かる。トーマスは盗聴されていることを知らずに、自分の症状のことでジュリアナを問いただす。スミスは二人の会話のテープを後に聞かされ、秘密にするよう計らう。ホイスマンはヒトラーが日本によって毒殺されたと発表し、復讐を公言する。フランクはエドとチルダンにサンフランシスコを離れるよう説得した後、サラと共に憲兵隊本部の地下に爆弾を仕掛けて小野田将軍暗殺を��る。だが二人を木戸が見つけて銃撃戦が始まる。田上が到着したときに爆弾は爆発し、将軍と幕僚たちを殺し、フランクとサラの姿も消える | ||||||
20 | 10 | "フォールアウト" "Fallout" | ダニエル・パーシヴァル | エリック・オリーソン | 2016年12月16日 | |
サンフランシスコでは、上官の爆死により木戸が憲兵隊の指揮官となる。田上は戦争回避を木戸に迫り、木戸はニューヨークに赴き、田上の持ち帰った水爆実験のフィルムを、日本の水爆保有の証拠としてスミスに見せる。レジスタンスはカレンの死の復讐にジュリアナを殺そうとするが、ジュリアナは合気道の技で逃れる。ジュリアナは、トーマスとの会話のテープを公開してスミスを陥れようとするディクソンをも殺す。ドイツでは、ホイスマンは日本本土およびサンフランシスコなど勢力範囲の大都市を核攻撃する計画を進める。スミスはベルリンに飛び、ジョーの助けで水爆実験のフィルムをナチス上層部に見せ、核戦争を起こして日本の水爆による報復を招かないよう説得する。ハインリヒ・ヒムラーにハイドリヒの供述書を見せて、ホイスマンが日本によるヒトラー暗殺をでっち上げた裏切り者であると納得させる。ヒムラーはホイスマンとジョーを逮捕させ、世界中に生中継される中で権力の掌握を宣言し、スミスの貢献を称賛する。だが、父親の晴れの姿を見たトーマスは、自ら安楽死を求めて当局に身柄の確保を求める。ジュリアナは中立地帯に逃げ、「高い城の男」アベンゼンに会う。アベンゼンは、様々な別世界のフィルムの中でジュリアナだけは常に鍵となる存在であり、スミスを助けたジュリアナの行動が核戦争を防いだといい、死んだはずのトゥルーディに会わせる。レムは残ったフィルムを田上に渡す。 |
シーズン3のエピソード
[編集]通算 話数 | シーズン 話数 | タイトル | 監督 | 脚本 | 放送日 | |
---|---|---|---|---|---|---|
21 | 1 | "大切な君" "Now More Than Ever, We Care About You" | Daniel Percival | ウェズリー・ストリック | 2018年10月5日 | |
1962年秋、日本は初の原爆実験を成功させるが、ナチスの保有数には遠く及ばない。サンフランシスコでは、ハワイ出身で日本人とアメリカ人の混血の中村が木戸の部下となる。中立地帯のアベンゼンの家で、ジュリアナは別世界から来たトゥルーディと共に暮らし、"旅人"と呼ばれる者たちが別世界の映像を持ち込んできたと聞かされる。アベンゼン宅が襲われ、ジュリアナは妹と逃げる。ジュリアナはワイアット・プライスと知り合う。ジュリアナは協力を求めて、妹とともにサンフランシスコの田上の家に来る。ニューヨークでは、親衛隊上級大将となったスミスが家族のもとに帰り、トーマスを失った悲しみに向き合う。ニコールがニューヨークに来て宣伝活動に加わり、トーマスの追悼式を撮影する。ドイツで収監されていたジョーは、自らの手で父親ホイスマンを銃殺刑にすることを強いられたのち、ジョセフ・チナデーラを名乗ってサンフランシスコに送られる。途中でニューヨークに寄り、スミスの副官レーダー少佐を叩きのめす。 | ||||||
22 | 2 | "厳命" "Imagine Manchuria" | アレックス・ザクシェフスキ | Eric Overmyer | 2018年10月5日 | |
サンフランシスコでは、ジュリアナが田上の息子と結婚していた幻視を見る。猪口提督はナチスの策動による燃料不足の解決を田上に頼み、アメリカ人の懐柔を木戸に指示する。田上は沖縄出身のタミコに出会う。木戸はジュリアナと、殺したはずのトゥルーディを捕えるが、田上は二人を釈放させる。田上が家で易を立て、トゥルーディを解放するようジュリアナに諭すと、トゥルーディの姿は消える。ジョーは通商次官としてサンフランシスコのナチス大使館に赴任する。中立地帯のニューメキシコでは、チルダンとエドが骨董品を探す。ニューヨークでは、息子の死を悲しむヘレンが精神分析医にかかり、娘にも遺伝病の兆候が出ることを恐れる。ヘレンはアドラー医師の未亡人アリスがスミス家を中傷していることを咎め、争いになって殺してしまう。ロックウェルとフーヴァーはスミスを陥れるためアドラー医師の不審死を調べる。 | ||||||
23 | 3 | "戦争行為" "Sensô Kôi" | アーネスト・ディッカーソン | Chris Collins | 2018年10月5日 | |
サンフランシスコでは、田上とジュリアナがフィルムを研究する。ジョーはヒムラーの命令で、反乱に与して亡命したディールス上級大将を憲兵隊の見張りとともに殺す。ジュリアナはジョーに再会する。ジュリアナはしばしば別世界の幻視を見て、ペンシルバニア州のラッカワナ鉱山が鍵であることを知る。木戸はヘーガンを拷問してフランクが生きていると聞かされる。中立地帯で、チルダンはサンプソンからサンフランシスコの騒ぎはおさまったと聞かされて家に帰りたがるが、魅力的な男ジャックと出会ったエドは渋る。ニューヨークで、スミスはアリス殺人現場の後始末をする。スミスはヒトラーの収集したフィルムを研究する組織を訪れ、捕えられた"旅人"を見る。トーマスを描き、スミスを称賛するニコールの映画「アメリカの英雄」の上映会が開かれる。 | ||||||
24 | 4 | "ユダヤの共同体" "Sabra" | John Fawcett | Eric Simonson | 2018年10月5日 | |
サンフランシスコでは、ジョーが亡命者のウェクスラーを暗殺し、次に田上に狙いをつける。木戸はヤクザにフランクを探させ、バーのホステスのジーナに安らぎを求める。石油不足に抗議するデモが起き、現場には太陽のポスターが残される。ジョーとの仲を復活させたジュリアナを、ワイアットが訪ねる。中立地帯では、火傷を負ったフランクがユダヤ人共同体に隠れ住み、密かに太陽のポスターを描いて広めている。チルダンとエドは帰り道で強盗に遭う。ニューヨークでは、レーダー少佐の死体が発見される。ヘレンはふさぎ込み、スミスはトーマスの夢を見る。ニコールは「イヤー・ゼロ」計画のためのプロパガンダ映像を撮影し、ジャーナリストのセルマと親密になる。 | ||||||
25 | 5 | "新たな奇跡" "The New Colossus" | Daniel Percival | ウェズリー・ストリック | 2018年10月5日 | |
サンフランシスコでは、田上はジョーに狙われたことを知り、ジュリアナに警告する。ジュリアナはジョーを探り、暗殺者であることとワッカワナ鉱山の粒子加速器を使って別世界を征服しようとするニーベンベルト計画のことを知り、ジョーを殺す。ニューヨークでは、ヘレンが心理療法を再開する。フーヴァーはヘレンにアリスの殺人容疑をかけ、スミスに引退を迫る。ニューヨークを訪れたヒムラーの前で、ロックウェルはスミスを糾弾するが、スミスに脅迫されていたフーヴァーが裏切る。ヒムラーはロックウェルを逮捕させ、スミスを国家元帥代理に任命する。ニコールは「イヤー・ゼロ」計画で自由の女神像を破壊し、代わりにトーマスをかたどった巨像の建設を企てる。ロックウェルは追放されたキューバでスミスの送った暗殺者に殺される。 | ||||||
26 | 6 | "歴史の終わり" "History Ends" | Meera Menon | Elizabeth Benjamin & Kalen Egan | 2018年10月5日 | |
サンフランシスコでは、ジュリアナはジョーが持っていた書類を田上に届けさせ、ワイアットとともに中立地帯に入る。田上は憲兵隊内に裏切り者がいることを木戸に伝える。フーヴァーが東部から来て木戸と会談する。中立地帯では、サンプソンがフランクが生存していることをエドに伝える。チルダンはサンフランシスコに戻るが、エドは残ってフランクに再会する。フランクはユダヤの成人式を挙げる。ジュリアナはレムとアベンゼンに再会する。東部では、目覚めた"旅人"のファティマ・ハサンがヨゼフ・メンゲレとスミスの前で消える。スミスはジョーが死んだこと、ヒムラーの命でジョーが秘密を知り過ぎたレーダー少佐を殺したことを知る。スミスは北アメリカ国家元帥に正式に就任する。 | ||||||
27 | 7 | "不均衡" "Excess Animus" | Steph Green | Dre Ryan | 2018年10月5日 | |
サンフランシスコでは、ナチスに内通した中村を木戸が処刑する。戻ってきたチルダンは店を占拠していた日本人と争って逮捕され、エドの居場所を木戸に語る。田上は並行世界の存在とナチスによる別世界侵攻計画を木戸に打ち明ける。中立地帯では、ジュリアナがフランクとエドに再会する。東部では、スミスが別世界に進出するニーベンベルト計画の説明を受ける。セルマはニコールと関係を深める。 | ||||||
28 | 8 | "霞" "Kasumi (Through the Mists)" | Jennifer Getzinger | William N. Fordes | 2018年10月5日 | |
サンフランシスコでは、木戸が店を取り戻してやってチルダンに報いる。ヒムラーの送った刺客が田上を襲う。日本はナチスに抗議し、石油の禁輸解除を求める。中立地帯では、ジュリアナがユダヤ人共同体でフィルムを見せても信じる者は少ない。ワイアットはジュリアナのために身分証明書を偽造し、一緒にワッカワナ鉱山へ向かう。木戸が来てエドとフランクを探す。フランク、エド、サンプソンも東部へ向かう。ニューヨークでは、自由の鐘が溶かされてハーケンクロイツに鋳造される。ヘレンが国の優生政策についての不満を精神分析医に口に出し、医師はスミスに知らせる。女性専用クラブが取り締まりに会い、ニコールの前でセルマが逮捕される。 | ||||||
29 | 9 | "バク" "Baku" | Deborah Chow | Chris Collins & Chris Wu | 2018年10月5日 | |
田上は両帝国の緊張解消のため、中立地帯でスミスとの会談を申し出る。出発前、田上はタミコと親密になる。中立地帯では、木戸がフランクを逮捕し、マンザナー強制収容所跡に連れて行って処刑する。田上はスミスに会い、自分が別世界に行った"旅人"であることを打ち明け、ニーベンベルト計画を知っていると言い、すべての亡命者を引き渡す代わりに石油禁輸を解���よう提案する。サンプソンはユダヤ人ハンターを殺す。東部では、ジュリアナがフィルムを見せることでワイアットの友人の助力を柄て、ワッカワナ鉱山を偵察する。ヘレンは検査を避けるために娘たちを連れて逃げる。 | ||||||
30 | 10 | "イヤー・ゼロ" "Jahr Null" | Daniel Percival | Eric Overmyer & ウェズリー・ストリック | 2018年10月5日 | |
サンフランシスコでは、木戸がジーナを訪ねてクラブの契約から解放し、多額の現金を渡す。エドとジャックがチルダンを訪れてフランクの死を告げ、3人はフランクの絵を塔から掲げる。中立地帯では、スミスが「高い城の男」アベンゼンを捕える。東部のワッカワナ鉱山では、潜入したジュリアナと仲間たちと、視察に来たヒムラーとスミスが見守る中、メンゲレが装置を起動して別世界への"扉"を開く。送り込まれた被験者は一人を残して死亡する。ジュリアナは捕えられるが、ワイアットは逃げる。スミスは妻と娘たちの失踪を知る。"イヤー・ゼロ"の式典で、自由の女神像は破壊される。ニコールは同性愛をとがめられてドイツに送還される。ニューヨーク市中では暴動が起き、ワイアットの仲間がヒムラーを狙撃する。アベンゼンはスミスに、自分が生存する別世界に転移するとその人物は死ぬと教える。スミスがジュリアナの肩を撃った瞬間、ジュリアナの姿が消える。 |
シーズン4のエピソード
[編集]通算 話数 | シーズン 話数 | タイトル | 監督 | 脚本 | 公開日 | |
---|---|---|---|---|---|---|
31 | 1 | "第六十四卦" "Hexagram 64" | Daniel Percival | ウェズリー・ストリック | 2019年11月15日 | |
1年後、サンフランシスコでは田上が暗殺されるが、皇太子妃は平和への譲歩を求め、海軍も同調するが陸軍は強硬な姿勢を貫く。息子と暮らすようになった木戸はBCR(黒人共産反乱軍)を疑う。中立地帯では、ナチスは協定を破ってデンバーに侵攻し、フィルムを没収して焼却する。レジスタンスのワイアットとレミュエルはBCRのベルに接触する。スミスはモンタナ州に行き、娘たちをヘレンから引き離して連れ戻す。並行世界のバージニア州ではジュリアナがセールスマンであるスミスの家族と親しくなり、トーマスら子供たちに合気道を教える。瞑想の中で易の第六十四卦を目にする。 | ||||||
32 | 2 | "危険な扉" "Every Door Out…" | John Fawcett | Kalen Egan | 2019年11月15日 | |
サンフランシスコでは、3年前、ベルとイライジャはBCRの指導者に会う。現在、レジスタンスはBCRに協力を求め、チルダンの催す競売で大日本帝国の指導者たちの暗殺を計画する。皇太子妃と猪口提督がチルダンの店を訪れる。木戸は矢守将軍に田上暗殺事件の捜査の終結を命じられる。木戸の息子の徹はPTSDに苦しむ。東部の大ナチス帝国ではニーベンベルト計画の工作員が連合国の勝った並行世界から戻り、その世界のスミスはセールスマンであり、娘はいないがトーマスは元気であるとスミスに伝える。スミスはジュリアナの写真を目にとめる。ニューヨークに戻ったスミスの長女ジェニファーはイヤー・ゼロ後の社会の変貌に戸惑う。次女のエイミーは大ナチス帝国に黒人がいないことを訝る。アベンゼンの協力の下、"扉"で繋がる多元宇宙の地図が作られる。並行世界では、工作員たちが防衛計画を妨害し、ジュリアナを見張る。 | ||||||
33 | 3 | "吸収" "The Box" | John Fawcett | Kalen Egan | 2019年11月15日 | |
サンフランシスコではチルダン主催の競売が開かれ、客の日本政府高官をレジスタンスとBCRが襲う。車に隠れたチルダンはBCRのアジトに運ばれる。徹が酒場で殺人事件を起こして木戸はヤクザの大神に呼びだされ、事件をもみ消す。ヘレンは娘たちを守るためニューヨークに戻る。並行世界ではジュリアナが工作員に襲われるが、この世界のスミスが自分を犠牲にして救う。 | ||||||
34 | 4 | "ジュリアナ、戻る" | Rachel Leiterman | Mark Richard | 2019年11月15日 | |
サンフランシスコでは、チルダンがBCRとの平和交渉を求める手紙を書き、皇太子妃と猪口提督は交渉に合意する。木戸は矢守将軍に猪口将軍の監視を命ぜられる。矢守将軍に近い、部下の飯島大尉が田上暗殺犯であることを知る。東部では、アムンゼンは枢軸国の勝利を正当化する映画に出演させられる。ジュリアナは元の世界に戻り、核兵器で汚染されたワシントンD.C.に入る。ニューヨークでは、スミスが並行世界の自分の死とジュリアナの帰還を知る。スミスとヘレンはウィルヘルム・ゴーツマン大将とヒムラー総統夫妻を自宅でもてなす。ヒムラーの妻マルガレーテはヘレンが1年間不在だったことを詮索し、スミス夫妻は自分たちの危うい立場に気づく。スミスは自ら、並行世界に旅する。 | ||||||
35 | 5 | "スミス家の岐路" "Mauvaise Foi" | Charlotte Brändström | David Scarpa | 2019年11月15日 | |
サンフランシスコでは、BCRと猪口提督が秘密裏に会談するが、木戸が憲兵隊を率いてBCRの指導者を殺し、猪口を逮捕する。矢守将軍は猪口に田上暗殺の罪を着せようとする。チルダンはBCRから逃亡する。東部では、ジュリアナがワイアットに再会し、スミスを狙う。ヘレンには秘密警察のマーサが付き添いにつく。並行世界では、スミスがトーマスに再会し、黒人差別を目にする。1946年に自分が見捨てたユダヤ人の友人を見て動揺する。 | ||||||
36 | 6 | "内なる力" "All Serious Daring" | Julie Hébert | Lolis Eric Elie | 2019年11月15日 | |
サンフランシスコでは、チルダンが店に戻る。矢守は皇太子妃を拘束し、軍法会議で猪口を田上暗殺犯にしたてあげる。だが木戸は猪口を銃殺刑から救い、矢守を逮捕させる。BCRは石油のパイプラインを狙う。東部では、ジュリアナがアベンゼンの放送に隠されたメッセージを読み解く。ジュリアナとワイアットはヘレンに会いにニューヨークに向かい、自由の女神象の代わりに建てられた新しい立像を見る。並行世界では、トーマスが両親の反対を押し切ってベトナム戦争に志願する。スミスは元の世界に戻る。 | ||||||
37 | 7 | "蜂起" "No Masters But Ourselves" | Richard Heus | ウェズリー・ストリック | 2019年11月15日 | |
西部の日本太平洋合衆国ではBCRが同時爆弾テロを仕掛け、パイプラインを爆破する。木戸は占領地域の保持が困難であることを帰国する皇太子妃に伝える。二日後、天皇は北米からの撤退を発表する。矢守は自殺する。東部では、ジュリアナとワイアットがハーレムに入り、ヘレンへの接近をはかる。ヘレンは中立地帯にいた汚名をそそぐため、社交界に復帰しようとする。 | ||||||
38 | 8 | "本土帰還" "Hitler Has Only Got One Ball" | フレッド・トーイ | Jihan Crowther | 2019年11月15日 | |
サンフランシスコでは、日本人が帰国を急ぐ。チルダンは皇太子妃から日本に行く許可をもらい、助手のユキコと結婚する。木戸の息子徹はアヘン窟に入り浸り、ヤクザに借金を作る。木戸は白人に処刑されそうになり、BCRに救われ監禁される。ヤクザの大神はBCRに協力関係を申し出る。東部では、大ナチス帝国が西海岸侵攻を計画する。妻を自殺で失ったアベンゼンがスミスに不吉な予言を知らせる。スミスは並行世界からトーマスを連れてくる計画を立てる。ジュリアナはヘレンに接触し、スミスが生きているトーマスにあったと教える。フーバーがスミス家を調査してスキャンダルをつかみ、ゴーツマンはスミスをベルリンに召喚しに来る。スミスは部下に反乱を持ちかけられるが断る。 | ||||||
39 | 9 | "破滅への序曲" "For Want of a Nail" | John Fawcett | Mark Richard and David Scarpa | 2019年11月15日 | |
大ナチス帝国の侵攻が迫るサンフランシスコでは、捕らえた木戸をめぐってBCRが白人と対立する。チルダンは日本行きがかなわず、ユキコと離れ離れになる。ニューヨークでは、夫の部屋に隠されたヘレンが並行世界で撮られたトーマスと自分達のフィルムを見て驚き、ジュリアナに連絡する。ジュリアナはヘレンにスミスを暗殺する計画を持ちかけ、怪しんだマーサは殺される。ベルリンでは、スミスはルドルフ・アイヒマン親衛隊上級大将に迎えられて西海岸への侵攻計画を伝えられ、スミス家を盗聴していたフーヴァーがスミスを貶める証拠を提示する。スミスとゴーツマンは共謀してヒムラー、アイヒマンらナチス幹部とフーヴァーを皆殺しにし、それぞれ北米と残りの世界を得る。 | ||||||
40 | 10 | "神の炎" "Fire from the Gods" | Daniel Percival | David Scarpa | 2019年11月15日 | |
サンフランシスコでは、チルダンはヤクザに頼んで日本に行こうとする。木戸はBCRから逃れ、息子の自由と引き換えにヤクザの最高顧問となる。BCRは白人と結んで侵攻に備える。ニューヨークでは、スミスが北米帝国の総統となり、西海岸侵攻作戦を練る。BCRが乗っ取って流した宣伝放送を見たジェニファーは母を責める。ヘレンは西海岸で白人種以外を殲滅する夫の計画を知り、娘たちを託して夫の予定をジュリアナに漏らす。スミス夫妻は列車で"扉"に向かい、スミスはトーマスをこの世界に連れてくるつもりだと打ち明ける。ジュリアナらレジスタンスは列車を爆破し、妻を失ったスミスは自殺する。西海岸への空爆は中止される。扉が開き、多くの人々がやって来る。 |
企画
[編集]2010年にBBCがテレビドラマ化を発表した。ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の映画化作品である『ブレードランナー』を監督したリドリー・スコットが製作総指揮、ハワード・ベントンが脚本を務め、スコット・フリー・プロダクションズ、エレクトリック・シェパード・プロダクション、ヘッドライン・ピクチャーズ制作による全4話構成でBBC Oneで放送されることが決まったが、その後は動きがなかった[9][10]。
2013年2月11日、アメリカのケーブルテレビ局であるSyfyがテレビドラマ化を発表した。BBCと同様に全4話構成で制作することになり、「Xファイルシリーズ」のフランク・スポトニッツが脚本兼任で、スコットと共に製作総指揮を担当することになった[11][12]。しかし、Syfyがドラマ化を断念したため、最終的にアマゾン・スタジオがネットドラマ化を発表した。スコット、スポトニッツに加え、演出を『PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット』のデビッド・セメルが担当し、パイロット版が制作された[13]。
2015年1月15日にドラマシリーズ化候補13作品中の1本としてパイロット版が公開され[14]、13作品中最も視聴された作品となった[15]。これを受け、2月19日に他の4作品と共にドラマシリーズ化が正式に決定し、7月に開催されたサンディエゴ・コミコンでは第1話・2話の試写会が行われた[16]。シリーズは11月20日からAmazonビデオで配信された。
撮影
[編集]2014年10月1日にパイロット版の撮影が開始され、サンフランシスコ、ニューヨーク、シアトル、ロザリン (ワシントン州)で撮影が行われた[17]。シアトルではシアトル・センター・モノレール、パラマウント・シアターを使用した他、パイク・プレイス・マーケットやジョージタウン地区の中心街、国際街での撮影が行われ、ロザリンでは『たどりつけばアラスカ』のオープンセットで撮影が行われた[17][18]。
2015年4月からはカナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバーの金融センターで撮影が行われ、5月から6月にかけてブリティッシュコロンビア大学でも撮影が行われ��[19][20]。
騒動
[編集]2015年11月、ドラマ宣伝の一環としてニューヨーク市地下鉄の車両座席に旭日旗やナチス・ドイツの国章をあしらった星条旗をデザインしたが、市民から批判が殺到する騒動が起きた[21]。デザインの掲示はニューヨークシティ・トランジット・オーソリティの許可を得て実施されたが、ニューヨーク市長ビル・デブラシオは「無責任で侮辱的だ」と批判し、Amazon.comは12月まで掲示予定だったデザインの撤去を決定した[21][22]。
評価
[編集]批評
[編集]パイロット版は批評家から高い評価を受け、Rotten Tomatoesには16件のレビューが寄せられ、「リドリー・スコットにより、第二次世界大戦後のディストピアが再現され、放送開始後すぐに夢中にさせる内容となっており、他の作品とは異なる」などとして94%の支持を集めている[23]。
受賞
[編集]2016年の第68回プライムタイム・エミー賞クリエイティブアート・エミー賞において撮影賞シングルカメラ・シリーズ部門とメインタイトルデザイン賞を受賞した。
脚注
[編集]- ^ “ナチスドイツと大日本帝国がアメリカを占領する架空戦記「高い城の男」がドラマ化、制作はAmazon”. カルラボ (2015年7月19日). 2015年7月21日閲覧。
- ^ Jarvey, Natalie (2015年8月3日). “'The Man in the High Castle' Creator Frank Spotnitz on Creating Alternate Histories”. hollywoodreporter.com. 2015年8月19日閲覧。
- ^ “もし第2次大戦の勝敗が逆転していたら…?フィリップ・K・ディック「高い城の男」ドラマ化”. シネマトゥデイ. (2015年10月25日) 2015年11月1日閲覧。
- ^ “'The Man in the High Castle' Gets Another Season and Another Showrunner” (2017年1月3日). 2017年1月6日閲覧。
- ^ “‘Man In The High Castle’ Renewed For Season 4; Unveils Season 3 Premiere Date & Trailer – Comic-Con”. Deadline Hollywood (July 21, 2018). July 21, 2018閲覧。
- ^ “The Man in the High Castle Reveals Its Final Season Premiere Date — Plus, Watch the Opening Scene”. TVLine. July 20, 2019閲覧。
- ^ 原作では本の題名である
- ^ ”かゝる人々は高き者を恐る 畏しき者多く途にあり 巴旦杏は花咲くまた蝗もその身に重くその嗜欲は廢る” - 旧約聖書(文語訳)『傳道之書(コヘレトの言葉)』12章5節 。
- ^ Sweney, Mark (2010年10月7日). “Ridley Scott to return to work of sci-fi icon for BBC mini-series”. The Guardian (London) 2015年7月25日閲覧。
- ^ “リドリー・スコット制作、ドラマ版「高い城の男」の脚本家が決定”. 映画.com. (2013年2月15日) 2013年11月21日閲覧。
- ^ 「ニュース:フィリップ・K・ディックの小説「高い城の男」がリドリー・スコット製作でドラマに」『海外ドラマNAVI』2013年2月14日。2023年4月30日閲覧。
- ^ “Syfy, Ridley Scott, Frank Spotnitz set miniseries”. Variety
- ^ “米アマゾン・スタジオがフィリップ・K・ディック「高い城の男」をドラマ化”. 映画.com (2014年8月5日). 2014年9月17日閲覧。
- ^ “Amazon、オリジナル番組のパイロット版公開、フィリップ・K・ディック「高い城の男」のドラマ化も”. MarkeZine (2015年1月8日). 2015年3月2日閲覧。
- ^ “ニュース:フィリップ・K・ディックの小説「高い城の男」のドラマ版、米Amazonでシリーズ製作決定”. 海外ドラマNAVI (2015年2月20日). 2015年3月2日閲覧。
- ^ “日本人女優TAO、リドリー・スコット製作『高い城の男』ドラマ版に出演”. クランクイン! (2015年7月19日). 2015年9月9日閲覧。
- ^ a b Muir, Pat (2014年10月5日). “Roslyn hopes new TV show brings 15 more minutes of fame”. Yakima Herald 2015年7月25日閲覧。
- ^ “Nuts and Bolts » 2014 » October”. djc.com. 2015年7月25日閲覧。
- ^ http://yvrshoots.com/2015/04/shoot-the-man-in-the-high-castles-nazi-john-smith-rufus-sewell-films-at-vancouvers-iconic-arthur-erickson-designed-tower.html#.VTcM8iFVhBc
- ^ http://ubyssey.ca/blog/the-man-in-the-high-castle-filming-at-ubc534Hauen, Jack (2015年6月1日). “The Man in The High Castle is filming at UBC” 2015年6月5日閲覧。
- ^ a b “旭日旗とナチスのデザインで物議、アマゾンがNY地下鉄の広告撤去”. AFP. (2015年11月25日) 2015年11月28日閲覧。
- ^ “旭日旗の地下鉄広告が物議 NY市長批判、撤去へ”. 産経ニュース (産経新聞). (2015年11月25日) 2015年11月28日閲覧。
- ^ “The Man In The High Castle Season 1”. Rotten Tomatoes. 2015年1月28日閲覧。