サードパーティCookieは、個人情報保護の観点から規制される動きが強まっています。規制が進むことでリターゲティング広告にどのような変化があるか、気になっている方も多いのではないでしょうか。

今回は、サードパーティCookie規制によるリターゲティング広告への影響や今後取り組みたい施策について、株式会社オプトの岩本氏に伺いました。

プロフィール

岩本 智裕 氏
株式会社オプト 執行役員

2015年オプト(現デジタルホールディングス)にエンジニアとして入社。アプリデータマネジメントツール「Spin App」の開発プロダクトマネージャー、2017年よりスマートデバイステクノロジー部 部長を務める。「ADPLAN」「Spin App」「TRIVER」「ONE’s Data」などのデータ系プロダクトの事業責任者を経て、2023年1月より株式会社オプト執行役員就任。マーケティング・アセット領域管掌。

目次

  1. サードパーティCookie規制によるリターゲティング広告に起きる変化
  2. リターゲティング広告から「一期一会」の施策への切り替えが重要
  3. サードパーティCookie規制後に活用したいツール

サードパーティCookie規制によるリターゲティング広告に起きる変化

ferret:
昨今「サードパーティCookie規制が進むと、リターゲティング広告が活用できなくなるのでは」という話題を見聞きします。
規制が進むことで、リターゲティング広告でのマーケティング施策は難しくなってしまうのでしょうか。

岩本:
マーケティング施策として全てのリターゲティング広告が活用できなくなるわけではありません

規制はCookieを中心に行われていますが、例えば端末の広告識別ID(IDFAやGoogle Play Advertisement ID)やユーザー識別ID(Emailや電話番号等)を用いた方法などでプライバシーに考慮しながらリターゲティングを実施することができます。

ただし、サードパーティCookieを使用したリターゲティングは多く企業で行われてきており、影響範囲は大きいと考えられます。

Cookieを使用 端末IDやユーザー識別IDを利用 その他
広告を実施している企業のサイトに訪問したユーザーに対し、媒体発行のCookieで突合し、リターゲティングを行う 承諾を得たユーザーに対し、媒体が保有する端末IDやユーザー識別IDを突合してリターゲティングを行う 媒体内の行動(検索行動、コンテンツ閲覧行動、フォロー行動等)を元にリターゲティングを行う

アプリ特化や媒体内のリターゲティング広告は利用可能

岩本:
モバイルアプリ利用者に対して明確な承諾を得たうえで行うリターゲティング広告はサードパーティCookieを使用せず、AppleやGoogleが発行する端末の広告識別IDを使用するため、規制後も従来と変わりません。

また、媒体内のリターゲティングは(例えば、Facebook広告から資料請求をしたユーザーに対して、Facebook内でリターゲティング広告を表示すること)は可能です。

GAFAやTikTokを中心と