TeraTermは、1994年に寺西高氏により開発された、国産のWindows用ターミナルエミュレータである。telnetプロトコルによるリモートホストへの接続と、COMポートによるシリアル接続を可能とし、マクロが利用できるのが特徴。XMODEMやZMODEMなどのファイル転送プロトコルもサポートしており、パソコン通信によく使われていた。また、TeraTermのプラグインであるRobert O'Callahan氏によるTTSSH(An SSH Extension to Teraterm)を組み込むことで、SSH1プロトコルによるSSH接続が可能となる。
初期のWindowsでは珍しく、TeraTermもTTSSHもソースコードのすべてが公開されていた。原作者版のTeraTerm(16bit版)の最終バージョンは1.4(対応OS:Windows3.1)、TeraTermPro(32bit版)の最終バージョンは 2.3 (対応OS:Windows95、WindowsNT)。
その後、ソースコードが公開されているがゆえに、IPv6対応やローカライズ版、プロキシ対応、半透明対応などの派生バージョンが登場した。しかし、主開発者が不在であること、改造版TeraTermを配布するためには原作者の許可を得る必要があることなどを理由として、TeraTermの開発を引き継ぐのが難しい状況となっていた。
また、セキュリティに関する認識が高まっていく中で、セキュリティ上の脆弱性があるとされているSSH1プロトコルは利用されなくなり、TTSSHがSSH2プロトコルに対応していないため(AyeraのTeraTerm Pro WebはSSH2対応だが品質が良くなかった)、TeraTermをセキュア通信として利用するユーザは少なくなってきていた。
2004年3月、TeraTerm ProjectによりTeraTermへのパッチという形態で、UTF-8サポートプログラムが作成された。同年8月にはTTSSHのSSH2対応版が、βバージョンとして公開された(TTSSHはBSDライセンス)。
同年9月にTeraTerm原作者である寺西高氏に連絡が取れ、正式な開発とバイナリ配布の許可を得ることに成功。そして、同年11月にSourceForge.jpへプロジェクトを移行し、BSDライセンスの下にオープンソース化された(UTF-8 TeraTerm Pro with TTSSH2)。
2005年8月には窓の杜へ収録された。
UTF-8 TeraTerm Pro with TTSSH2(TeraTerm 4.xx)では、UTF-8とSSH2対応を主軸とし、すべての派生バージョンの機能を取り込み、TeraTerm後継バージョンとして開発を進めていくことを目的とする。現在は日本だけではなく、海外(カナダに拠点を置く)のコミュニティもある。
2015年3月1日現在の最新バージョンは4.86で、対応OSはWindows98からWindows8.1まで。
ただし、接続先のsshdがOpenSSH 6.8の場合はそのままでは全く接続できないので注意。