世界保健機関(WHO)で議論されている感染症の世界的大流行(パンデミック)の予防や対応を定めた「パンデミック条約」案を巡り、「ワクチンの強制接種を可能にさせる」といった情報が、インターネットの交流サイト(SNS)を中心に拡大している。賛同する国会議員によって条約反対の議員連盟が結成されているほか、大規模な集会も開かれている。だが、主張の内容は事実に基づかず、WHOが「超国家主体として国家主権の上位に君臨する」といった、陰謀論の影響が色濃い批判も目立つ。(共同通信=佐藤大介) ▽厚生労働省は「悪魔」、メディアはYouTube中心 「皆さんは光の戦士です」。5月31日、東京都千代田区の日比谷公園大音楽堂(野音)で開かれた「WHOから命をまもる国民運動大決起集会」で、共催団体の代表が呼びかけた。「光の戦士」は、世界を操る「ディープステート(闇の政府)」の存在を信じる陰謀論者が、それと戦う人との意