名古屋市中川区の八幡中学校に市立小中学校として初めて飲料の自動販売機が設置され、16日から利用が始まった。生徒が自ら署名を集め、市教育委員会に働きかけて実現した。自販機の運用方針は「自治」。利用ルールや飲料の種類も生徒たちで決めるという。 「冷たくておいしい」 16日朝、全校集会後に一番乗りで自販機を利用した高知希さん(3年)は、飲み物を口にして笑顔を見せた。 熱中症対策などもあり、全国の中学校では自販機の設置が進む。だが、名古屋市では2000年に中学校で起きた5千万円恐喝事件の影響などで、生徒が現金を持参することへの懸念が強く認められてこなかった。 状況を変えたのは、八幡中の生徒の行動だ。「水筒がなくなると生ぬるい水道水しか飲めない。衛生的で冷たい飲み物があるとうれしい」。2年前、こんな意見を持つ生徒3人が設置に向けて実行委員会を発足した。 熱中症対策のほか、災害時には飲料の無償提供が受