明治大学法学部教授、大学史資料センター所長/図書館長 村上 一博 『虎に翼』ファンの宇垣美里さん(フリーアナウンサー・俳優)と対談しました このところ、裁判事例が出てきませんでした。久しぶりに私の出番です。 ドラマで扱った金顕洙(許秀哲さん)の放火事件は、三条市内で遊技場(スマートボール場)を経営していた金が、借金の返済に苦しみ、火災保険金を狙って遊技場に火をつけ、さらに近隣の4棟を焼失させた事件(放火および詐欺未遂の罪で起訴)でした。これは、昭和31年に実際に辰野町で発生した、次のような事件(長野地方裁判所飯田支部に係属)を脚色したものです。 起訴事実はドラマ設定と同じですが、被告人の李漢洙は、法廷で起訴事実を全面的に否認し、裁判官に対して反抗的態度を取り、また傍聴席にいた被告人の妻も 廷吏 (ていり) の制止をきかず韓国服のブラウスとスカートを引き裂きながら、韓国語で叫び声をあげて抗議