統計的決定理論の考え方 ―― ある意思決定戦略 ―― 失敗の損失は最小限に 次のような「不確実性のもとでの決定」(decision-making under uncertainty) を、わかりやすい日常的例で説明しよう。ある町に電気の工事請負業があり、各家から配線工事の注文をうけ商売している。その町の各家はその最大負荷において 3 つの状態 θ1:最大負荷は 15A、 θ2:最大負荷は 20A、 θ3:最大負荷は 30A のどれかの可能性があるとしよう。一方、配線用ワイヤー(電線)は、次の 3 通りの容量(規格)のものがあり、そのどれかを配線することになる。 a1:15A を配線、 a2:20A を配線、 a3:30A を配線 配線費用は適当な単位で、1, 2, 3 とする。 ところで、ふつう注文主の家がどの状態θ(負荷)にあるか工事屋には事前にはわかっていない。わかっていればどの行動a