キング・クリムゾンが1974年にリリースしたオリジナルアルバム『Red』、本作のリリースから今年で50年を迎えた。11月6日には最新ミックスやセッション音源などをコンパイルした50周年記念盤『Red 50』の国内盤も発表され、節目が訪れるたびにその作品価値は更新され続けている。 シド・バレットのドキュメンタリーが公開され、デヴィッド・ギルモアが新作を放ち、イエスが来日した2024年――プログレッシブロックが盛り上がりを見せる今、Mikikiでは『Red』の魅力を再考すべく和田信一郎(s.h.i.)に執筆を依頼。以下、4,000字以上にわたる『Red』とキング・クリムゾンを紐解くテキストをお届けする。 *Mikiki編集部 プログレという枠に留まらない存在感と影響力 『Red』は、音楽の歴史全体を見ても屈指の名作だ。ロックの先進性が最初の極点に達した1970年代のプログレッシブロック、その有