空手大会で小学生けが 審判団は放置し協議 大会運営に疑問の声

今月宮崎市で開かれた空手大会で、小学生が試合中に背後から後頭部を蹴られてけがをしたうえ、審判団が倒れた小学生を放置して協議をしている動画がSNSに投稿され、大会運営に対する疑問の声などが出ています。

動画が撮影されたのは、今月3日宮崎市の武道館で開かれた空手大会の小学生の部の試合中で、後ろを向いた男子児童の後頭部を、対戦相手が蹴る様子が写っています。

蹴られた男子児童はその場に倒れましたが、審判団は救護することなく協議を続けました。

所属する道場の関係者によりますと、男子児童は首にけがをしたということです。

動画はSNSで拡散され、大会運営に対する疑問の声などが出ています。

大会を主催した宮崎市の空手道場はNHKの取材に対し、男子児童が倒れたあとにもっとはやく対応にあたるべきだったと話し、道場が所属するWKO世界組手連盟は、子どもが背中を向けた時点で審判が間に入らなかったり、倒れた際に速やかに対応しなかったりしたのは問題だとしています。

一方、対戦相手が所属する大分市の空手道場は、セコンドについた指導者が、後ろを向いた相手に攻撃を続けるよう指示したことを認め、ホームページで謝罪したうえで、無期限の謹慎処分にしたと明らかにしました。

大会を主催した空手道場によりますと、背後からの攻撃は反則ですが、攻撃を指示した指導者は、男子児童が背を向けた際も試合は続いていると認識していたと説明しているということです。

スポーツ危機管理学が専門の日本体育大学の南部さおり教授は「子どもの命や健康が最優先だ。選手どうしが接触するスポーツでは、さまざまな事故が起きうるため、日頃からどのように対応するのかシミュレーションをすべきだ」と指摘しています。