ファッション業界は移り変わりが激しく、ブームを迎えたブランドが反動に苦しむケースも少なくない。しかし今は、低迷や停滞期を経て人気が再燃したり、ブームが落ち着いた後の再加速に成功したりのケースが散見される。さまざまな人気再燃ブランドを取材した。(この記事は「WWDJAPAN」2024年8月5&12日合併号からの抜粋です)
“ブランドらしさ”を取り戻して復活へ
“推し活”需要も追い風に
「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」といえば、ジーンズやアンダーウエア、フレグラン��を中心に、抜群の知名度を誇るアメリカのライフスタイルブランドだ。最近では俳優のジェレミー・アレン・ホワイト(Jeremy Allen White)によるジーンズと下着の広告が、全盛期の扇情的な広告をほうふつとさせつつ、SNS上で大バズり。BLACKPINKのジェニー(JENNIE 2022年)、BTSのジョングク(Jung Kook 23年)と次々迎え入れた大人気ポップスターも、ブルック・シールズ(Brooke Shields)やケイト・モス(Kate Moss)ら、一世を風靡したスーパーモデルを広告塔に迎えた1980~90年代の黄金期を思い起こさせる。顧客に愛された“ブランドらしさ”を現代的に表現することで、迷走し、業績不振に苦しんだ時代からの回復が進んでいる。
事業が拡大する中、2003年にPVHコープ(PVH CORP以下、PVH)が推定700万ドル(約10億円)で「カルバン・クライン」を買収すると、創業者のカルバン・クライン(Calvin Klein) はコンサルティング・クリエイティブ・ディレクターに就任。イメージを発信するトップラインはフランシスコ・コスタ(Francisco Costa ウィメンズ)、イタロ・ズッケーリ(Italo Zucchelli メンズ)、ウルリッヒ・グリム(Ulrich Grimm アクセサリー)の3人のクリエイティブ・ディレクターが担い、売り上げの大半を稼いでいた「CK カルバン・クライン(CK CALVIN KLEIN)」と「カルバン・クライン ジーンズ(CALVIN KLEIN JEANS)」「カルバン・クライン ホワイト レーベル(CALVIN KLEIN WHITE LABEL)」はケヴィン・ケリガン(Kevin Carrigan)が手掛ける態勢となった。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。