ファッション業界は今、セレクト各社やアパレルメーカーの2024-25年秋冬展示会の真っ最中。そこで今週と来週号では、今季のリアルトレンドをメンズ、ウィメンズの順番でお届けする。まずメンズでは、「WWDJAPAN」が今季のパリやミラノのメンズ・コレクションで見出したトレンド“グランパコア”が台頭している。レトロでリラックス感が漂いつつ、品もあってだらしなくない、“おじいちゃんの着古した服を借りてきた”ようなスタイルは、メンズのみならずウィメンズにも広がりそうな印象だ。なぜ今、“グランパコア”なのか?展示会取材を踏まえて背景を考察した。(この記事は「WWDJAPAN」2024年6月17日号からの抜粋です)
“おじいちゃんの着古した服”、例えばアウターならレザーのブルゾンやナイロンのMA-1、ツイードのジャケット、インナーならタートルネックのニットや総柄の(ダサ)セーター、ボトムスならデニムからチノやカーゴ、ドレスに至るまでのワイドパンツ、アクセサリーならネクタイやローファーを主役にしたスタイルが広がっている。
おじいちゃんが若かりし頃の洋服は、お父さん世代のそれと比べると寸胴で、細身の若い世代にとっては着なれたオーバーサイズのシルエット。特にジャケットはボックスシルエットが多く、トラッドやエレガントへの回帰が進んでオーバーサイズのジャケットが当たり前になった中、“おじいちゃんが着古したような服”への抵抗はほとんどない。
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