■11月15日 1980年代に活躍した女性アイドルグループ、おニャン子クラブの元メンバーで参院議員、生稲晃子氏(56)が、第2次石破内閣の重要ポストに選ばれた。外務省の大臣、副大臣に次ぐナンバー3の外務大臣政務官。2022年初当選の1期目で、外交関係の実績は聞いたことがないだけに正直、この初起用には驚いた。
13日の臨時閣議で発表された副大臣26人、政務官28人の1人。そもそも政務官とは中央省庁に置かれる官職で、大臣からの指示を受け特定の政策に関する情報収集をしたり、国会の委員会で答弁することもある。外務担当は大臣の海外出張に同行することもあるという。
外務省によると「どの国との外交も通訳が付くので、政務官も外国語能力は必ずしも必要ではない」という。生稲氏は短大の英文科卒。現在の英会話能力など外国語能力も未知数だが、複数の関係者によると「物腰が柔らかく、真面目な勉強家」と口をそろえる。
実際、乳がんを克服しつつ、芸能活動と子育てを続けた経験から、がん患者の再雇用ネットワーク作りなどに尽力してきた。一方、元SPEEDの今井絵理子参院議員(41)も今回、内閣府の政務官に2度目の起用が決まった。第2次石破内閣の元アイドル重視と女性の積極起用アピールの狙いも透けて見える。
しかし、混迷と緊迫の度を深める国際社会で、元アイドルとしての感性が外交に生きる可能性もある。政務官は見識を広め深める格好のポスト。おニャン子の代表曲「セーラー服を脱がさないで」には、対象は全く違うが♪お勉強してるのよ…という歌詞もある。生稲氏には特に、勉強だけでなく、目に見える実行力も期待したい。(森岡真一郎)