お笑いコンビ、雨上がり決死隊の宮迫博之さんの2人の女性との不倫が週刊文春に報じられ、話題になっている。宮迫さんは��8月11日、フジテレビ系「バイキング」に出演し、ホテルで女性と2人になったことは認めたが、「何もないです」と肉体関係を否定した。
宮迫さんは、女性とホテルで過ごした7月の3日間について、「酔っぱらって泥酔していた。酔うとホテルに行くことは何度もやっている」「フラれてしまった」と釈明していた。
ホテルで「何もない」と語ったことについて、ネットなどでは、「こんな言い訳が罷り通るなら浮気現場差し押さえの写真は無効」「まぁセックスしたって証拠はないからな」などの反応が出ていた。
不貞行為の慰謝料請求や離婚裁判などで、配偶者以外の女性とホテルに入ったという事実だけで、「肉体関係があった」とみなされてしまうのか。「何もない」という言い訳は通用するのか。山口政貴弁護士に聞いた。
●肉体関係があったとする非常に強い推認が働く
「『ホテルに入ったが、何もしていない』という言い訳が通用するほど裁判は甘くはありません」
山口弁護士はそう指摘する。どういうことだろうか。
「裁判のルールとして、慰謝料や離婚を請求する場合は、請求する側が相手の不貞行為、すなわち肉体関係があったことを立証しなければなりません。不貞行為の証拠としては、メールやSNSでのやりとりの他、実際に肉体関係があることを連想させる写真などの証拠も有効です。
では今回のように、配偶者以外の異性と2人でホテルの同じ部屋に入った証拠があるとします。成人した男女がホテルの同じ部屋に入った上で、ただ休憩しただけ、話をしただけ、という状況は想定しづらいでしょう。経験則上、社会通念から言っても、肉体関係があったとする非常に強い推認が働きます」
ただ、それでも当事者が「何もしていない」と主張した場合には、どうなるか。
「今度は肉体関係がなかったと主張する側が、『肉体関係があった』とする推認を覆さない限り、責任は免れません。もちろん某議員のように『部屋では勉強会をしていた。一線は越えていない』などという言い訳では推認を覆すことはできません。
つまり、どんな言い訳をしたところで、配偶者以外の異性とホテルの同じ部屋に入った事実があれば、それだけでほぼ100%不貞行為はあったものとされてしまうでしょう」
なお仮に、肉体関係が本当になかった場合でも、配偶者以外とホテルへ入る行為には、何らかの法的問題につながる可能性はあるのか。
「法律上は不貞行為、すなわち肉体関係があったかどうかが問題になります。しかし、肉体関係がなかった場合でも、そのことで夫婦関係が悪化したと言える場合には、慰謝料請求ができる可能性もあると考えます。また長期間の別居に至れば、離婚理由として認められることになります」