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「SDGs未来都市」、2022年度は宮城県大崎市など30都市を選定 内閣府

「SDGs未来都市」、2022年度は宮城県大崎市など30都市を選定 内閣府
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編集部

内閣府は5月20日、2022年度の「SDGs未来都市」に、宮城県大崎市や新潟県など30自治体を選んだと発表した。SDGs未来都市のなかで特に先導的な取り組みをおこなう「自治体SDGsモデル事業」には10件を選んだ。(編集部・竹山栄太郎)

今年で5回目 他地域のモデルに

SDGs未来都市の選定は2018年度に始まり、自治体のSDGsの取り組みを促すためのモデルをつくるねらいがある。政府は以下のように説明している。

SDGs未来都市とは、SDGsの理念に沿った基本的・総合的取り組みを推進しようとする都市・地域の中から、特に、経済・社会・環境の三側面における新しい価値創出を通して持続可能な開発を実現するポテンシャルが高い都市・地域として選定されるものである。
(出典:内閣府「2022年度SDGs未来都市等募集要領」)

2021年度までの過去4回で、SDGs未来都市に124自治体、自治体SDGsモデル事業に40事業が選ばれ、各自治体は「SDGsの先進地」として注目されている。

2022年度は、2022年2月に自治体からの提案を受け付け、「2030年のあるべき姿の実現に向けた優先的なゴール、ターゲット」「ステークホルダーとの連携」などの評価項目にもとづいて、21都府県の30自治体を選んだ。都道府県で選ばれたのは新潟県と鳥取県で、ほかの28自治体は市区町村だった。

2022年度SDGs未来都市の30自治体と提案名は次の通り。

No. 提案者名 提案のタイトル
1 宮城県大崎市 「宝の都(くに)・大崎」の実現に向けた持続可能な田園都市の創生
2 秋田県大仙市 課題先進地の挑戦 Well-beingにあふれる持続可能なまち
3 山形県長井市 循環で繋(つな)がるまち 長井
4 埼玉県戸田市 一人ひとりの行動変容から始まる持続可能なまちづくり~『このまちで良かった』みんな輝く 未来共創のまち とだ~
5 埼玉県入間市 Well-being City いるま~健康と幸せを実感できる未来共創都市~
6 千葉県松戸市 「やさシティ、まつど。」の進化と深化~多様な人材が奏でるSDGs未来都市の実現~
7 東京都板橋区 絵本がつなぐ「ものづくり」と「文化」のまちの実現~子育てのしやすさが定住を生む教育環境都市~
8 東京都足立区 多様なステークホルダーと挑む「貧困の連鎖」解消に向けた都市型モデルの構築
9 新潟県 豊かな自然としなやかに共存する「住んでよしの新潟」
10 新潟市 都市と田園の好循環~デジタル技術で食と農の可能性を拡(ひろ)げる都市~
11 新潟県佐渡市 人が豊かにトキと暮らす黄金の里山・里海文化、佐渡~ローカルSDGs佐渡島、自立・分散型社会のモデル地域を目指して~
12 石川県輪島市 “あい”の風が育む「能登の里山里海」・「観光」・「輪島塗」 ―三位一体の持続可能な発展を目指して―
13 長野県上田市 「ひと笑顔あふれ 輝く未来につながる健幸都市」上田の創造
14 長野県根羽村 源流の里による生命環境を生かした村づくり~矢作川源流地の持続可能社会に向けた取組~
15 岐阜県恵那市 「住みたい田舎」であり続ける観光・交流・定住・安住・共生の恵那ライフ -ENA遺伝子の継承と伝達-
16 静岡県御殿場市 誰もが輝ける 富���の麓(ふもと)の環境を守り育てるまち 御殿場
17 愛知県安城市 安城ならではの公民連携によるウェルビーイングな脱炭素社会の実現
18 大阪府阪南市 人と自然が共生・共創するCo-ベネフィット型未来都市の実現
19 兵庫県加西市 SDGsの推進を通じてみんなで創る 加西の元気力
20 兵庫県多可町 人と自然が共生する新たな森林サービスで幸福度高まるTAKA[多可]創生事業
21 和歌山県田辺市 未来へつながるまち「田辺市」を目指して ~1000年をつなぐ熊野の保全と継承~
22 鳥取県 人口最少県とっとりの「小さくとも持続可能な地域づくり」への挑戦
23 徳島市 SDGsでまちの未来を創ろう!持続可能なわくわくするまち・とくしまの実現
24 徳島県美波町 森への回帰 ウミガメの森の恵みの地域好循環による“にぎやかそ(にぎやかな過疎)”の加速
25 愛媛県新居浜市 ~先人の思いをつなぎ、シビックプライドを次のアクションへ~「SDGs未来都市 にいはま」実現プロジェクト
26 福岡県直方市 未来へつなぐ「ひと・まち・自然」~Road To 2030 Team NOGATA~
27 熊本県八代市 新たなつながりの創出で、「持続可能な人と企業に選ばれるまち」づくり
28 熊本県上天草市 島々を抱く穏やかな海で自然の恵みを活(い)かしたサスティナブルシティ ~訪れたい、応援したい、戻りたい~
29 熊本県南阿蘇村 3つのKによる「誰もが住みたい・住み続けたい南阿蘇村」の構築
30 鹿児島県薩摩川内市 「持続可能で魅力的なまち・薩摩川内市」を目指して

内閣府の資料「令和4年度SDGs未来都市 選定都市一覧」をもとに編集部作成

また、2022年度自治体SDGsモデル事業に選ばれた10件の事業名と提案自治体は次の通り。

No. 提案者名 自治体SDGsモデル事業名
1 宮城県大崎市 大崎耕土GIAHSを核とした持続可能な地域社会づくり
2 千葉県松戸市 Z世代を起爆剤に多様な主体が奏でる常盤平団地エリアのリ・ブランディング
3 東京都足立区 逆境を「まちの力」で乗り越える足立SDGsモデル構築事業「やりたくてもできない」から「やりたい!」に。
4 新潟市 将来に向けた持続可能な食と農の創出プロジェクト
5 岐阜県恵那市 恵那発たべるSDGsモデル構築プロジェクト〜 恵那ふうど = FOOD×風土 ~
6 大阪府阪南市 共創による新しい地域価値の創造カーボンニュートラルの先にあるCo-ベネフィット型未来都市に向けて
7 和歌山県田辺市 1000年をつなぐ田辺市熊野SDGsプロジェクト
8 鳥取県 人口最少県 誰もが活躍する「人づくり王国とっとり」戦略〜SDGsチャレンジ人財サポート
9 熊本県八代市 Move forward!「SDGs フードマッチングプロジェクト」
10 熊本県上天草市 島々を抱く穏やかな海とともに生き続けるためのプロジェクト

内閣府の資料「令和4年度自治体SDGsモデル事業 選定事業一覧」をもとに編集部作成

自治体SDGsモデル事業のうち、千葉県松戸市は、誕生から60年が過ぎて少子高齢化が進む常盤平団地で、地域資源とZ世代のアイデアを組み合わせてSDGsを軸にした取り組みを進める「まつどSDGsプロジェクト」を提案。和歌山県田辺市は、熊野の森を守り育てる仕組みと担い手づくりなどをアピールした。

各自治体の提案資料は、後日内閣府のウェブサイトで公開される。

岸田文雄首相は「多様な地域の特性を活かした成功事例が国内外に広く共有され、SDGsの達成と地方創生の実現に向けた大きな力となることを期待する」とのコメントを発表した。

竹山栄太郎
竹山栄太郎 ( たけやま ・えいたろう )
朝日新聞SDGs ACTION!編集長。2009年に朝日新聞社入社。京都、高知の両総局で勤務後、東京・名古屋の経済部で通信、自動車、小売りなどの企業を取材。2021年にSDGs ACTION!編集部に加わり、副編集長を経て2024年4月から現職。
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