最近では、個人でも非常に安価にプリント基板製作を発注できるようになってきました。Macでもプリント基板を作れる環境がありますので、プリント基板製作入門記事を書いてみようと思います。
プリント基板を作ってみよう!
電子工作をする場合、簡単な回路でしたらユニバーサル基板(万能基板)で組み立てることが多いですよね。
ユニバーサル基板はだいたい1枚あたり数百円、という感じでしょうか。一方で以前は個人でプリント基板を製造しようと思っても、そもそも少量生産してくれなかったり、注文できたとしてもとても個人の手が届く価格ではありませんでした。でも最近は海外の業者に注文すればかなり安価に製造できるようになってきてます。僕も今年(2014年)の2月に初めてプリント基板を発注したのですが、かなり安くできました。以前のエントリでご紹介しましたが、
このぐらいの基板(この商品の場合最大5cm x 5cmまで)で、6枚作ってもらって送料込みで約1,300円でした(5枚で注文したけど6枚きました)。また10cm x 10cmまでのプリント基板でも送料込みで10枚注文して2,000円〜2,500円ぐらいで作れます。こうなるとユニバーサル基板の値段とあまり変わらなくなってきますよね。ということで今後はプリント基板を設計できる技術を身に付けておいたほうがいいと思いますよ。
ところでプリント基板設計をするアプリは大半がWindows用なのですが、うれしいことにプリント基板を設計するためのメジャーなアプリである「EAGLE」にはMac版があります。そこで、Mac版のEAGLEというソフトでプリント基板を作る入門記事を書いてみようと思います。
この入門記事を書くのにどの程度の時間がかかるのか、今の時点で自分でもさっぱりわからないです。できればこの記事を読まれる方が夏休みにまとめて読めるように7月いっぱいを目標に書いてみたいと思います。今年の夏休みはプリント基板作成ツールを身に付けてはいかがでしょうか。
この入門記事の内容
この入門記事で使用するEAGLEに関しては市販の解説書が何冊も出ています。僕もそれらの書籍を読んで勉強したのですが、書籍となると一通り網羅的に書かれていてさらにリファレンスとしての役割もありますので、サンプルとして作成する回路が比較的大きな規模で説明されています。ただ回路の規模が大きいと、ポイントが分かりづらいこともありました。もうちょっとシンプルな回路で、プリント基板発注まで解説している記事があればいいのに、と思っていたのですが、そうこうしているうちにある程度使えるようになってきたので、思い切って自分で記事を書いてみることにしました。
ということで、この入門記事は、なるべく部品点数の少ない回路で、EAGLEを使うための必要な知識を身に付けられるように心がけようと思ってます。ただEAGLEにはかなりいろいろな機能がありますので、シンプルな回路でもそれなりに記事は長くなると思います。また自分がつまずいたところなども書いていこうと思いますので、なんか連載回数が多くなる予感がしてます。あとこの記事で作成したファイルなどはすべてダウンロードできるようにしますので、ご参考にされてみてください。
書き進めるうちに当初予定していた内容とずれるかもしれませんが、今のところ以下の内容で記事を書こうと思っています。
- EAGLE概要
EAGLEでできることを説明します。説明だけではつまらないのでサンプルプロジェクトを触ってみてどんな感じなのか実感してもらおうと思います。またEAGLEにはいくつかライセンス形態がありますので、それらについても説明します。 - サンプル回路
この入門記事で作成するプリント基板の回路を説明します。回路は「MacでPICマイコン電子工作入門」で作成したものをベースにします。プリント基板にするときに元の回路を少し変更しますので、その背景などを説明します。 - プリント基板を発注するまでの作業流れ
EAGLEをインストールしてから最後にプリント基板を発注するまでのおおまかな作業の流れを説明します。この項目のあとの説明は、作業の流れに沿って説明していくことになりますので、全体像をつかんでいただければと思います。 - EAGLEインストール
EAGLEのインストーラダウンロード、インストールなどの準備をします。 - 回路図作成
EAGLEを使って回路図を作成します。回路は簡単ですが、必要となりそうな手順などいろいろ盛り込んで説明したいと思います。 - プリント基板パターン作成
EAGLEでは「ボード」と呼んでいる、プリント基板のバターンを作成します。記事の中で詳しく説明しますが、EAGLEは無償でありながら自動配線機能を持っています。もちろん手動配線も可能です。このセクションでは、自動配線と手動配線の両方の手順でプリント基板のパターンを作成してみたいと思います。なお、複雑な回路になると自動配線で100%配線できないため、自動配線後、手動で手直しする方法なども説明します。また、プリント基板作成を業者に発注する場合、特有の注意点などもありますので、それらも合わせて説明します。 - プリント基板製造
この入門記事で作成したプリント基板を実際に業者に発注してみます。発注してから届くまで3〜4週間かかりますので、発注後、記事更新が遅くなりますがご了承ください。
予算
この入門記事で作成するプリント基板は「MacでPICマイコン電子工作入門」で作成した回路を元にする予定です。そのため、最終的にはPICマイコンにプログラムを書き込んで動作確認までしてみます。「MacでPICマイコン電子工作入門」で一度回路を作られた方はそれほど予算は必要ありません。部品を購入する場合でも以下のような感じです。
- EAGLE
EAGLEは個人の範囲内で使用する場合は制限はありますが無償です。主要な制限は、基板サイズは10cm x 8cm、二層というものです。商用機器を設計する場合などはこの制限は厳しいですが、個人で設計する機器はこの制限は大きな問題はないと思います。 - プリント基板製作費
今回製作するプリント基板は5cm x 5cm以内になります。5枚注文する場合、送料込みで$13ぐらいの予定です。現在のレート、約100円/US$の場合は1,300円程度となります。 - 部品
部品は全部で500円程度で購入できると思います。
ということで、電子工作向けの工具(ハンダゴテなど)、PICKITなどをお持ちであれば、2,000円程度で体験できますので、是非一緒に勉強してみましょう!
電子工作した試作機のPCB基板を作りたく、macのアプリをさがしていました。
ピッタリ?に違いないサイトに出会えてワクワクです。
よろしくお願いします。
コメントどうもありがとうこざいます。
すみません、このシリーズはかなり古く、EAGELのバージョンがかなり古い状態の記事になっています。ユーザI/Fや操作がかなり異なっている部分もありますので、不明点ありましたらコメント欄からご質問いただければと思います。