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テクノロジー

イベント後も楽しめる。初開催の「Tech-Verse」をヤフー視点で振り返る

みなさん、こんにちは。ヤフーのDeveloper Relations(以下DevRel)の中村と水田です。

11月17日と18日にLINEとヤフーが合同開催した「Tech-Verse 2022」、ご視聴いただけましたか。これまで各社で開催してきた技術カンファレンスを一緒に企画するということで、運営チームとしても学びや気づきがたくさんありました。本稿ではTech-Verseを通じたクリエイター活躍の場づくりとそこで得られた経験について、ヤフー視点で振り返ります。

Tech-Verse 2022とは

Tech-Verseロゴ

まずはTech-Verse(テックバース)の概要をおさらいします。

セッション数は全部で80を超え、Data/AI、Mobile App、Server Side、Infrastructureなど、9つのカテゴリでプレゼンとパネルを用意しました。

新しい試みでは、ライブ配信を活かしたAsk the Speakerとして、各プレゼンの最後に15分程度の「+Talk」を設けました。ここでは登壇者と異なるグループ企業に所属するエンジニアやデザイナーが質問者役になり、プレゼンを聞いて気になったことをリアルタイムで直接登壇者に質問します。

イベント名である「Tech-Verse」は、Tech(技術) と Universe(宇宙)をかけ合わせた造語です。「広大な技術を追いかける」だったり、「多様性のつながりによって世界をアップデートする」などの思いを込めて名付けました。”verse” に「向き・方向性」という意味があることから、Tech-Verse=”技術指針”といった造語としても親しんでもらえればと思います。

ヤフーにとって、過去最大のセッション数。コンテンツのクオリティにどうこだわったか

イベントにおいて、視聴者と登壇者との接点になるのはコンテンツです。例年おこなってきたYahoo! JAPAN Tech Conferenceと比べると、Tech-Verseでヤフーが用意するセッション数は3倍近くに増えています。さらには登壇する社員数も、主催する技術イベントとして過去最大の合計73名です。

この規模で、登壇者であるエンジニアやデザイナーがクリエイターマインドを発揮できる環境を提供できるのか。この点についてはヤフー社内ではCTOやグループCTO、各部門と連携し、加えてLINEが過去大規模イベントでの経験を通じて培ったノウハウを積極的に取り入れながら、コンテンツのクオリティにこだわったサポートをおこないました。

その中から、3つのポイントについて、振り返りながらご紹介します。

Tech-Verseにおける、ヤフーの”Verse”の部分をどう伝えるか

登壇者の多様性

先ほど名称の解説でも書いたように、Tech-Verseを技術指針と捉えると、ヤフーの”Verse”の部分をイベント全体でどう伝えるかというのはとても重要です。

今回ヤフーから登壇したプレゼン28枠は、社内公募により集まった中から選定しています。部門やサービスからの推薦もあれば、自薦もあります。またパネル9枠についてはLINEとヤフーの両DevRelで議論しながらテーマ選定をしています。いずれも技術領域のバランスや発信したいメッセージ、視聴者の体験などを考えての選定にかなりの時間をかけました。

最終的にはBlockchain以外の8つのカテゴリで技術領域を網羅する形でコンテンツを発表できました。登壇者に関しても、入社2年目の若手エンジニアから、部長や黒帯(ヤフー内のスキル任命制度)といったシニアエンジニアまで、さまざまな視点、立場からお話しいただきました。

登壇者サポートメニュー拡充

前述のとおり、Tech-Verseはヤフーにとって、過去の技術イベントで最大のセッション数となりました。視聴者に満足いただける内容になるよう、うまくサポートできるだろうか。実はこの点がヤフーのDevRelメンバーにとって不安な要素のひとつでした。

そこで、過去にLINEが主催したTechイベントで実施した施策として満足度の高かった、プレゼン講習を実施しました。より伝わりやすく・より魅力的なプレゼンができるように、株式会社圓窓代表取締役、元・日本マイクロソフト業務執行役員である、澤円(さわまどか)さんを講師に迎え、オンライン講義と個別講習の2つで登壇者をサポートしました。個別講習では登壇者からプレゼンの流れやアピールしたいポイントを説明。澤さんによる的確なアドバイスにより、その後のリハーサルの時点でクオリティは大きく改善し、当日のプレゼンでもしっかり実力を発揮できていました。

また今回ヤフーにとってもうひとつ、過去に例のない体験がありました。資料がすべて英語というところです。英語と韓国語での視聴者に対応すべく、当日も通訳が入ります。それに対応して、通常の登壇にはない「資料の翻訳作業」と、「通訳向けのトークスクリプト作成」が必要でした。ここに対しては外部委託先に協力いただき、英語翻訳サポートを提供しました。

この他、本番想定の通しリハーサルや登壇者マニュアルの提供などのサポートをおこないました。

ライブ感を演出する「+Talk」から得たもの

+Talkの様子

+Talkはライブ感を演出する上で非常に重要な役割を果たしたと考えています。目の前でプレゼンテーションされた内容を同領域のエンジニアやデザイナーが質問してくれる、というのは、質問者も同じような苦労をしていて共感性を感じられたり、「うちではこうやっているよ」といった新たなヒントを得られる場にもなった可能性があります。どんな質問が出てくるかわからない、程よい緊張感を持って望むという部分もありますがライブ感を演出することに繋がったのだと思います。

発表者以外に質問者を集めるのは苦労しましたが、このセッションには誰が質問者として立つべきかを考えることで、結果的にはセッションそのものの質を一段上げることができたと考えています。 

今回ギリギリまで質問者を決めることができなかったので、登壇者と質問者の事前打ち合わせはできませんでした。やればさらにクオリティを上げられるので、次回に向けてしっかりと準備していこうと思います。

まだまだ楽しめるTech-Verse

初めてのLINE、ヤフー共同主催かつZホールディングス各社も巻き込んだ形で実施できたのは、参加していただいた皆様にとっても面白いカンファレンスにできたと考えています。運営しているわれわれとしても各社がどのようにイベントの運営をしているのか、コンテンツの質をどのように高めているのかなど、連携したからこそ得られるものや学びの多いカンファレンスになり、成長させていただきました。一方で至らなかった部分があったことも十分に理解しているので、次回開催に向けてより良い形を提供できるようさらに研さんを積んでいければと思います。

Tech-Verseで発表された内容はアーカイブとしてYouTubeに公開していますし、発表資料もSpeaker Deckに公開しています。

また、今後Tech-Verseに関連する記事もこのYahoo! JAPAN Tech Blogで多数公開していきますので、まだまだお楽しみください。

このイベントを通じて、よりLINEやヤフー、Zホールディングス各社に興味を持ってもらえると嬉しいです。

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ご感想ありがとうございました


水田 千惠
Developer Relationsアドボケイト / FQ(Future Questions)編集長
東京でBonfireを運営。個人活動では最新テクノロジーやガジェットを使った作品を制作するメイカーでもある。
中村 友一
CTO室 Developer RelationsHack U プロデューサー
学生向けハッカソンHack Uのプロデューサーとして、全国の学生の皆さんにものづくりの面白さを伝えていくのがお仕事です。

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