小説家になろうが、なぜ女性向けで埋め尽くされ、男性が激減したのか? そして、なぜそれが3年前に予測できたのか

どうも、風倉です。ちょいまえに、このような投稿をしました


知らない人向けに説明しておくと。
2024/11/04 現在、小説家になろうのランキングは。

異世界転生・転移が埋め尽くしてた時代の面影は全くなく。
「恋愛ランキングかな?」というぐらい、総合ランキングでも、女性むけが幅を利かせている……というか、占有してる状態です。

では異世界系はどこにいったのか?

「カクヨム」です。

そちらは、往年のなろうのランキングのようになっています。
(まあ、配信系が増えたので、異世界ばかりというわけではないですけど)

ぱっとわかるのは

「小説家になろう」は
実質女性向けサイトになり。男性は激減し。
その男性たちは「カクヨム」に大量に移住し。
今も、移住し続けている

ことがわかります。

よって小説家になろうは(女性向けサイトを目指さないのであれば
衰退・失敗している……と、強く言ってしまえるでしょう

そしてそれを、予測したのが、冒頭の投稿というわけですが……。

なぜ、そんなことになったのかを、軽く解説します。

これは、小説投稿サイトや、ネット小説の歴史で、幾度となく繰り返されてきたことだからです


娯楽界隈全般に言えることなので、強く気をつけねばなりません

流れはこうです

1:女性は男性よりポイントを瞬時にいれる。これは女性のポイントは「応援」だが、男性のポイントは「評価」なため。
(男性は完結時でようやくいれたりするし、その上、厳しい)←全界隈共通原理

補足:アンケートなども女性のほうが圧倒的に出す。なので、実際は男女同等の評価でも「アンケ上では、男性不支持・女性支持」になりやすい事実がある。ジャンプはこれを前提の上、女性アンケ票を考慮している

2:なのでフラットにすると、女性向け作品ばかりポイントが増える。なのに、あまつさえ男性向け不遇・女性向け優遇などしたら、これが凄まじく加速する  (なろうはこれをやってしまった)

3:結果、ランキングが女性向けで徐々に埋まりはじめる

4:また、男性向けは割と女性も読むが、男性は女性向けはほぼ読まない←これもどこの界隈もそう

5:その結果、男性がサイトを見限っていなくなる

6:男性が激減し、女性が残ったので、残った作家はより女性向けに作品を作り出す。そして、そのせいで男性はさらに減る

7:無限ループが始まり、今さら手を打っても、男性流出が止まってくれない←イマココ
(それでも打つしかないが)

簡単にいうと、こういう理屈と流れです。南無。


ちなみになろうがなんでそんな事をしたのかというと。

別に、女性向けサイトを作ろうとか。
男性を迫害しようとか、そういう意図はほぼ無かったと思われます。
(ジャンル別で��愛カテゴリを一番上においてるところは、やや狙ってるかもしれないけど)。

なぜ女性むけサイトになっちゃったのか?

その大本はなにか?
それは

「異世界転生・転移」を総合ランキングから除外した

これです。他にもやらかしはあるけど、これが、男性流出にかなりクリティカルな影響をだしました


運営の思考を推察するとともに、流れを説明します


1:異世界転生転移が超流行る

2:そればっかじゃん!それしかないならみない!とか言われた
(そんなもん何が流行っても言われるけど)

3:運営はそれを真にうけてしまい、ジャンルの多様性を確保し、新規を逃さないために、異世界転生・転移をランキングから隔離した
(これ自体は7,8年とか前の話)
(これで、ジャンルの多様性が拡大し、あらゆる新規を取り込める、スーパーフィーバータイムを、運営は予測、期待した)
(風倉はこの時点で、めちゃくちゃヤバくないかと予想した)

4:同時に、ジャンル別ランキングをいじり、トップに恋愛などをもってきて、男性が好きなジャンルは下においやった。また戦記などの男性好みのジャンルも消した。

5:ところが、それは「流行ジャンルの隔離」や「多様性の増大」ではなく、実際やったことは「男性読者の隔離」だった
しばらくは、それでも異世界ものは「現地主人公」をベースに扱うことで、抗っていたけど、どうにも人気アイディアのコアを封じられたことは流石にきつく、男性が好む話が少しずつ減っていった

6:数年がたち、隔離された男性は「他のジャンル、例えば女性むけを読む」のではなく、普通にサイトによらなくなった。そしてカクヨムはそういう愚行をわざわざしなかったので、男性はカクヨムに移動した
(この移住は数年にかけて行われた。上記ツイートはこの頃の投稿)

7:その事実に、なろう運営はさらに数年たってようやく気づいたが、もう移住が大部分おわったあとだった

ちゃんちゃん

うーんこの。男女の特性差を理解しないとこうなるという。

運営は真面目に、深く考えてなかった。
あるいは、考えたかもしれないが、流行のコントロールしか考えず。
それが「ターゲット転換」であることに全く気づいてなかった。

そんな感じですね。

ジャンル変えてもいーですけど。
ターゲット変えてはダメですよ。


これどのくらいかというと。
ジャンプに例えるなら

「ジャンプは能力バトルものばっか!
 読む気しない!って言われたので。
 能力ものと、バトルものは、全部追い出しました!
 代わりにイケメンとの恋愛ものを優遇しました!
 これでジャンル多様性UP!新規大量増加まちがいなし!」


とやったら、
いつの間にか少年が読者にいなくなって、少女漫画雑誌になってました!
みたいなもんです。

これに繋がることをやったというのを感じたので。

8年前の隔離した時期にヤバいことやってんなといい。
そこからさらに年月が経ち、女性向けにランキングが侵食されはじめた3年前に「もう完全にヤバいって!早急に直さないとまずいよ」といったのです。

しかも、女性がよくかく「短編優遇」のようなポイントシステムの改変も途中でいれたので、余計に女性むけの流れは大幅に加速しました。

明確な崩壊は3年後ぐらいになるだろうっていうのは、今までの投稿サイトの人の移り変わりをみての経験則です。

こんなことになった原因はなにか。

ぶっちゃけ「流行は勝手に変わる」ということを理解せず、変にコントロールしようとしたのが間違いといえます

放っときゃいいんですよねぶっちゃけ。

どんな流行も、いずれ飽きるんで。

ちなみに今は、異世界転生・転移隔離は、やめています。運営は過ちに気づいたのです


ただし、遅かった。
とはいえ、過ちを認めず、やらないよりは100倍マシですね。

いうても、巨大サイト。
衰退はしても、消滅にはまだまだ程遠いし。
男性読者も、激減はしたけど、元が多すぎて、全然残ってはいますからね

また、カクヨムに移住したといっても。

カクヨムが勝利したというより。
なろうが自滅にちかいかたちで、男性読者を手放したので。

カクヨムが勝利宣言するにはまだ速い。
カクヨムが超素晴らしいからってのでもないのでね。

よって、波乱の起こる余地はまだまだあります

ただ、カクヨムは作者にインセンティブを渡してるし。
書籍化企画もなろうより活発だし。
読者への、自動的な新作おすすめ能力も、なろうより全然精度が高いし。
UIもなろうよりはいい(ハーメルンよりは悪い)

男性向けをかくなら、とりあえずカクヨム、というのは間違ってない。

余地があるといっても、将来材料は、カクヨムに有利な物が揃っています。

なろうは、今までの貯金で、どう戦うかを強いられていて。

なろうは運営も代わり、先代の過ちを必死に修正しています。
(修正してるつもりで失敗してるのも多いが)

3年前は、明確になろうが覇権でした

今はカクヨムが強いとはいえ、覇権、というにはまだ足りない

なろうは(男性向けとしては)強く衰退しつつあるが、まだ強い

それを踏まえ、今後も要注目です


補足:なぜ、女性は男性向けをそれなりに読むのに、男性は女性向けを読まないのか?


��れ、理論とはちょっと違うんですが、長年の僕の偏見と経験則でいいます

主に3つあります。

1つは「同性を性的な目でみる話に、女性のほうがおそらく耐性がある」ということ。バイ気質が、女性の方が強いということですね。
これは自分がR18小説でところどころ観測していて、なんか「ド直球のエロ」であっても、何故か女性読者が「可愛い女性みたさ」にいたりするんですよね。「◯◯ちゃんエロ可愛い!」みたいな。なので、エロでもこれだから、普通の男性視点の恋愛ものや、恋愛をとりいれた話でも、女性読者が普通にいます。
対して、男は「同性のエロ」に対して「相当な拒否感」があります。男の娘とかあるじゃんとかいわない。あんなもん極めて例外処理です。
エロは当然ですが、恋愛的な視点で見ること事態が、結構苦痛。みたいな。
ここにより「女性主人公で、男性が恋愛で絡んでくる話で、男性が強く脱落する」ことはよくあります。

2つは「異性の読者を獲得するために、異性でも読みやすいように気を配る」ことをする作家が、男性作家に比べ、女性作家はすくないのではないか?

ということです。
これはかなり体感の話なので、裏付けはあまりないんですけど。

本当は女性の性的サービスシーンをもっといれてもいいんだけど。
それやると、女性読者が離れるし、両方ほしいから。
マイルド表現にするか……とか。

女性読者ほしいから、男主人公だけど、性的な視線とは切り離した、綺麗爽やかな人物。あるいは設定にするか。みたいな。
なので、思春期男子なのに、一人でいたすような描写が皆無の、綺麗すぎるありえないキャラクターが生まれるんだけど。
それは、女性読者を気にした結果、みたいな。

こういうような「片方の異性読者もほしいから」という対策を、男性のほうがとってる気がする……ということですね。
もちろん大ヒットする女性作家は、ここらへんを気を配ってますが。
そうではない作家が、つまり、男性読者なんて完全に切り落としている女性作家が、結構いるなと。なんか、割合高いなと。
で、男性を性的にみてるような視点の話は、男性には耐え難いのだけど、平気で入ってくると。そうすると男性は読めないと。

3つ。女性向けは、恋愛要素が強く絡む率が非常に高い。
これも体感ですが。男性向けもヒロイン自体はでますが、恋愛描写は「あったっけ?」ぐらいのものも結構多い。対して、女性向けは濃く描写される率が非常に高い。というか、まずそもそも恋愛ものばかり。なろうも、ファンタジーですら恋愛ものばっかになってるし。
これが、男性はバイ気質がないのとあわさって、男性にはとても辛い。男性の好む男性がモテるわけでもないし……。ホストみたいなのには男性はひかれないんで。この、恋愛率の高さもあるでしょう。

というわけで。

この3つかな、と思います。

異論はうけつけますが、結構、自分は信じてます


※投稿時より、こまめに加筆・修正してます

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