菩提樹(ぼだいじゅ、ドイツ語: Der Lindenbaum)はフランツ・シューベルトの歌曲集『冬の旅』の5曲目で、作詞はヴィルヘルム・ミュラー。恋に破れた若者が旅立つ時に、以前は町の門の前にある菩提樹の木陰で甘い夢を見ていたことをなつかしむ歌。

歌詞

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歌詞は3番(6連)から成り、全詞と日本語大意は次の通り。

原詩 日本語直訳(GDFL

Der Lindenbaum

Am Brunnen vor dem Thore
Da steht ein Lindenbaum:
Ich träumt' in seinem Schatten
So manchen süßen Traum.

Ich schnitt in seine Rinde
So manches liebe Wort;
Es zog in Freud und Leide
Zu ihm mich immer fort.

Ich mußt’ auch heute wandern
Vorbei in tiefer Nacht,
Da hab’ ich noch im Dunkel
Die Augen zugemacht.

Und seine Zweige rauschten,
Als riefen sie mir zu:
Komm her zu mir, Geselle,
Hier findst Du Deine Ruh’!

Die kalten Winde bliesen
Mir grad’ in’s Angesicht;
Der Hut flog mir vom Kopfe,
Ich wendete mich nicht.

Nun bin ich manche Stunde
Entfernt von jenem Ort,
Und immer hör’ ich’s rauschen:
Du fändest Ruhe dort!

菩提樹

町の城壁の入り口の前の
一本の菩提樹が立っている。
その木陰で私は見た、
沢山の甘い夢を。

私はその幹に
沢山の愛の言葉を刻んだ。
楽しい時も、苦しい時も、私は思い出す
そのことをさらに強く。

今日も私は、さまよわねばならない、
深い夜の中へ。
私はまだその闇の中にいる、
目を閉じて。

そして枝がカサカサと音をたてた、
まるで私に呼びかけているかのように。:
私のところに来なさい、仲間よ、
ここで、あなたの安らぎを見つけるだろう!

冷たい風が吹いた
私の目の前で。
帽子が頭から飛んでいった、
でも私は振り向かなかった。

今、私は数時間
あの場所から遠く離れているのに。
まだ、あのガサガサという音が聞こえ、
そこで、あなたは安らぎが見つけるだろう!

日本での受容

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日本でも人気がある歌曲で、「泉に添いて、茂る菩提樹」で始まる近藤朔風の日本語訳がよく知られている。[1]

脚注

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