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ドラクエ3
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福島県楢葉町に本社を置く新電力、福島電力が電力小売りから撤退する。その実態が、日経エネルギーNextの取材で見えてきた。事業開始から半年程度で急速に契約数を伸ばしたものの、業務フローが整わず、誤請求や未請求が多発。撤退に至った。問題なのは、その撤退方法だ。不誠実な対応に混乱が広がっている。 福島県楢葉町に本社を置く新電力、福島電力が電力小売りから撤退する。 楢葉町は、東京電力・福島第1原子力発電所から半径20キロ圏内の警戒区域の端に位置する。経営トップは、楢葉町の電気工事会社である福眞を2007年に創業した眞船秀幸氏。「電力を通じて福島を活性化」をスローガンに、2017年中頃に新電力事業をスタートした。沖縄を除く全国で電力を販売しており、2017年後半に急速に事業規模を拡大した。 2018年1月の供給量は家庭など低圧部門で1261万3000kWh、高圧で296万7000kWhの計1558万
北海道エリアの卸電力市場価格が、電力需要が減る春になっても高値に張り付いている。北海道地域の新電力は苦しい電力調達を強いられている。高値要因の精査が求められる。 「北海道の卸電力価格は異常な状態が続いている。正常なビジネスができない」。北海道エリアで電力小売りを手がけている新電力幹部は厳しい表情を浮かべる。 冬場、全国的に高騰した電力市場価格だが、3月に入り気温が上昇してからは落ち着きを取り戻し、足元では���穏な“春相場”が続いている。 しかし、北海道エリアだけは別だ。今も異様な高値のままである。 下のグラフは4月25日水曜日受け渡しの北海道エリアプライスとシステムプライス(全国価格の指標)を比較したものだ。北海道の価格は、需要が少ない夜間でも全国価格に比べて数円程度高い。需要が増える昼間時間帯は10円程度高いことも珍しくない。1年の中でも需要が比較的少なく、平穏なはずの春相場においても、北
広域機関がとりまとめた最新の供給計画が波紋を呼んでいる。発電設備が不足し、2021年にも安定供給の水準を割り込むおそれがあるというのだ。背景に予想を超える休廃止電源の急速な増加がある。 「容量市場が始まる2024年度を待たずに需給ひっ迫することが現実的な問題として懸念される」。 3月30日に電力広域的運営推進機関が公表した「平成30年度供給計画のとりまとめ」に、このような所見が盛り込まれた。向こう6年の間に電源(発電設備)が足りなくなるおそれがあると指摘した。 東日本大震災直後こそ大いに心配された電力不足だが、原子力発電所稼働ゼロの状態を乗り切り、徐々にだが今では再稼働も始まっている。加えて、ここ1~2年は人口減少や省電力の進展などで電力需要の中長期的な減少傾向も顕在化し始めている。なぜ、ここにきて電源が不足することになるのか。 2021年度は安定供給ギリギリの水準 容量市場は安定供給確保
東京電力は、NTT民営化の翌年に当たる1986年に通信子会社、東京通信ネットワーク(TTnet)を設立した。東電だけでなく、大手電力各社が通信子会社を設立。電力系通信事業者は、自由化で競争が導入された通信市場でNTTと戦った。 その後、TTnetはパワードコムとなり、2006年にKDDIに吸収合併された。これをもって東電は通信事業から撤退した。 「当時、パワードコムの売却先にNTTという選択肢はなく、KDDI一択だった。NTTと戦うための会社だったからね」。前出のOBは振り返る。 それから12年。東電は4月18日、NTT持株会社と新会社TNクロス(ティーエヌクロス)を設立すると発表した。新会社の設立は7月2日の予定で、資本金は1億円。東電ホールディングス(HD)とNTT持株会社が折半出資する。 NTTの電話局でVPP基盤作る 新会社の狙いは、バーチャル・パワー・プラント(VPP)の基盤構築
もはや、世界が経済成長を続けるだけの石油エネルギーを供給する能力を地球は持ち合わせていない。当コラムはここまで、様々な角度から石油経済の限界が近づいていることを説いてきた。今回は、石油価格と経済成長の関係を検証する。 人類が地中から石油を手に入れたのはわずか150年前のことだ。この「豊富で安価」なエネルギーを使えるようになっ��、人類はかつてない繁栄を享受してきた。 だが、有限である石油資源を短期間で使い過ぎた。「豊富で安価」という石油の恩恵が陰りを見せ始めている。プラスチックや排ガスなど石油由来の廃棄物や汚染物質が地球環境を悪化させたという批判も拡大した。 石油の限界という大きな課題を乗り越えていく方策を模索するためにも、ここで改めて石油と経済の関係についてまとめておきたい。 グラフ1は世界の石油消費量と国民総生産(GDP)との関係である(2014年まで)。世界の成長は石油消費量に強く依存
単純な料金競争と一線を画した戦略を採る新電力ベンチャー、みんな電力(東京都世田谷区)が、ブロックチェーンを活用した電力取引プラットフォームの提供に乗り出した。 電力は発電事業者から系統を介して需要地に届けられる。そのため、需要家が実際に消費した電力がどの電源に由来するものかを“色付け”し、明確に識別することができない。 しかし、みんな電力の電力取引プラットフォームを用いれば、系統内で混ぜ合わさった電力の電源を、デジタル証書によって仮想的に色付けして識別。そのうえでブロックチェーンの台帳の記録から、需要家が消費した電力をトラッキングし、電源を特定できる。 発電や消費をした電力量を証明するデジタル証書「トークン」を発行するとともに、発電事業者と需要家との取引履歴をブロックチェーンの台帳に記録する。台帳の記録を参照することで、需要家はどこの電源から電力を調達したか、発電事業者はどの需要家に電力を
新会社の名前は、CDエナジーダイレクト(東京都中央区)。4月の設立後、小売電気事業者やガス小売事業者などのライセンスを申請・取得後、首都圏の法人や家庭にサービスの提供を始める。夏頃にはメニューや料金を明らかにするという。 数ある大手電力・ガス会社の中でも、親しい関係にある両社。新会社設立会見の席上で、中部電の勝野哲社長は、「(大ガスとは)三重・滋賀ラインやフリーポートを共同展開してきた。さらなる協業の可能性について協議を重ねてきた」と明かした。 三重・滋賀ラインとは、中部電・四日市火力発電所と大ガス・多賀ガバナステーションを結ぶ約60kmの天然ガスパイプラインのこと。2004年に建設で両社が合意し、2014年に完成した。今、中部電と大ガスは、相互に天然ガス供給を受けることができる状況にある。大手電力・ガス間でパイプラインを結んだ初めての事例だ。このプランを構想した当時は、「両社の社内外に驚
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン かつて国営だったJR各社が民営化を経て、収益事業体としての歩みを進めている。特に、本州3社と呼ばれるJR東日本、JR東海、JR西日本は、駅隣接の商業ビルや改札内での小売業態「駅ナカ」が大きな利益を生み、高収益企業として資本市場からの評価も高い。本業の鉄道事業の成長性は期待しにくいが、事業の多角化によって十二分に魅力的な企業になった。今後、大手電力会社が成長していくためにも、JR各社の取り組みは参考になる。 日本の大手電力会社の場合は既に民間会社であるため、旧国鉄から民営化されたJR各社とは異なるが、規制事業を本業としていた企業の事業が自由化されるという面では共通している。 第二次世界大戦に伴う電力事業の国家管理の時代を起点に考えれば、どちらも
ところが、その原油の「正味エネルギー供給量」は、2000年頃から減少し始めている。 今後も「正味」のエネルギー供給量の減少は続き、石油経済の行方に大きな影響を与える。しかし、ほとんどのエネルギー統計で「正味」は触れられることなく、「見かけ」の数字で構成される。「正味」を語らないエネルギー統計からは、この問題を読み取れない。 エネルギー統計で見えてこない“真実” 「正味」とはどういうことか。 原油を地下から回収するには、油田の探索を行い、発見できれば地下から回収するための設備や機器類を設営し、採掘する。これら全工程で直接あるいは間接的にエネルギーが消費される。当然だが、原油というエネルギー源を回収するには、外部から何らかのエネルギーを投入しなければならない。 ある油井で、原油1バレル(159リットル)相当のエネルギーを投入して、10バレルの原油を採掘できたとする。この10バレルが「見かけ」の
年明けから原油価格がじわりと上昇している。この値動きは、2017年夏ごろ、1バレル47ドル(WTI=ウェスト・テキサス・インターミディエイト価格)程度だったころから続いているもので、現在の65ドルという水準は2014年末の価格急落以来の高値となる。 原油価格が上昇してくると、いつも想起されるのが「米国シェールオイル(*)の増産」である。果たして、現在進みつつある原油価格上昇でシェールオイルの増産は進むのか。それはいつまで続き、原油価格や世界経済にどの様な影響を及ぼすのか。
「役所的でビジネスマインドが感じられない」。大手電力に対して、こうした批判の声を聞くことは少なくない。確かに利益を稼ぐことに淡白な面はあるが、単純には大手電力を責められない。一般に、企業の財務のあり方が事業方針を決めると言われる。しかし大手電力の歴史を振り返ると、通常とは逆に、電気事業の仕組みが財務のあり方を決めてきた経緯がある。 企業の資金調達方法には、大きく負債(デット)によるものと、株式(エクイティー)によるものがある。前稿「大手電力の資金調達に潜む時限爆弾」において、金利負担が少なくて安定的なデット(社債発行や銀行借り入れ)による資金調達を続けて来た大手電力は、2025年に一般担保付社債発行の終了を迎えるため、早期に新たな資金調達方法を確立することが必要だと指摘した。 デットによる資金調達は、遠からず従来通りにはいかなくなる。と���いえ、今の大手電力にエクイティーによる資金調達ができ
リー・ドンシャ氏は、赤ん坊の頃から祖父母や親戚に預けられて育てられた。中国北部の山東省の生家から30分ほど離れたところだった。彼女の両親には、そうせざるを得ない理由があった。すでに娘が一人いて、複数の子どもを持つことを禁じる中国の法律を破ったことで、罰金を徴収されたり解雇されたりする恐れがあったからだった。 政府当局から隠れ、事情を知らされずに育ったドンシャ氏は、ちょうど小学校に入った頃、よく訪ねてくる優しい叔母と叔父が実は本当の両親であることを知った、と言う。ようやく本当の両親の家に戻れた頃には、すでに十代に入っていた。 ドンシャ氏は現在26歳で、家庭教師を派遣する企業を経営している。特殊な幼少期を過ごすことを彼女に強いたあの時代は、今やはるか昔に感じられる。中国政府は一人っ子政策を2015年末に撤廃し、全ての夫婦は2人目の子どもを持つことが(2016年から)認められたからだ。 むしろ最
ドイツの第2党で中道左派の社会民主党(SPD)は、メルケル独首相が率いる中道右派政党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と大連立政権を組むことについて、賛否を問う党員投票を実施する予定だ。 筆者の胸の内には、SPDの党員に反対票を投じてほしいと願う気持ちがある。連立政権が今のように長く続いてしまうと、結局は右派強硬派と左派強硬派が勢力を強めることにつながるからだ。 民主主義の下ではどんな政権であっても、ある程度時間が経つと、対抗する同等の、またはより大きな勢力が生まれてくることを我々は知っている。SPDとCDU・CSUの交渉が成立すれば、ドイツではこの12年で3度目の大連立政権が誕生することになる。だが、そんな事態は(強硬派の台頭につながるので)、早く終わりにするほうがいい。 暫定合意文にある驚くべきEU統合に関する政策 しかし、筆者は心の中で今回の連立に限っていえば意義があるとし
米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)は1月20日、北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)で馬小屋かと思うほど大型の新しいピックアップトラック「シボレー・シルベラード」(2018年末発売予定)を披露した。何が目新しいのか疑問に思うかもしれないが、その発表はGMの驚くべき復活を浮き彫りにした。 2017年10~12月期は過去最高益を記録する見込み よいニュースは、ピックアップトラックの売れ行きが業績を大きく左右するGMにとって、シルベラードの利益率が著しく高いことだけではない。デトロイトショーと同時にGMが開いた投資家向け説明会で、メアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)がはつらつとした振る舞いを見せたことから、GMが2月6日に発表する2017年10~12月期の決算は過去最高益を記録する公算が大きい。 さらに、世界のあらゆる大手自動車メーカーは今後、極めて厳しい難局に直面することに
経済産業省は、発電設備の固定費の一部を卸電力市場とは別の仕組みで小売電気事業者から徴収する「容量市場」を2020年に立ち上げる。供給力が安定的に確保できれば卸電力価格が下がり、「中長期では小売電気事業者の総負担は現行と同等水準に収れんする」と経産省は説明してきた。だが、経済学的に見て根拠は乏しい。 2017年12月26日、経済産業省はこれまで検討を続けてきた4つの制度(ベースロード電源市場、間接送電権、容量市場、需給調整市場)について「中間論点整理」(第2次)を提示した。ここまでの成果と課題をとりまとめたもので、今後の制度設計の土台となる。 果たして新制度は議論が尽くされたのか。ここでは、今後の進み方次第では需要家が負担する電力料金にも大きく影響しかねない容量市場の問題に迫ってみたい。 通常の卸電力市場は電力量1kWh当たりの価格を30分ごとに決めて売買される。 これに対して、容量市場は電
「地域新電力」という言葉を一度は耳にした読者も少なくないだろう。 狭義では「自治体から出資を受けている新電力」を指すこともあるが、自治体が出資していなくても「社名に地域名を冠して地元にアピールする新電力」を広く含めることもある。現在、両者を合わせた地域新電力は60社あり、これは登録新電力全体の15%を超えている(2018年1月時点)。今後も増えていくと見られる。 地域新電力は、「自治体から出資を受けられれば住民に信頼されやすい」、あるいは「電気の地産地消など地元ならではのプランをうたうことで、親近感と支持を得やすい」といった発想や思惑で設立されるケースが多いようだ。 だが、その地域新電力が今、苦しんでいる。利益を出すどころか、地域住民の認知も低く、想定ほど需要家数が伸びていない事業者が多い。地元の再生可能エネルギー発電所の協力も思うように得られず、日本卸電力取引所(JEPX)からの電力調達
昨年12月10日の世界人権デーの日、米ホワイトハウスは、独裁主義の「yolk(卵黄)」に苦しむ人々を支援するという声明を出した(編集注、本来、yolkではなくyoke=くびきと書くべきところを、つづりを間違えた)。 “卵まみれ”になったホワイトハウスの面々を巡るジョークが飛び交ったのは言うまでもない。トランプ政権は年がら年中、つづりの間違いを連発しているが、今回のはとりわけ秀逸だった。 トランプ政権が示す人権への関心は薄い。それでも最低限の対応をしようと考えて、世界人権デーに発表した声明だったが、その最低限の仕事をするにしてもスタッフの数が足りていないだけでなく、そのスタッフのレベルが低いことも露呈した一件だった。こうした細かいところに目をむけると、実に多くのことが見えてくる。 ただ、誤字や脱字をチェックする校閲担当者でなくても、トランプ大統領が人権などほぼ気にかけていないことは分かる。今
ときに異様な高騰を見せる卸電力市場。価格形成が依然不安定だ。国民生活や産業を支える基本財といえる電力の場合、本来の需給や経済環境に応じて、市場においても常に「適正価格」が提示されることが望まれる。「電力の番人」の存在が不可欠だ。 2017年の日本卸電力取引所(JEPX)は波乱の連続だった。 旧一般電気事業者自身が宣言した「自主的取組」がいつのまにか不全を起こし、スポット市場への売り玉不足から市場価格はしばしば高騰した。その背景としての「予備力の過剰確保」や、帰結としての「当日の電力余剰」などの問題も表面化した。 自由化の進展にはスポット市場の確かな市場運営が望まれる。現実には理想とはほど遠い価格形成が続いている。 改めてこの冬の市場動向を見ておきたい。 昨年10月には売り入札量の増加が見られ、市場の売り玉不足はいったん解消に向かったかに思われた。 背景には、中部電力と関西電力の過剰な予備力
4月からスポットCMの取引指標が個人視聴率に変わるなど、テレビ視聴データを巡る大きな変化が起きている。ではテレビとデジタルの今後はどうなるか。メディアコンサルタント/電通総研フェローの境治氏に解き明かしてもらった。 2018年はテレビ視聴データのターニングポイントになりそうだ。3つの新しいデータ計測が本格始動するからだ。ビデオリサーチ(VR)の世帯視聴率が個人全体視聴率に変わること、JAA(日本アドバタイザーズ協会)がテレビとデジタルの共通指標を打ち出すこと、そしてインテージの視聴ログが広がることだ。 1つ目の、視聴率が世帯から個人全体に変わることは既にに本誌で昨年11月に早々と報じられている(関連記事)。12月からは業界内で説明が行われているようだ。 なぜ世帯を個人にするのか。視聴率測定が始まった1960年代は確かに、1つの世帯でほぼ全員が同じ番組を夢中になって見ていたし、購買行動も世帯
大東建託の新電力子会社、大東エナジーが電気事業から事実上の撤退を決め、顧客(需要家)の間で混乱が起きている。大東エナジーは「他の電力会社への切り替えのお願い」というレターを需要家に送付。切り替え手続き期限を約1カ月後に設定した(路頭に迷う26万の「大東難民」を救えるか)。 大東エナジーのように新電力事業から撤退する場合、守らなければならないルールはあるのか。顧客への対応で気をつけるべきことは。西村あさひ法律事務所の松平定之弁護士に解説してもらった。 【質問1】 大東エナジーが電気事業から事実上、撤退するに当たり、顧客である需要家が不安に感じている理由の1つが「他の電力会社に1カ月以内に手続きをする」という点です。突然の通知で、1カ月後までに手続きしろというのは乱暴な気がします。 【回答1】 小売電気事業者(新電力)が小売電気事業から撤退する場合、法的に留意する必要がある点が大きく2つありま
9月20日に米国東南部を襲ったハリケーン「マリア」の影響で、プエルトリコでは多くの地域で3カ月以上も停電が続いている。もともと系統が脆弱だったせいもあるが、復旧には時間がかかりそうだ。自家発電装置を持っている家庭は良いが、そうでない住宅ではロウソクでの生活が続く。 田淵電機アメリカや米テスラは、蓄電装置を緊急出荷した。太陽光発電と蓄電池をセットで設置することで、部分的とはいえ、「電気のある生活」を取り戻すことに貢献している。「ある家庭に1日がかりの作業で1号機を設置したとき、50日ぶりの電気に歓声が上がった。近所から見学者が多数押し寄せてきた」と田淵電機アメリカの藤井青美社長は言う。 田淵電機の蓄電装置は、定格容量が9.48kWhと18.96kWhの2機種。5kW程度の太陽光発電でフル充電可能であり、夜間の生活で必要最低限の電気を賄える。田淵電機は、米国で家庭向けの蓄電装置を展開するほぼ唯
「(メキシコとの国境に)壁を建てよ」 「彼女を投獄せよ」 「腐敗を一掃せよ」───。 いずれもトランプ氏が、2016年の米大統領選挙中に連呼した3つのスローガンだ。だが、彼はいずれの約束も果たしていない。 公平を期すために言うと、どれも大統領の決断だけで実行できるものではない。国境に壁を建設するには、議会がその費用を予算に盛り込む必要があるし、ヒラリー・クリントン氏を投獄することができるのは、断固として独立性を守り通している司法当局だけだ。 3つめのトランプ氏が、連邦政府や議会が産業界を含むビジネス界と近すぎるとして「腐敗を一掃する」としてきた点については、行政機関として自分たちで対応できることは多いはずだが、ワシントンでは相変わらずロビー活動が活発だ。 トランプ政権になり過去最高利益を出したとみられるロビイストたち ロビイストというのはなかなかしぶとい人種で、ねじれ議会による膠着状態でロ
小売料金が下がる中で調達価格が上昇 西日本エリアの昼夜を合わせた全時間帯の12月の平均価格は、2016年が8.9円/kWhだったのに対して、2017年はなんと13円/kWhにもなった。1kWh当たり4.1円、前年比で46%も高い。ちなみに北海道を除く東日本エリア(東京エリアプライス)の12月平均価格は10.3円/kWhだ。西日本は東日本に比べて、12月は2.7円/kWh高かったことになる。 新電力へのダメージは、西日本での販売比率や電源調達を市場に頼る度合いなどで一律ではないが、全面自由化を機に参入した新規参入組の中には市場調達の割合が7~8割に及ぶ事業者も珍しくない。加えて、大手電力との価格競争はますます激しさを増している。 ただでも薄利と言われるのが電気事業だ。小売料金が切り下がる中で、仕入れ値がこれだけ上がれば、「2018年は撤退する事業者が複数出てきてもおかしくない」(新電力幹部)
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 原油や非鉄、鉄鉱石、穀物などの一次産品は、価格の変化に対して需要量、供給量ともに柔軟に反応できない。これを「価格非弾力的」という。わずかな需給変化でも、それを増幅する形で価格が大きく変動することを意味している。だからこそ投機マネーが流入し、さらに大幅な価格変動を招く。一次産品がコモディティ(国際市況商品)と呼ばれるゆえんである。 原油市場は2014年秋に価格が暴落して以降、「価格低迷」→「産油国の財政悪化」→「協調減産への動き」→「油価上昇」→「米シェールオイル増産観測」→「油価押し下げ」といった悪循環に陥っている。 供給過剰が解消できない中、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油価格は、1バレル・50ドルを挟む不安定な展開が
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 再生可能エネルギーの普及などを背景に、リチウムイオン蓄電池など電力貯蔵設備(ストレージ)を活用したビジネスが世界で次々に誕生している。日経BP総研 クリーンテック研究所はこの変革の波を「世界 再エネ・ストレージビジネス総覧」にまとめた。その中から、新たな電力ビジネスとしての「系統安定化ビジネス」に焦点を当ててリポートする。 ドイツはストレージビジネスがいち早く商業ベースに乗ってきた国だ。同国は電源構成に占める原子力発電の比率を減らし、再生可能エネルギーを拡大する方針を掲げる。風力発電や太陽光発電などの再エネが発電量に占める割合は、2017年1~6月期には前年同期比2%増の35%に達し、史上最高を更新した。 一方で風力発電の建設が相次ぐドイツ北
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 大手電力が変化を受け入れた背景には、再エネの大量導入だけでなく、電力需要の減少があります。電気事業連合会が公表しているデータを見ると、リーマンショック前の2007年をピークに需要が減少していることがわかります。 2017年はバブル期以来の空前の好景気となりました。それでも、「期待したほど需要が戻らない」(大手電力幹部)。その理由は、省エネの進展です。 好業績となった企業の多くが、生産設備の追加や更新、工場に冷暖房を設置するなどの快適投資をしています。かつては設備が増えれば、電力需要も増えるのが当たり前でした。ところが、「設備の省エネ化が猛烈に��み、設備投資すればするほど需要が減る時代になった」(大手電力幹部)のです。 2017年は厳冬となった
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン あけましておめでとうございます。日経エネルギーNext編集長の山根小雪です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 2018年はエネルギー業界にとって、大いなる変化の年になりそうな気がしています。2016年の電力全面自由化、2017年のガス全面自由化といった分かりやすいイベントはありません。ただ、大手電力にとっても、新電力にとっても、今年どう動くかがその後の行方を大きく左右すると感じるのです。 その理由は、日本のエネルギー業界の巨人である大手電力の“気づき”にあります。 夏に火力発電所がフル稼働しなかった衝撃 「大手電力会社の経営陣から社員までが、初めて再生可能エネルギーを怖いと思った年」。ある大手電力幹部は、2017年をこう表現します。 電
世界では今、経済的には欧米が主導するグローバル化の時代が、そして地政学的には冷戦後の「米国による一極支配」という時代が終焉にさしかかっている──。 ちょうど1年前の1月、私はこのように論じた。問題なのは、米国が築いた第2次世界大戦後の自由主義的な秩序が崩れ去って、世界はグローバル化と逆行する方向に進み、各国が対立していくのか、それとも各国の間で互いに協力する関係が復活するのかという点だ。 トランプ氏の米大統領就任から約1年が経った今、我々はこの点について再び考えてみる必要がある。簡単に言うと、現在は前者の可能性の方が強まっている。 この1年間、トランプ大統領のやってきたことを見れば、彼の特殊な人格が浮かび上がる。何しろトランプ氏は毎日のように、世界が米国の大統領に期待しているのとは逆の言動や態度をとっている。 ただ、トランプ氏が自分の個人的な利益のために米大統領職を利用し、真実が何であるか
米連邦通信委員会(FCC)は2017年12月14日に採決を実施し、通信回線を提供する通信・CATV各社(ネット接続会社=ISP)が、提供するコンテンツの種類によって扱いに差を付けないよう定めた「ネットの中立性」規制を撤廃することを決定した。 その前日、FCCの委員長を務めるアジット・パイ氏はツイッターに、(規制撤廃後のネット利用について)米国民を安心させるための短い動画を投稿した。同氏はその中で犬を抱きながら「これからもかわいい動物の写真を投稿できます」と説明した。 同じ動画の中に、パイ氏が映画「スター・ウォーズ」のライトセーバーを振り回す場面もある。これを見たルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミル氏は、パイ氏は大企業の味方をしていると、やはりツイッター上で批判した。 さらにこれに対して共和党の上院議員テッド・クルーズ氏はパイ氏を擁護し、政府によるウェブの規制を支持したのはダース・ベイ
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