計画停電が、発酵食品や医薬品の製造に深刻な影響を与えている。小売店でヨーグルトや納豆が品薄になっているのも、製造工程での温度管理が難しく、工場の生産能力が落ちているためだ。医薬品も停電になると、無菌状態を維持しにくく、品質の管理に影響が出る。ビールも増産を急ぐが、計画停電区域の工場では仕込みができない状況で、電力とビールが最需要期に入る夏場の生産管理に頭を痛めている。消えたヨーグルト 「計画停電の予定が前日に知らされるのでは、原乳の入荷や配合する菌の準備など正確な量産計画が立てられない」。雪印メグミルクの担当者は、計画停電が生産に与える影響をこう説明する。ヨーグルト製品の最大拠点である海老名工場(神奈川県海老名市)も、生産はほぼ停止状態だ。 ヨーグルトは牛乳と同様に高温殺菌するだけでなく、40~50度の状態で発酵させる。冷却や保温など微妙な温度調節が必要で停電すると、品質管理や長期保存がで