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ソニーmocopi、SlimeVR対応でHMD併用の精度向上。VTuber向け“上半身集中モード”

SteamVRに対応しSlimeVRが利用可能に

ソニーは、モバイルモーションキャプチャー「mocopi」のアプリについて、1月18日のアップデートでSteamVRとSlimeVRによるトラッキングに対応することを発表した。また、VTuberの配信や座って利用する人向けの新機能として、上半身集中モードも新たに追加。ともにベータ機能として追加される。

1月12日に行なわれたmocopi開発者トークライブ内で発表されたもの。アップデート後のバージョンは「ver2.0.0」。

【#mocopi】mocopi 開発者トークライブ

従来はスマホアプリ内で、キャプチャされたセンサーデータから3Dキャラクターモーションデータ生成までを行なっていたが、SteamVRとSlimeVRとの連携では、スマホアプリではキャプチャされたセンサーデータをそのままパススルーでPC側へ送信。モーションデータ生成はSlimeVR側が行なうため、VR機器使用時のモーションの精度が大幅に改善される。

SlimeVRを使用している様子
SlimeVRを使用している様子

ベータ版の機能を使用する場合は、アプリ起動時に右上に表示されるメニューから「高度な機能の有効化」にチェックを入れることで、通常の使用方法、PCVR、上半身集中モード、下半身集中モードから選択して使用できるようになる。

SlimeVRを使用する場合は、「PCVR」を選択することで、スマホアプリからセンサーデータをそのままPCに送信するモードになる。なお、使用するにはPCにSteamVRとSlimeVRのダウンロードと設定を行なう必要があり、その詳細を説明する動画も合わせて公開される。

設定およびキャリブレーションも全てSlimeVR側で行なうため、一度接続が完了してしまえば、スマホは近くに置いておくだけで、HMDなどを装着したまま姿勢のリセットなどが行なえる。

キャリブレーションもSlimeVR側の動作で行なう

なお、SlimeVRを使用する場合は、ヘッドのセンサーを胸に、手首のセンサーを太ももに装着。頭の動きはHMD、手の動きはコントローラーが担当する。SlimeVR側でセンサーの場所を指定できるため、PCに接続できる他のトラッカーと組み合わせて使用したり、mocopiを取り付ける位置を変えることもできるが、mocopiの信号はスマホ側から送る必要があるため、mocopiの数を増やすことはできない。

VRChatでの精度比較

腕の動きが綺麗になる“上半身集中モード”

上半身集中モードは同名のモードを選択して、アプリの指示通りに接続、装着すれば使用できる。通常では足首に取り付けるセンサーを二の腕に装着して使用する。とくに腕のトラッキング精度が向上し、通常のモードでは苦手な「ゆっくりと腕を上げる動作」で腕を伸ばしきりやすくなった。

脚の動きがトラッキングされなくなるため、下半身を動かすことはできないが、一般的なVTuberの座りながらの配信や、アバターを使った動画撮影などで使用しやすいモードとなっている。

なお、上半身集中モードは従来通りスマホアプリでのキャリブレーションが必要で、立って一歩踏み出す動作が必要になる。

上半身集中モードを使用している様子。二の腕に足首用センサーを付ける
上半身集中モード

また、顔写真からアバターを作成できる「Avaturn」との連携に対応。同サービスでリアルなアバターを作成後、直接mocopiアプリに取り込んで操作可能になる。

この他にも、mini RAYNOSちゃんのアバターがプリインストールされるほか、モーション伝送とモーション保存の同時実行、モーション収録後のファイル名の変更と保存、モーションデータの個別削除/ファイル名の変更、アバターの表示を調整後にロックする機能など、細かいアップデートも行なわれる。