米Amazon.comが、一般の人に急ぎ便商品の配達を依頼する「Amazon Flex」という外注プログラムを米国で始めたと、複数の米メディア(Wall Street JournalCNETなど)が現地時間2015年9月29日までに伝えた。

 このプログラムでは、自動車を持つ一般の人がAmazonの専用アプリを使ってサインアップし、自分が配達可能な時間帯などを入力する。すると、最寄りの商品集積所から商品を受け取り、顧客の住所に配達するよう指示される。Wall Street Journalは、Amazonがこうした人々に支払う報酬は1時間当たり18ドル〜20ドルと伝えているが、AmazonのWebサイトでは同18ドル〜25ドルと案内している。

 AmazonのWebページによると、参加者は1日のうちで2時間、4時間、8時間の範囲で働く時間を選ぶことができ、翌日以降に働く時間を12時間まで設定することもできる。「フレキシブルに好きなだけ多く、あるいは好きなだけ少なく働くことができる」とAmazonは説明している。

 このプログラムの参加者は、会員制プログラム「Amazon Prime」の加入者向けに提供している急ぎ便サービス「Prime Now」の商品を配達する。Prime Nowは、現在シアトルやニューヨーク、ダラス、アトランタなどで提供しており、最近はロサンゼルスでも始まった(発表資料関連記事)。だが、同社は現在シアトルだけでAmazon Flexの人員を募集しており、ニューヨークやダラスなどのPrime Now提供地域の募集は「まもなく始まる」としている。

 なおAmazon Flexへの参加条件は、年齢が21歳以上で、自動車と有効な自動車運転免許証、Androidスマートフォンを持っていることなど。参加者には事前の身元審査があるという。現在は自動車の所有者に限定しているが、将来的は自転車や徒歩による配達も計画していると、Amazonは説明している。

 「ラストワンマイル」と呼ばれる、家庭に商品を届ける最終経路や、「クラウドソース・デリバリー」と呼ばれる、一時的な契約職員を使った配達サービスについては、先ごろWall Street Journalが報じていた。同紙によるとAmazonはこうした施策で、コストを抑えたり、繁忙期に配達遅延を防いだりできるようになるという(関連記事:Amazon、一般の人が商品を配達する新たな仕組み「On My Way」計画中)。