米McAfeeが米国時間2009年5月5日に発表したウイルスとスパム・メールに関する調査結果によると,2009年第1四半期はスパムを配信するために利用されるボット感染マシンが急増した。ボット感染マシン数は約1200万台にのぼり,前年同期を50%上回った。
第1四半期のスパムの流通量は,前年同期から20%減少した。これは2008年11月に,米国の迷惑メール送信事業者McColoのインターネット接続をISPが遮断したため。しかし,スパム・メールを中継するボットネットが急拡大したことで,スパムの流通量は遮断前の70%まで戻っている。
ボット感染マシンが最も多いのは米国で,全体の18.0%を占める。次いで,中国(13.4%)と,急速に順位を上げたオーストラリア(6.3%)が続く。米国はスパムの送信件数でもワースト1(35.0%)で,2位のブラジル(7.3%)と3位のインド(6.9%)を大きく引き離した。
当期は,SNS経由で感染を広げる「Koobface」ワームが猛威をふるった(関連記事:「MySpace」「Facebook」経由で感染するワーム,Kasperskyが警告)。3月だけで,新たな亜種が800種類以上検出された。
また同社によると,Web 2.0サイトを悪用したり,URLのリダイレクトによってスパム・メールの発信元を偽装する手口が増えているほか,正規のコンテンツをホスティングするサーバーを悪用してマルウエアを配信する手法が増加している。
[発表資料へ]
[調査レポート(PDF文書)]